つれづれ日記

チェリスト秋津のつれづれな日記です。

行ってきました(その1)

2009年03月07日 22時41分10秒 | Weblog
昨日は人形浄瑠璃「文楽」広島公演を観賞してきました。
演目は「一谷嫩軍記」(いちのたに、ふたばぐんき)というものでした。
文楽を観るのは、今回が全く初めてではないけれども、以前観たのは僕がチャイコフスキーコンクールに行く少し前でした。
二次予選に自国の現代曲を取り入れなくてはいけなくて、その曲に選んだのが黛敏郎さんの「文楽」でした。
最初に弾いたのは学生の時かな? 楽譜を見たときは何だか全然理解できなかったので、CDをまず聴きました。聴いたのは堤剛さんのものでした。
「百聞は一見にしかず」の如く、聴いていると、日本人の血なのか、どこか遠い記憶の中に「知っている」という感覚があったので、それを頼りに自己満足で弾いていました。
ただ、留学中にアメリカ人からレッスンを頼まれた時、本物を見た事もないのに、知ったかぶりしていていいのだろうか? という罪悪感めいたものがずっとあったので、チャイコフスキーに行く前に一度は本物を観て行こうと思い立ち、東京の国立劇場を訪ねたことがあります。
しかし、今回は訪ねた理由がちょっと違いました。
それは、昨年NHK=BSのテレビ出演の時に、禅の世界感のお庭の中でバッハを弾くという大胆なロケーションを前に、自分があまりにも日本人としてのアイデンティティーが無いということに、何とも言えない寂しさを覚えたのです。
それからというもの、何か自分の中に日本人の証のようなものを捜す努力を始めようという気持ちになり、目に付くものは手にとっていきました。

つづく

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