あっという間に終わってしまった真冬のトルコの旅だった。
忘れないうちに、印象だけ書き留めておこう
トルコで有名なのはイスタンブールだけど、女性に人気なのは
カッパドキアらしい。トルコ中央地域にある奇岩の山岳地帯。
ここでは洞窟ホテルという岩山をくりぬいて作られたホテルに泊まった。
カッパドキアの街は「風の谷のナウシカ」のようでもあり、「ホビト」の故郷の様でもあった。
カッパドキアへの行きは地中海と接するダーダネルス海峡を渡ったが、
イスタンブールへの帰りは黒海とつながったボスフォラス海峡にかかる橋をバスで通過した。
翌日アジアとヨーロッパを隔てるボスフォラス海峡クルーズに参加した。
イスタンブール市内観光の目玉は、何といっても「ブルーモスク」と称されている、
トルコ最大のイスラム寺院(規模ではなく格が最も高い)の内部見学だった。
驚くほど巨大な内部は清潔で、どの宗教の信者も見学できる。
隣に立っているのが、やはり有名な「アヤソフィア」と言われる巨大なモスク。
モスクと言っても、実は東ローマ帝国時代に建設されたキリスト教会をモスクに改装した建物で、
キリスト像やマリア像と、イスラムの祈りの壁が聖堂内に同居する博物館になっている。
トルコ政府の懐の広さを感じさせる世界でも稀有な場所だと感じさせられた。
その雄大さ、豪華さに、バチカンのサンピエトロ大聖堂を想起したが、イスラムのモスクは
礼拝だけのためにあり、偶像や墓地が併設されていないからか、キリスト教会に比べ明るいと感じた。
(磔にされ血を流す像のような、恐怖感を感じさせるものが一切ないのだから)
イスタンブールのもう一つの目玉は、グランバザール。
1700万人を抱える世界最大の都市の中心にある、広大な屋根つき商店街だ。
そのバザールに向かうときに乗ったのが「世界一短い地下鉄」といわれている(ギネスに載っているらしい)
”トンネル”という名前の地下ケーブルカー。たった一駅しかないこの地下鉄のホームで、
とても懐かしい光景に出会った。チェロの「ストリートミュージシャン」だった。
久しぶりに聞くチェロの音色に聞き入っていると「あなたも演奏するのか」と話しかけてくれた。
「ほんのちょっと」と答え、市民オケに参加していることなど片言で会話することができた。
彼女は音大生らしく、演奏しているのはアラブのイントネーションを感じさせる全てオリジナルの曲だった。
チェロは大変気持ちよく良く鳴っていて、彼女の腕のよさを感じさせ、曲想にもピッタリだった。
トルコの旅はあっという間に幕を下ろした。
トルコという国は5000年前のヒッタイトに始まり、紀元前のギリシャ、ローマ時代、
紀元後の東ローマ帝国、オスマントルコ、そして現在のトルコ共和国と続く、重層的で奥深い歴史に裏打ちされていた。
シルクロードの終点、文化の交差点のアラブの国・・・・ではなく、
世界の文化の中心であり続けたことに本当に驚かされた。
現地で手に入れた、手作りのトルコ絨毯が届くのが楽しみだ。
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