東京でレッスンに通いだして、色々な気付きをいただいている。
●音階で下降するときの左指や左腕の使い方が全くわかっていなかった
A線で四分音符のスケールを弾くことを想定すると、第1ポジションでシ・ド・レと演奏し、
第4ポジションに飛んで、ミ・ファ・ソと弾く。ここまではこれまでも何度もやってきたので、迷いはない。
しかし下降に入って、第4ポジションでソファミと降りてきた後、第1ポジションに戻るときには
守らなければならない基本手順というか動作を踏み外していたことが分かった。
これまでは「音が出ればいいんだよね」とばかりに、小指でレを取りながら降りてきていたが、
ポジション移動、特に下降局面では、基本動作順というものがあることが分かった。
そのポイントは・・・
下降に入って第4ポジションでソ・ファ・ミと降りてきたら、ミを弾いている途中で、左腕は第一ポジションの近くに移動を開始していなければならず、同時にネックの下の親指は第一ポジションの親指の位置に移動が終わっていなければならない。
そして第1ポジションで4指がレを押さえるときには、1~4の全ての指が同時に、
第一ポジションのそれぞれの基本の位置を同時叩いていなければならないのだ。
実はこれまでも師匠からは「小指で弦を叩きながら戻ること」は教えてもらっていたが(それも出来なかったのだけど)、今回のレッスンでは、腕の動作、親指の移動、そして4本の指全体でA線を叩くまでを、分解写真のように丁寧に実演し教えていただいた。
とくに最後の4本の指が、同時に基本位置を叩きながら戻るのは非常に難しい。
「先生、この動きをプロの演奏者はいつでもやっているんですか?」
「そうです。親指を含む全ての指が戻っていなければ、速い動きの演奏はできないでしょ」といわれた。
今回の気付きはFeuillardのDaily,Exercises5番の第一小節目のエクササイズで、
第一ポジションと第4ポジションの移動の練習で露呈したのだった。
●均一なリズムの難しさ
Feuillardのエクササイズは単純だけど、とても難しい。
その中でも最も単純で、初歩的な練習の一つ(2番)でも、問題が発覚した。
A線でド・レ・ド・シという、たった4音をワンボーイングで4~8回繰り返すのだが、この運動を
何十回か(1分連続で)繰り返しているうちに、均一間隔のはずのドレドシが崩れたリズムになってしまう。
ド・レ・ド・シではなく、ド~レドシ、ド~レドシ・・・と付点四分音符みたいに抑揚が付いてきてしまう。
この原因は「指を弦を押さえるのは簡単だけど、指を弦から離して上げるのは難しいんです」と先生は説明してくれた。目で見る楽譜通りに演奏できるよう、手と腕の筋肉を動かせるよう鍛えないといけないと感じた。
●放し飼いの左指をなんとかしたい
そのほかにも、左手で一番の問題は、押さえていない指が遊んでること。
どうしても2中指や3薬指が空中遊泳を始めてしまう。
そのたびに「3の指、何の仕事もしていないですよ」などと先生に指摘される。
指の空中散歩は、チェロ弾きなら一目で素人とバレるので、なんとかしたいものだ。
でも何年も”放し飼い”にしてきた指たちは、簡単には言うことを聞いてくれない。
これから左指を飼い慣らすのは相当な困難が予想されるけど頑張ろう。
以前はオケの先輩諸氏から、左手の使い方について指摘されたこともあったけど、
当時はっきり掴めなかったことが、レッスンを通して分かるようになってきた。
チェロ生活6年目にして「演奏技術の基本」を教えてもらえるありがたさと、
まだ前進できると自分に期待できる嬉しさを感じている。
Feuillard33番はまだ先生から指示されてませんが、随分息の長い曲ですね。この曲エチュードを基本どおりに弾けたら素晴らしく上手くなっているのでしょうね。