チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

チェロの技能向上への道は遠かった!?!?

2007年08月20日 22時29分47秒 | チェロ
 夏はチェロの遅れを一気に追いつけるチャンス!休みに入ったら練習するぞ!と意気込んでいたのに、そんな簡単には行かないのが技術や技能の世界なんだ。練習し、失敗し積み重ねた時間だけ前に進めることは分かってはいても、目と手と頭がバラバラで楽譜に沿った演奏はできない。

 まるで小学生の夏休みの宿題と同じ。僕が小学校4年生のとき、8月31日に一気に1月分の宿題をやりきろうと取り組み始めた。気がつくと夜の10時。ドリルやら研究やらは出来ても、最後に残ったお裁縫が終わらない。枕カバーを作って明日は学校に持って行かなければ・・花柄の図案を決めたのはようやく夜中の11時。一針一針刺繍してゆくものの、全然進まない。

 とうとう柱時計が12時の時を告げる。ボーンボーン。そのあとはただコチコチと柱時計の音だけが起きている。当時の小学生にとって夜中の12時を過ぎるなんて別世界。なんで出来ないのか涙が出てくる。すると母親がやってきて、そっと針と布を手に取ると、さっさっと仕上げてゆく。その見事さに驚くものの「これじゃ僕の作品にならないよ」と駄々をこねる。でも一方で絶対自分じゃできないことも分かっている、ただ泣きじゃくるしかできなかった・・・

 そんな遠い記憶がよみがえる夏の一日。今でもおんなじだ。チェロ。全然上手くならない。

 何が悪いんだろう。一つには、オケの譜面は、今の自分のレベルの運指では不可能なフレーズがある。そうだ!指板の上でどんなポジションがあるのか、一覧表を作ろう。早速パソコンに向かって、1弦から4弦まで全てのポジションの一覧を作る。すると、オクターブまで行かなくても案外隣や、さらにお隣の弦で音が取れることが分かる。これはいい発見! なんだかチェロが弾けるようになった気分だ。しかし分かっていたのだ。ポジションが分かっても、目と・指と頭が連動しなきゃ弾けない。一覧表つくりになんだかんだで1日費やしてしまった。

 もう一度、地道に行こう!と練習を始めると、今度はシャープ5つとかフラット5つとかの譜面に全く歯が立たないという壁にぶち当たる。つまりCDで聞く曲と、自分が演奏するチェロパートでは感じが全然異なり、何が正しい音程か、全くわからない。

 そうだ!チェロで弾く前に、自分が演奏しようとしているのはどんなフレーズなのか歌えなけりゃ!そのためには、何かキーボードが必要だ・・と今度はロフトの中からカシオートーンを引っ張り出す。しかし探せども探せども電源装置が見つからない。代替品を探し続けてとうとう2日目が終了。

 そして練習3日目。やはりピアノが欲しくなった。たしかにリビングにはあるが、でっかい音をマンションでは出せないし、チェロのそばで使えない!そうだ!第二のカシオトーンを買おう!きっと数千円だろう・・しかしいまやカシオも1万以下のピアノはなかった。

 それでも諦めずに捜していたら、何とぴったりのピアノを見つけた!まるで紙のようにくるくる巻きにして、しかも音が出る「ロールピアノ」というものがDIYセンターで販売されていた。
 ほとんど試し弾きもせず、購入。自宅の机の上にクルクルと広げると61鍵の立派なピアノに・・・

 でも でも、そうなんです。チェロ向上への道のりを歩んでいるように見えて、実は、チェロそのものの技術は何にも進歩してなかったのです。
 本当の中心課題、真ん中を放っておいて、周辺を一生懸命かき回している・・・こうした自分の行動パターンが子供時代と全く変化していないことにあきれるやら、自らを哀れむやら・・こうして夏休みは終了したのでありました。



コメント (2)
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