シェ・イリエのお気に召すまま

旭川にある自然派フランス菓子店シェ・イリエの店主の独り言を綴っていきます。よかったら、お付き合い下さい。

最近読んだ本 2008-11月その2

2008-11-28 14:56:23 | 洋菓子
「利休にたずねよ」山本兼一 PHP研究所

 おのれの美学だけで天下人、秀吉と対峙した男・千利休。
茶聖ではなく、人間利休として、その謎に包まれた生涯を解き明かす。

気骨のある男を描かせると天下一品と定評ある筆者の新境地です。

飛び抜けた美的センスで、それ故、時の最高権力者秀吉に嫉妬され、切腹を命じられる。
それだけでも十分に伝説なのに、この小説はさらになぜ利休は
「侘びさび」のなかに艶があるのかを解き明かした小説であり、利休の解説書でもありそうです。
でも、此の本の本質は、正真正銘の恋愛小説です。

最終章の「恋」は、久しぶりに読み終わるのが惜しいと感じ、最最終章の「ゆめのあとさき」は見事な締めくくりで
深い読後感で余韻が長い作品でした。
利休を描けてそのモチーフに負けないという人は、
そうそう居ないでしょう。

今月から、表さんのお茶を習いに行きます。(五十の手習い)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿