シェ・イリエのお気に召すまま

旭川にある自然派フランス菓子店シェ・イリエの店主の独り言を綴っていきます。よかったら、お付き合い下さい。

お店の個性 その2

2009-01-02 11:00:53 | 近況報告
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

お正月、皆様は如何お過ごしになったでしょうか。
今年は、福袋も買いに行かずに家で、必ずお正月になると見てしまう、高倉 健さんの「遙かなる山の呼び声」を見たり
年前にY君から借りていた故ポール・ニューマンの「暴力脱獄」などを見て過ごしておりました。
二人ともタイプは違うけれど、どんな映画俳優より常に(私から見たら)頭一つ飛び出して見えます。

ちょうどビデオを見ていると荷物が届き、なんと
パティシェあこがれの巨匠 リリエンベルグの横溝氏から画像のような
お正月用のお菓子が届きました。
鯛の形をしたパイにクレームダマンド、その中に柔らかな渋皮付きの栗がゴロゴロと入っていて
一切れずつ、切ってオーブントースターで軽く暖めていただきました。
新年の伝統的お菓子「ガレット・デ・ロア」のようで四月の伝統菓子「ポアソン・ダブリン」のようでもありますが
明らかに横溝流です。

氏の菓子は、何を食べても横溝さんの優しい味がします。
常に独特であるのに、伝統に対して忠実、
というか尊敬の念が感じられます。
あまた居るパティシェのなかで、常に頭一つってところです。

ぶれない個性の確立めざし、今年もがんばります。



チャリートのジャズライブ

2008-12-08 16:58:03 | 近況報告
昨夜、チャリートのジャズライブに行ってきました。

去年の夏も此の「エバンス」という会場でチャリートのジャズライブ
を聞きに来ましたが、経営者が代わり、内装も背当てのある椅子になり
腰に負担がかからなく、快適でした。

今回、チャリートが、今年の夏に出したフランス ジャズ界の巨匠「ミシェル・ルグラン」とレコーディングしたアルバムを中心に歌ってくれました。

私は、このアルバムが出てそうそうに買い、この中の「思い出の夏」ばかり聞いていました。

この曲は、私が高校生の時に見に行った映画「思い出の夏」の主題歌、
この映画は、
私が今までに見た映画で一番好きなものです。

もう、三十数年たっているのに、この音楽を聴くと
あの頃の
不安定で、、頼りない精神、淡い憧れや少しの希望などが、せつなさとともに
いっぺんにフラッシュバックしてきます。

かつて、ジャズライブでリクエストを求められると、よくこの曲を御願いし
いろいろな「思い出の夏」を聞いていますが、
今回のチャリートのが一番良かったです。

前に一度、ビデオ屋さんでこの映画を見つけ
わくわくしながら、観ましたが、途中で観るのをやめてしまいました。
私が思い続けていたのは、映画のストーリーやキャストではなく
あの頃の自分の感受性で、
時間の経過でそれが結晶化され、原作さえ受け付けない不可侵なものとなっていました。
どんな高価なものにも換えられない一生の宝物
この曲を生んでくれた「ミシェル・ルグラン」と歌ってくれる「チャリート」に感謝します。

今度、皆さんの「思い出の夏」 教えてください。







還暦パーティー

2008-11-14 18:48:08 | 近況報告
F野市在住のS田女史の還暦祝いパーティのケーキです。
私の大好きなケーキの一つ「コアントロー」です。名前の通り、オレンジリキュールをサンドのカスタード
に入れています。上と下にスポンジ、中にカスタードでサンドした二枚のミルフィーユ、上の仕上げは
ラズベリーソース、今回は、バラの花束の模様

此は、あこがれの店だった六本木クローバーで私が最初の頃習ったケーキです。
さすが創業昭和7年の老舗洋菓子店
生クリームも使わずにこんなおいしいケーキがあるのだと驚いたものです。
http://www.clover-inc.com/
それ以降
常温でもおいておけるケーキのすばらしさを知ることになる、記念すべきケーキです。

冷蔵設備のない昔の人がかわいそうと思ったのは、本質を何も知らない自分だったからでした。

今読んでいる時代小説も昔の物質的には少ないが、今より遙かに精神的に豊かな時代だなぁと
思いを巡らせる昨今です。

S田さん、おめでとうございます。イッセ・ミヤケの「プリーツ・プリーズ」素敵でした。


吉田君と国井さんの結婚式

2008-05-24 20:16:39 | 近況報告
今日は、去年3月までいた国井さんと
今年3月までいた吉田君の結婚式が、彼の現在の職場であるブルーミントンヒルであり
出席してきました。

ウエディングケーキばかり作って結婚式に出席することは、最近すっかり無くなっていて、久しぶりのゲスト参加でした。

やはりゲストは気が楽でしたが、できれば祝辞は緊張するので他の人で、
しかもお酒が飲める時間帯に設定していただけたら、
もっと有り難かったんだけど、、、

まぁ、初めてのイリエの卒業生だから、何でもするけど。

吉田君も国井さんも、終始ニコニコして出席者もみな、あたたかく素敵な結婚式でした。

隣が、以前、一緒に働いてもらった野口さんや船田君なのでなにやら疑似家族という感じのワンショットです。(船田君!そのスキマスイッチのような髪の毛、もすこし何とかならんか?)
末永く、お幸せに

旭川美酒の会

2008-03-30 17:46:02 | 近況報告
美瑛町の土井さんが主催する吟醸酒の会「美酒の会」に行って参りました。
途中、札幌転勤の三年ほど中抜きがありますが、もうすでに足かけ二十年以上も
参加させてもらっています。
ご存じのようにお酒は好きですが、中でも日本酒が一番好きです。
しかもそのなかでも
この吟醸酒といわれる、その蔵の旗艦(フラッグ・シップ)のような存在のこの種類が大好きです。
杜氏さんが自分の本来の仕事とは別に、採算を度外視し、我が子のように夜中こそっと起きて発酵の具合を見る。
自分のもてる技術の結晶と言うべき品評会用の酒と言うイメージを持っています。
その好きになるきっかけになったお酒は、ずっと以前に製造をやめたと思いますが
千歳鶴の会社の「秀麗」というお酒です。今考えると吟醸香がやや作られたような感じがしますが、値段も吟醸酒としては手頃で、サラリーマン菓子職人でも買えたと記憶しています。

この会は誰でも会費さえ払えば入れますので良かったら皆さん土井商店のほうにご連絡ください。
ただ画像にあるように三つだけ決まりがあります。
一つ ただ酒を飲まない
二つ 聞き酒の能力を問わない
三つ 一つの銘柄にこだわらない

旭神移転十年目

2008-03-26 11:39:36 | 近況報告
速いものでこちらに移転して10年目になります。
これもひとえに、しょうもないイリエを何とかしてやろうという、
優しいお客様の善意に支えられたおかげと、深く感謝いたしております。

ご覧のように10年前の開店時は、店の周りも素っ気なく、
今の旭神町の面影はないです。
開店お知らせの案内を出した一部の人たちから、この店の全景の写真を見て
「美瑛の山奥にでも出したのかと思った。」と言われました。
そう言われればそう見えます。
神居にいた頃の後半は、仕事を終えてよく土地を物色して市内を見て回りました。
この場所は、一度見て印象に残り、どんどんイメージがふくらんで来ました。
札幌で働いていた頃、好きだった「ステーキ丸山」という鉄板焼き店の
借景の使い方がとても好きで頭に残っていたました。(おすぎさんがお気に入りという店)

最近犬を散歩させている人たちが多く、よく店の前の遊歩道を歩いています。
その遊歩道の桜並木もずいぶんと太くなって、十年という経年変化を楽しむ事が出来ます。
今は皆、十年での結果を待つ時代では無くなりつつあるみたいですが、
(かく言う私も今日を生きるのに、いっぱい、いっぱいです。)

師匠が言っていた「男の仕事は十年一仕事」。
何となく感慨があります。
記念日は10月後半ですが、皆様へのお返しに何が出来るか検討してみます。



最近読んだ本 

2008-03-13 17:26:17 | 近況報告
最近でもなく、去年の暮れあたり読んだものですが
コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」扶桑社
作者は1992年全米図書賞・全米書評家賞を受賞した「すべての美しい馬」で初めて知りましたが、なんとも言えぬ独特の作風で好きな作家のひとりです。
最初、作中の会話の部分にカギカッコがないのに戸惑いますが、すぐに慣れます。
心理描写が一切無く、状況描写のみの乾いた雰囲気なのに印象に残る叙情があります。
今までのものは、純文学風少年成長小説(ダサイ表現で自分でも情けなくなりますが)なのに対し、作品スタイルは同じですが今回はノアール的で、ある意味私にとっては読みやすいです。
ストーリーはベトナム帰還兵のモスが、メキシコ国境近くで麻薬密売人同士の銃撃戦あとの現場に出くわすところから始まる。
残された車両には莫大な現金が残されていた。その後、危険な殺人者のシュガーに追われ、またそれを老保安官のベルが追うという単純そうな流れではありますが、言葉に深みのある会話や含蓄のある外形描写が結局はいつもの深い読後感になってしまいます。
このモスを追う殺人者の武器が変わっていて、家畜のに使う圧縮ボンベを額に当て打ち抜くという、
文章ではなかなか想像力が働かないので、是非早く、映画で見たいものです。

そう、今回のアカデミー賞に8部門もノミネートされ主要4部門で受賞した「ノーカントリー」がこの本の映画化したもので、これでこの作家も皆が知るところとなるのかと思うと、うれしいような悲しいような、
この殺し屋の役のハビエル・バルデムという人が助演男優賞を取りハンニバル・レクターの再来だとか、
楽しみです。

福岡弾丸一泊二日旅行 1

2008-03-09 14:11:19 | 近況報告
月初めの連休で九州に梅を見に行ってきました。
福岡空港に午後3時について、翌日朝10時55分に帰るという駆け足の旅行ですが
北海道で見ることがないので、以前から一度は、みたいと思っていました。
太宰府天満宮の飛梅など見て参りました。
ご多分に漏れずここでもアジア系の外国人が大勢来ていました。
画像でおわかりのように、素晴らしい梅の花の咲いている
優美で典雅な雰囲気を味わって参りました。

福岡空港からわずか25分で天満宮、15分で博多駅、すごいアクセスの良さです。
タクシーの運転手さんに聞くと米軍基地の払い下げで空港がこんな一等地にあると言っていました。ここでも空港移転の話が出て、議会で対立していると言うことです。おそらく移転せずに拡張でしょうとおっしゃっていましたが、

福岡弾丸一泊二日旅行 3

2008-03-09 13:31:15 | 近況報告
前にブログの画像で紹介した九州国立博物館のエントランスカフェ。
高価なエスプレッソマシンが置いてあってうらやましかったし、
建物のスケールの大きさや借景の取り込み方、太宰府天満宮からのエスカレーターの仕掛けとか、これが国立と言うことかと、いやと言うほど知らされました。
この建物自体が一つの芸術なので、建物全体が見わたせるような仕掛けもあればいいのかなと思いましたが、もう充分ですね。