シェ・イリエのお気に召すまま

旭川にある自然派フランス菓子店シェ・イリエの店主の独り言を綴っていきます。よかったら、お付き合い下さい。

旭川美酒の会

2008-03-30 17:46:02 | 近況報告
美瑛町の土井さんが主催する吟醸酒の会「美酒の会」に行って参りました。
途中、札幌転勤の三年ほど中抜きがありますが、もうすでに足かけ二十年以上も
参加させてもらっています。
ご存じのようにお酒は好きですが、中でも日本酒が一番好きです。
しかもそのなかでも
この吟醸酒といわれる、その蔵の旗艦(フラッグ・シップ)のような存在のこの種類が大好きです。
杜氏さんが自分の本来の仕事とは別に、採算を度外視し、我が子のように夜中こそっと起きて発酵の具合を見る。
自分のもてる技術の結晶と言うべき品評会用の酒と言うイメージを持っています。
その好きになるきっかけになったお酒は、ずっと以前に製造をやめたと思いますが
千歳鶴の会社の「秀麗」というお酒です。今考えると吟醸香がやや作られたような感じがしますが、値段も吟醸酒としては手頃で、サラリーマン菓子職人でも買えたと記憶しています。

この会は誰でも会費さえ払えば入れますので良かったら皆さん土井商店のほうにご連絡ください。
ただ画像にあるように三つだけ決まりがあります。
一つ ただ酒を飲まない
二つ 聞き酒の能力を問わない
三つ 一つの銘柄にこだわらない

旭神移転十年目

2008-03-26 11:39:36 | 近況報告
速いものでこちらに移転して10年目になります。
これもひとえに、しょうもないイリエを何とかしてやろうという、
優しいお客様の善意に支えられたおかげと、深く感謝いたしております。

ご覧のように10年前の開店時は、店の周りも素っ気なく、
今の旭神町の面影はないです。
開店お知らせの案内を出した一部の人たちから、この店の全景の写真を見て
「美瑛の山奥にでも出したのかと思った。」と言われました。
そう言われればそう見えます。
神居にいた頃の後半は、仕事を終えてよく土地を物色して市内を見て回りました。
この場所は、一度見て印象に残り、どんどんイメージがふくらんで来ました。
札幌で働いていた頃、好きだった「ステーキ丸山」という鉄板焼き店の
借景の使い方がとても好きで頭に残っていたました。(おすぎさんがお気に入りという店)

最近犬を散歩させている人たちが多く、よく店の前の遊歩道を歩いています。
その遊歩道の桜並木もずいぶんと太くなって、十年という経年変化を楽しむ事が出来ます。
今は皆、十年での結果を待つ時代では無くなりつつあるみたいですが、
(かく言う私も今日を生きるのに、いっぱい、いっぱいです。)

師匠が言っていた「男の仕事は十年一仕事」。
何となく感慨があります。
記念日は10月後半ですが、皆様へのお返しに何が出来るか検討してみます。



引き継ぎ作業中

2008-03-25 16:14:41 | 洋菓子
バイトの時を含めると三年半、ここシェ・イリエで働いていた吉田君が
いよいよ三月三十一日で年季明けになります。
調理師学校を卒業して、すぐ来てもらった初めての弟子でした。
かなり優秀で、今店に出ている物は早い段階で全て作れ、後半は
考えなくても勝手に体が菓子を作っていく一歩手前まで来ました。
あとは、自身の幅を広げるため、違う現場も見るというところでしょうか。
四月一日からすぐ、Bヒルというところでさらに技術を高めると言うことで 
今後とも楽しみです。
去年、卒業した国井さんと結婚することになっていて
その新しい職場で5月に晴れて式を挙げる予定です。
「おめでとう!」
二人で店を出したら、おじさん買いに行くからね。
交代でU屋さんで4年働いていた「砂田君」がきます。
今、一生懸命吉田君と引継をしています。
がんばれ!若者!

最近読んだ本 

2008-03-25 15:22:45 | 洋菓子
変わったタイトルです。「田村はまだか」 朝倉かすみ 光文社
 六話からなる短編集で表題は第一話、
札幌ススキノの深夜のバーを舞台に四十歳になる男女五人が
小学校のクラス会の三次会で大雪で、列車が遅れた友人を待つ、
待ちながら各人の脳裏に浮かんだことや、
過去にふれあった印象深い人々の話が、子供の小さな宝物のように
ささやかにちりばめられていく。
合間合間の誰とも無くつぶやく「それにしても田村はまだか」と言う言葉が登場人物を生き生きとさせ、良いリズム感を読むものに感じさせてきます。

何とも普段、惰性のように思える、何気ない人生が実はこんなにも、いとおしく優しく素敵なものだと言うことを
あらためて、しかも軽やかに思わせてくれました。
「大人って良いなぁ、、、」
札幌在住の作家さんだそうで、ごくたまにススキノで飲むときがあるのですが、いつも「東 直巳」氏が隣で座って飲んでいないかとキョロキョロしていたのですが、もうひとり増えそうです。

浅田次郎のように軽快な運びで同じような短編「ぽっぽや」を彷彿とさせられました。
そういえば表紙の装画も同じ「井筒啓之」
存在感のある人物を描くイラストレーターです。

最近読んだ本 

2008-03-13 17:26:17 | 近況報告
最近でもなく、去年の暮れあたり読んだものですが
コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」扶桑社
作者は1992年全米図書賞・全米書評家賞を受賞した「すべての美しい馬」で初めて知りましたが、なんとも言えぬ独特の作風で好きな作家のひとりです。
最初、作中の会話の部分にカギカッコがないのに戸惑いますが、すぐに慣れます。
心理描写が一切無く、状況描写のみの乾いた雰囲気なのに印象に残る叙情があります。
今までのものは、純文学風少年成長小説(ダサイ表現で自分でも情けなくなりますが)なのに対し、作品スタイルは同じですが今回はノアール的で、ある意味私にとっては読みやすいです。
ストーリーはベトナム帰還兵のモスが、メキシコ国境近くで麻薬密売人同士の銃撃戦あとの現場に出くわすところから始まる。
残された車両には莫大な現金が残されていた。その後、危険な殺人者のシュガーに追われ、またそれを老保安官のベルが追うという単純そうな流れではありますが、言葉に深みのある会話や含蓄のある外形描写が結局はいつもの深い読後感になってしまいます。
このモスを追う殺人者の武器が変わっていて、家畜のに使う圧縮ボンベを額に当て打ち抜くという、
文章ではなかなか想像力が働かないので、是非早く、映画で見たいものです。

そう、今回のアカデミー賞に8部門もノミネートされ主要4部門で受賞した「ノーカントリー」がこの本の映画化したもので、これでこの作家も皆が知るところとなるのかと思うと、うれしいような悲しいような、
この殺し屋の役のハビエル・バルデムという人が助演男優賞を取りハンニバル・レクターの再来だとか、
楽しみです。

福岡弾丸一泊二日旅行 1

2008-03-09 14:11:19 | 近況報告
月初めの連休で九州に梅を見に行ってきました。
福岡空港に午後3時について、翌日朝10時55分に帰るという駆け足の旅行ですが
北海道で見ることがないので、以前から一度は、みたいと思っていました。
太宰府天満宮の飛梅など見て参りました。
ご多分に漏れずここでもアジア系の外国人が大勢来ていました。
画像でおわかりのように、素晴らしい梅の花の咲いている
優美で典雅な雰囲気を味わって参りました。

福岡空港からわずか25分で天満宮、15分で博多駅、すごいアクセスの良さです。
タクシーの運転手さんに聞くと米軍基地の払い下げで空港がこんな一等地にあると言っていました。ここでも空港移転の話が出て、議会で対立していると言うことです。おそらく移転せずに拡張でしょうとおっしゃっていましたが、

福岡弾丸一泊二日旅行 3

2008-03-09 13:31:15 | 近況報告
前にブログの画像で紹介した九州国立博物館のエントランスカフェ。
高価なエスプレッソマシンが置いてあってうらやましかったし、
建物のスケールの大きさや借景の取り込み方、太宰府天満宮からのエスカレーターの仕掛けとか、これが国立と言うことかと、いやと言うほど知らされました。
この建物自体が一つの芸術なので、建物全体が見わたせるような仕掛けもあればいいのかなと思いましたが、もう充分ですね。

福岡弾丸一泊二日旅行 4

2008-03-09 12:35:59 | 近況報告
展示品の火焔土器
素晴らしい古代人の造形感覚、何という力強さ、さすが火と呪性の縄文
ずっと以前から、これを見たかった。
特に目玉という宝物はすでに、それぞれの場所にあり、2005年に出来たこの九州国立博物館には少ないのですが、「元祖の美」と言われる所蔵品はたくさんありました。
(なぜ展示品が撮影できたかは聞かないでください。)

福岡弾丸一泊二日旅行 5

2008-03-08 19:45:14 | 洋菓子
夕食は福岡独自の食文化「寿司割烹」に行きました。
「やま中」
予約で「カウンターは、あいにく貸しきりになってテーブル席しか空いていません。」と言われ、
がっかりしましたが、当日行ってみると、
なんだか外人さんばかりの団体さんが15人ほど、ずらりと並んでいました。
仲居さんに聞くとフランスの商社の人たちだそうで、実に静かで、さすが食の文化度の高さが伺われます。