雨の日の今日は一日家に居てデスクワークをしました。
片付けなければいけない一つの案件がおかげ様でほぼ完了しました。
今日の毎日新聞東京本社版のコラム「発信箱」に私の敬愛する故松下竜一さんのことが書かれていて、思わず切り抜いてコピーし、松下さんの妻洋子さんと、松下さんを支えた「草の根の会」代表の梶原さんにファックスしました。
お二人とも九州の中津市に住んでいるため、もしかしたらこの記事を目にしていないかもしれないと思ったからです。それともこのページ(2)は全国版なのかも知れませんが。
記事は「7月4日毎日新聞 発信箱 『フェアプレー』 元村有希子」です。
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/
記事では
「仏教の教えに『無財の七施』がある。眼施、和顔施、愛語施、身施、心施、床座施、房舎施。財力がなくても、やさしい心とそこからにじむ行いで人をいやすことができると説く。
作家の故・松下竜一さんが「眼施」について書いている。生後まもなく右目を失明した。「竜一はやさしいから目にお星さまが降りたの」という母親の言葉が、赤貧の絶望といじめから自分を救ったという(「豆腐屋の四季」)。松下さんは社会活動家でもあった。冤罪(えんざい)や環境保護などの市民運動の先頭に立ち続けた。そのまなざしは眼施であり、人生は身施であった。片仮名でいえばフェアプレー、である。」
と結ばれています。
松下センセイの右目が義眼であることは広く知られていて、目が見えないことにコンプレックスを抱いていた松下少年は母親にその不満をぶつけます。
そのときのお母さんのことば「竜一ちゃんはやさしいから目にお星様が降りたの」という言葉かけも松下センセイのエッセーファンには知られたところです。
「お星様なんていらないやい!!」と泣き叫ぶ松下少年。それでもその母の言葉に救われて行きます。
「松下竜一その仕事」(河出書房新社全30巻)の第7巻タイトルは「右目にホロリ」です。
サリドマイドで生まれた「五体不満足」の著者である乙竹洋匡さんのお母さんは初めて我が息子と対面したとき「まあ、何て可愛い赤ちゃん!!」と叫んだということも本で知りました。
言葉の持つ力の偉大さを思わずにはいられません。
それにしても、最近発せられる大臣や国の中枢を担う人たちの責任逃れのその場限りの言葉の軽さに悲しい思いを抱いているのは私だけではないでしょう。
言葉には力がある……そう信じて、我が身から飛び出す言葉に冷静に向き合い心を込めたいと思います。