ボレロ

昨夜モーリス・ベジャール・バレエ団の公演を見に行きました。
バレエはまったく無知ですので
興味も持たなかったのですが
後輩の弟君のブログで知って
無理を言って連れて行ってもらいました。

素敵でした。
というより
凄かったです!!!
人の体はここまで美しく
体はここまで強くしなやかに言葉を発するのか!!と

きらびやかな舞台や衣装はなく
それらに目を奪われることがないことで
ストレートにダンサーの魂が
心に飛び込んできます。

宗教的な色をました踊りの中央に
私は神の宿る木を見ました。

特に感動したのは『ボレロ』
これは最後に心を持っていかれました。

美し過ぎて強過ぎて
それが切ない・・・

男達の中の円卓に立つ
彼女の体や表情を一つも見逃さないように見ていました。


円卓の中で舞うと言うより
生きる心臓の音のように
強く魂に刻み続けます。

強く鋭く美しい!!
獲物を狙う豹のような彼女に釘づけで
生きるという動物的な強さ美しさに魂を奪われました。

凛しく強く胸を打ち続けました。

豹のような鋭く遠くを見据える目
美しく研ぎ澄まされた体が
繰り返すボレロの曲の中
強くしなやかなリズムを奏で
魂の奥へ奥へと響きます。

彼女を囲む男達が
次々と増えて
それが官能の波にも見えたり
生贄を囲む聖なる儀式にも見ました。

美しく強く引き締まったその体から
流れ出る無駄のない汗までが
強さの証のようでした。


最後は疲れ果てて
ギャフンという感じでした。
大きな感動なんだけど
ギャフンと心が鳴りました。
拍手する手が
どんなにか重かった・・・
それでも
素晴らしいダンサー達に拍手をと頑張りました。

観るというより
魂と魂が真剣勝負をしているようで
疲れ果ててしまいました。

まさに
ショック死しそうな心に
同行した飄々とした弟君の存在がほっとさせてくれて良かったです。

一人だったら
固まったままのかなり凄い顔で居たに違いありません。

耳鳴りのように
眠りのその瞬間まで
ボレロの曲が繰り返し繰り返し響き続けました。
彼女の鋭い目と研ぎ澄まされたその体の動きが
魂の音を奏で続けました。

大変に良かったです。
ぜひボレロお勧めです。






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