私の母は変わった人だった。
英語の成績だけが悪い私に、決して、”もっと頑張って勉強しなさい”と言う人でなかった。
その代りに、英語は勉強するものではなく、英語はコミュニケーションの一つだと言うことを教えることした。
高校一年生の夏、アメリカのワシントン州にホームステイに行かせる事にした。
それが、私の初めての海外だった。1か月。
その後、私は1か月という期間で、ニュージーランドに何度か滞在する海外を経験した。
結婚してからは、二人で10回の海外旅行、11回目が南アフリカだった。
旅慣れたつもりだった。
しかし、その自信はこの旅でことごとく打ちのめされ。
海外を知らぬ自分の無恥さを思い知らされた。
旅行会社への支払いはカードで払うと3%の手数料が必要と言われた。
タイやインドネシアでそんなこと言われる事はよくあるが、日本で言われたのは始めてだった。
請求書は他の生徒さん6人分まとめての金額でメール来たので2人分の物をくれと言うと、メールに請求書のようなきちんとした形ではなく文章でただ金額が書いてあった。
勿論収入印紙なんてものは貼ってない。
領収書を送れと請求したが未だ届いていない。
成田から韓国までのアシアナ航空は電話するとEチケットの番号で座席指定が出来た。
エミレーツはスカイワードに入らなければ座席指定できないと言われた。
旅行会社に電話してエミレーツ座席指定くれるように連絡するとスカイワード(マイレージクラブ)に入らないと駄目だと言われた。
JALマイルが貯まらないのは辛いがなにぶんにも長旅、ここは我慢してとスカイワードに入るとインターネットでEチケットの番号で座席指定が出来たが、なんと私達以外の人の分も座席指定が出来る。
”つまり、誰か一人でもスカイワード番号をもっていれば同じEチケット番号の人は全員座席を確保できる”と言う事が分かった。
じゃあ、いちこはたいしたJALマイルを持ってないから捨ててよしおさんだけJALマイル貯めようという事にした。
すると、旅行会社はJALに確認したところディスカウントチケットではJALマイルは貯められないと言ってると言った。
しかし、同行の人はJALマイルを貯めていた。私たちがそれを知ったのはエミレーツを降りた後だった・・・
いまだにあの時の心境を自分でも理解できない。
よく知らない旅行会社に先生に言われるがまま、申し込んで、金額は日を追うごとに上がる。
頼りの旅行会社から得る情報は尽く、あてにならない。
それでも、辞める事が出来なかった。
二日かけてケープタウンに到着した夜、 先生が成田で1万円もする化粧水を、手荷物検査の時に取られたと激怒していた。
彼女は、機内への液体持ち込み制限を知らなかったのだ。
私達は、こんな人を信用して、信頼して南アフリカまで行った。