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ビーチリゾートが大好きな私の旅行記

伯父の犬

2018-10-25 | 日記

ぷーちゃんは、ペットショップで売れ残り、処分寸前の所、長女がただでもらってきた。

それも、ある日突然に。

 

伯父の家には、ある日突然の様に、人が増える。

私も私の弟たちもある日、突然この家にやってきた。

ぷーちゃんは、初めは戸惑い、そしてすぐさま受け入れてくれる。

 

私は、ずーーと思ってた。

ぷーちゃんは、私だけを馬鹿にしてる。

3人姉妹の様に、おねいちゃん達の横で寝ていても、ぷーちゃんは、私にだけ遊べと要求する。

眠いので、お布団に潜り込んだら、お腹の上に乗ってダンスを始める。

お腹が痛いので、うつ伏せになったら。

こんどは、私の頭の上で玉乗りを始める。

その頃、おねいちゃんのどっちかが、

”ぷーちゃん、寝なさい”

っと声を掛けると、ぷーちゃんは、すっとんと足元に行き、おとなしくなる。

 

ぷーちゃんは、私以外の頭の上でダンスはしない。

 

ぷーちゃんは、駅が好き。

お散歩には、必ず駅に行く。

駅前のコンビニの前でヤンキーにお兄ちゃんがソーセージをくれるから。

 

でも、ある日を境に、駅の改札まで行くようになった。

”誰も、かえってけぇへんで”

そう、声を掛けても、暫く改札の前に座る。

一度だけ、弟が駅から帰ってきた時に出くわしたらしい。

それから、ぷーちゃんは弟を駅で待つ。

弟は、大学生になり、伯父の家を出て行っても、ぷーちゃんは、駅で待つ。

 

ぷーちゃんは、伯父にひときわ大事にされた。

ある日、伯父が長女に言った。

”もう、そろそろ帰ってくれ。ぷーちゃん、ストレスで下痢になる”

みんなで、笑った。

伯父は、孫よりぷーちゃんが大事だ。

 

私が、最後にぷーちゃんに会った日。

ぷーちゃんは、老衰のせいか、物凄く臭かった。

それでも、よしおさんは、ぷーちゃんを撫でて愛でた。

東京に帰る日、コートをポイっと床に置いて、二階に荷物から降ろして戻ると。

ぷーちゃんが私のコートの上で丸くなってた。

”あーーーぷーちゃん”

ぷーちゃんは、いつもみたいに、悪い顔をせずに、寂しそうに私を下から見上げた。

いつもなら、私の嫌がる事はよーく熟知していて、うしししししって顔するのに。

私は、駅までぷーちゃんの臭いさせながら、歩いた。

 

伯父は、あまりお昼寝をしないのに、あの頃はお昼寝をしてた。

”しんどいん?”そう聞くと。

”ぷーちゃん、最近ぼけてきて、朝4時ごろから、散歩いくんや。トイレもちかなってるしな”

 

 

”おねいちゃん?犬の餌なんでこんな所置いてあるん?高すぎてここじゃあ食べられへんちゃう?”

”あーぷーちゃんの分やから”

”ぷーちゃん、いっつも私の事馬鹿にしてたわ。”

”ふふふふふ、いちこが家に来る前、ぷーちゃんがまだ、小さい時、私がぷーちゃんはうちの三女やでって

教えてたから、いちこは四女だからやろ。ちゃんと、家族として認めてる証。

弟達には、そんな事しなかったやろ。いっつも、よそいきの可愛い顔してたやろ”

 

伯父の祭壇の横には、ぷーちゃんのごはんも添えられた。

たぶん、ぷーちゃんは、伯父を迎えに下界に降りてきてるだろうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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