Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

この名盤を「シェー!のおすピー」と呼ぼう!

2005-12-20 23:52:11 | Jazz / Cross Over
例えば、はっぴいえんどのファースト・アルバムは、正式タイトルが「はっぴいえんど」であるにも関わらず、「ゆでめん」の愛称でも良く知られていますね。
正式タイトル以外の呼び名が定着している例としては、他には、「お城のエヴァンス」とか「ホワイト・アルバム」がある訳ですが、当ブログで勝手に推しているのが「シェー!のおすピー」であります。

正式タイトル「At The Stratford Shakespearean Festival」。
邦題は「シェークスピア・フェスティヴァルのオスカー・ピーターソン」。
オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)、1956年の名盤ですね。

どうでしょうか。「シェー!のおすピー」。
非常に自然な短縮系になっており、一般的に考えても、なんら違和感はご座居ません。

さて。
問題の中身ですが、コレはスウィングの真髄とも言える、モンノ凄い一枚です。
スウィング!
グルーヴ!
グイグイ行きます。

レイ・ブラウンのベースが強力にビートを推しまくり。
ハーブ・エリスのギター。小気味良過ぎとさえ言える刻みも、ソロのスピード感も快感ですなぁ。

そして、大将、ピーターソン。いや、おすピーだ。
ピアノのスウィング感、凄いぞ!!!
縦横無尽とはこのコトでしょう。
駆け上がる。
溜める。
突っ走る。
押し上げる。
ひっくり返す。
ダイナミックにして、繊細なタッチあり、安定感あって、スリリング。
ホント凄いぞ!!!

明るく分かり易い音楽性だけに、どうも暗い「芸術」好きには受けが悪いおすピーですが、やっぱり最高のジャズ・ピアニストだと思います。

「シェー!のおすピー」を聴こう!



シェークスピア・フェスティヴァルのオスカー・ピーターソン
オスカー・ピーターソン, ハーブ・エリス, レイ・ブラウン
ユニバーサルクラシック

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クルセイダーズは飽きません。

2005-12-20 07:52:48 | Jazz / Cross Over
クルセイダーズ(The Crusaders)は、カッコええなぁ。
と、つくづく思うのであります。

クルセイダーズの音楽性って割と「普通」なので、ほっときゃ飽きそうなもんですが、飽きませんねぇ。
何と言うか、例えばウェザー・リポート(Weather Report)のように、音楽シーンに大きな衝撃と影響を与える、とか言うのとは違って、尖った部分は、まぁ無いから、刺激的ではありませんが、結局いつも聴くのってこういう音楽な訳です。ワタシの場合。
繰り返しの使用に耐えうる日用品の如くで、クルセイダーズは、要は「質が高い」という事なんでしょうねぇ。

ところで、クルセイダーズって、レコ屋に行けば、確実に「フュージョン」のコーナーに置いてあるんで、「フュージョン」だと思っている方もおられるんでしょうが、「フュージョン」のイメージからは相当遠くって、「テキサス・ファンク」とも言われた訳で、特に70年代前半のクルセイダーズは、どう聴いてもソウルだなぁと思います。

ソウル~ファンクな魂に、メロウと言うフレーヴァーをバランスよく加えた音楽という事で、太いグルーヴに繊細さがあるって、こりゃ、やっぱり最強ですね。

画像は「The 2nd Crusade」(1972)。
テキサス・ファンクで、ソウルフルで、メロウなフュージョンならぬクロスオーヴァー音楽が、レコード2枚組のヴォリュームで、腹一杯聴けます。
うん、「クロスオーヴァー」の方がシックリくるな。



セカンド・クルセイド
クルセイダーズ
ユニバーサルインターナショナル

このアイテムの詳細を見る
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オマール・ソーサ。「Take A Sedond」だっちゅーの。

2005-12-20 01:23:41 | Latin Jazz
ジャズとラップの最も強力な融合がココにある。

以上。

これより他にコメントはない。
(とか言いつつ、更にラテンも融合されていると、言ってはおく。)

オマール・ソーサ(Omar Sosa)
アルバムは「Prietos」(2001)

曲は、「Take A Sedond」。
内藤陳を三千回殺すスゴさ。

もいちど。

以上。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイ・ベスト10。何のだ?

2005-12-20 01:01:14 | 音楽・映画・アート・本 その他
年末年始でございまして(年末だけでショが・・・)、この、今のコノ瞬間に好きなアーティストのベスト10、ってぇアホウな事を言いますとデスね、以下の通りになります。

言っときますが、順、全然不動で、あっという間の入れ替え制です。

カウント・ベイシー
イーグルス
原田知世
スティーヴン・スティルス
YMO
クルセイダース
ジョー・バターン
レイ・バレット
ユーミン
スライ
スティーヴィー・ワンダー
太田裕美
リトル・フィート
ウェザー・リポート
エクトル・ラボー

という事でありまして、サンタナと佐野元春とクインシー・ジョーンズの追加が必要でありますが、いずれにしろ10個に収まっておりませんのは、愛嬌と言う事でありますが、まぁ、よゴザンスね?

ぁあ、あと、ビル・エヴァンスとルイ・ラミレスとティト・プエンテとグラハム・セントラル・ステーションと松岡師匠を忘れてました。

足し算は難しいのぉ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クルセイダース。傑作中の傑作中の傑作。

2005-12-18 09:54:50 | Jazz / Cross Over
クルセイダース(The Crusaders)
「Those Southern Knights」(1976)

ファンキー!!!
メロウ!!!
アーシー!!!

全曲、素晴らしい、文句無し。
クロスオーヴァーの傑作。
傑作中の傑作だと思います。

クルセイダースはテキサス・ファンクと言われた訳ですからね、クロスオーヴァーとかフュージョンとか言われるジャンル中では、ちょいと異質かもしれないですね。個人的な感覚でいうと、やはりフュージョンでは無くって、もっとソウル~ファンクに近いですね。何と言ってもグルーヴが太い。

超強力な推進力は、スティックス・フーパーのバス・ドラ。
ジョー・サンプルのエレピがまた、どファンキー。
そんで、このアルバムでは、ベースにロバート・ポップウェルが入っていて、更に強力なリズムが聴けるのですね。
あぁ、昇天。

フロントは、トロンボーンとテナー。
この二本のアンサンブルも太い。
ラリー・カールトンのギターはこのバンドに、適度なメロウさを与えているっていうの?これまた、いいんですね。

最初にも書いたように、このアルバムは、全曲、凄い演奏。
特に「Spiral」「Keep That Same Old Feeling」「My Mama Told Me So」「And Then There Was The Blues」「Feeling Funky」。
って、ほとんど全曲に近いな。

昇天マスト・アイテムという事で、ひとつご理解下さい。

ぢゃっ。


Those Southern Knights
The Crusaders
MCA

このアイテムの詳細を見る
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

佐野元春「Heart Beat」

2005-12-17 15:51:16 | 日本のロック・ポップス
佐野元春
「Heart Beat」(1981)

初期の佐野元春っていうと、「SOMEDAY」っていうコトに一応なっているようですが、ワタシはアルバムとしては、コッチの方が全然好きですね。

カラーの違いは、コッチの方が若干だけど動的ってコトでしょうか。衝動的と言うか。「俺は作りたい」と「俺が作りたいのはコレだ」との違いが、「Heart Beat」と「SOMEDAY」の違いと、勝手に言ってしまう。

「悲しきRADIO」が何と言っても、初期の佐野元春の一番の代表曲。
こんな熱い曲は、ホント、ないよねぇ、とワタシは思う。

時間がないので、今日はココまでにしますが、ホント、「SOMEDAY」だけにしないで、コッチも絶対に聴いて頂きたいですね。

また書きます。



Heart Beat
佐野元春
ERJ

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ズート・シムズ。あなたがスウィングの正体か?

2005-12-17 10:04:33 | Jazz / Cross Over
ズート・シムズ(Zoot Sims)- ジミー・ロウルズ(Jimmy Rowles)
「If I'm Lucky」(1977)

それにしても、いいアルバムだなぁ。
これまた、紛れもない温泉系名盤。

とにかくスウィンギー!
揺れ幅が大きい!
最高だぞ!

理屈不要でリラックスできるし、芯からアッタマリますワ。

まず、なんと言ってもズート・シムズのテナーが、実に伸びやかで、アナタがスウィングの正体ですね、って感じです。音色もフレーズも最高に気持ちいい。
それから、ジミー・ロウルズ。このヒトのバッキングは多彩にしてセンス最高。特に「It's Alright With Me」では、色んなコトやってますが、多彩でいて、ウルサクない。バンド全体のグルーヴの推進力になってるって、こういうコトなんですね。素晴らしいです。

ベース。ジョージ・ムラーツ(George Mraz)。
ドラム。マウジー・アレクサンダー(Mousie Alexander)。
このヒトたちの見事な見事な縁の下のスウィング振り。
ソロは多くないけど、バッキングだけでも、聴き手を軽く天空に送り込むスゲぇスウィング振り。気持ちいいねぇ~。最高。

今日はiTunesをランダム演奏で掛けっぱなしにしていたところ、このアルバムから「I Hear A Rhapsody」が、掛かった訳でですね、えぇ、そうです。ワタシは負けましたよ。
という事で、改めて、猿のように、このアルバムを聴き続けておるのよ。(猿がこのアルバムが好きだとは証明されておらんが。)

あぁ、今日も朝からモンキー・リスニング。そんな言葉も無いが。


If I`m Lucky
Zoot Sims with Jimmy Rowles
Pablo/OJC

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

HIROAKI YAMAZAKI 25th Anniversary

2005-12-17 00:28:21 | 日本のロック・ポップス
昨日、「HIROAKI YAMAZAKI 25th Anniversary」というライブ・イベントに、チャーリー&ラテン・スウィンガーズで出演して参りました。(日付的には一昨日ですね)

このライブは、シャネルズのキーボード・プレイヤーにして、ダッグテイルズのベース・プレイヤーだった山崎廣明さんの、プロとしての芸歴25周年を記念してのライブです。

まぁ、ウチらの演奏に関しては、当事者なので、どうだったのか分かりませんが(演ってる方は気持ち良かった)、他に出演された方、とても良かったっス。
アコースティックで歌う大西ユカリさん。(w/憂歌団の木村氏)とか、ビッグ・バンド(現在の山崎さんのバンドであるDynamics)で歌う横山剣さんとか。
やっぱ、この方たちは声がスゴいなと思いましたね。(木村氏も含めて)

主役の山崎さんのDynamicsが、また、エライ勢いのあるスウィンギン・ロックンロール(ロカビリー?)なビッグ・バンドで、カッコ良かったッス。リズムセクションもホーン隊も良かったし、カッコもビシっと決まってたし。

最後の最後、元シャネルズの楽器演奏組の方々が勢揃いしての「ランナウェイ」は、中々の感動的なモノでしたよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サラ・ヴォーン、ラテンを(で)歌う。

2005-12-14 23:57:48 | Jazz / Cross Over
大体、ワタシはサラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)というボーカリストはあんまり好きではナイ。
なんか、ヘアピン・カーブがてんこ盛り、みたいなボーカル・スタイルって感じがあるじゃないですか。(サラ・ファンの諸子にはお詫び申し上げますが、ワタシは相当テキトーな言辞を弄する者ですので、気になさらないように)

さて、しか~し。
コレはいいアルバムであ~る。
(80年代的な軽薄文体で迫ってみた。)

サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)
「Viva! Vaughan」(1964)

素材となる曲は、ハッキリ言ってブラジルを意識したスタンダードでアリマス。(だけじゃないけど)
アレンジとバンドの指揮はフランク・フォスター(Frank Foster)。
そういうコトで、なんとなくベイシー的に温泉。
プロデューサーは、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)。
まぁ、洒落るべなぁ、という想像はつきますね。

タイトルやら、曲目からして、要は「サラ・ヴォーン、ラテンを歌う」という主旨なんでしょうが、曲目的にはブラジルを意識しているのにも関わらず、アンサンブル的には、どっちかって言うとキューバ系。(しかも、微妙に「エセ・キューバ」です)

でも、微妙にエセでありつつ、ナニゲに聴かせる。
これはWilliam Correaという本名でクレジットされている、かのパーカッションの巨匠、ウイリー・ボボ(Willie Bobo)の力かもしれませんね。
「ラテン」のアンサンブルとして考えると若干のエセっぽさも漂いますが、打楽器自体のアンサンブルはしっかりしていますね。
まぁ、ソコラ辺にコダワリがある、私のような、ウルサいラテハマ人種は、まぁ、アッチへウッチャッテ置きましてですね、普通に聴いて下さい。中々の楽園状況が訪れます。

白眉は「Moment Of Truth」ですかね。
または「Shiny Stockings」ですかね。
いつも通りの極楽が、ボヨヨヨ~ン!!!
ゆったり、ながらナニゲにエキサイティング!!!
ホーンは基本的にトロンボーンのみ5本のアンサンブル。そこにフルートが絡み、さらにはゴージャズにもストリングスが絡み、ギターとピアノがボサっぽさを演出。
やっぱり、洒落込みましたね。

まあ、ジャズであろうが、ブラジルであろうが、キューバであろうが、いずれにしろ、このアルバムはイイ。
そうなんだから、まぁ、イイベ。

イージーリスニング的と言えばそうかも知れませんが、ミディアム・テンポで統一された、それでいて(←「美味しんぼ」的接続詞)心地よきエキサイティングなステキなアルバムですのよ。
お聴きあれ。



Viva! Vaughan
Sarah Vaughan
Verve

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

するってぇと、ココらがベイシー温泉の源泉ですか?

2005-12-14 07:48:57 | Jazz / Cross Over
カウント・ベイシー(Count Basie)
「One O'Clock Jump」(1937)

1950年の解散以前のオールド・ベイシーは、とりあえずベスト盤が色々出てるんで、ソコらへんから聴き始めるのが良いにチゲェねぇとは思うのですが、不勉強にしてそういう適切なベスト盤をワタシは知らない。
ワタシ自身はココから入門しまして、22~23歳の良い若者だったのですが、いきなりベイシー温泉のトリコとなりまして、「Complete Decca Recording」などという3枚組CDなどに手を出す有様でゴザイマシタ。有効な散財。

オールド・ベイシーは、ナニシロ1930年代からですので、録音技術的には、やはりオールドなもんで、ニュー・ベイシーでは、強力に発揮できたダイナミクスって点については、まぁ、聴けない。
が、ンなぁ事ぁ、どうでもイイのよ。
とにかく、コレ、聴くと腰が浮きまっせ。
ジャズとはダンス音楽でもあったのだと、実感しますね。

ソロ・プレイヤーも数多くのスターを揃えていたんで、ソッチ方面の聴き方でも充実したもんですが、アタシャ、ボーカルのジミー・ラッシング(Jimmy Rushing)がとっても好きですね。ミゴトな童顔関取体格から繰り出す、「調子のいい」ボーカル。「Exactly Like You」とか、実にイイです。
ぇえ、ナメクジ飲んだような、いい声だねぇ、おまいさん。

土台は、オール・アメリカン・リズム・セクションと呼ばれたリズム隊が繰り出すミゴトなビート。
コレは楽しい音楽でっせ。粋だしなぁ。

ところで、当記事のタイトルなんですが、どうなんですかねぇ。
・・・ぇえ。かなり源泉に近いですけど源泉ではナイ?
そんじゃ、ベニー・モーテン(Bennie Moten)とかブルー・デヴィルズにまで、モいっちょ行ってみましょうかねぇ。
しかし、ブルー・デヴィルズは音源残ってるんでしょうか?
モーテンはあるけどサ。盲点だった、とか言わない。
・・・・・・・・・。失礼。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カウント・ベイシーという温泉。極楽、極楽。

2005-12-13 23:03:21 | Jazz / Cross Over
前にも書きましたがカウント・ベイシー(Count Basie)は温泉です。
たまらんなぁ、ホント、ヤメられませんなぁ、ベイシー温泉。
極楽、極楽。

カウント・ベイシー(Count Basie)
「Straight Ahead」(1967)

60年代のベイシーは今ひとつ、なんて言うヒトも居るようですが、そうなんですか?
少なくとも、このアルバムは最高の湯加減ですぞ。極楽。

なんか、ベイシーの場合、言葉で語るのが野暮って気がして来ますね。
とにかく、イイから聴いてチョーダイって気分ですね。
コレが楽しめなかったら、どうやったって人生楽しくナイっしょ?

ベイシーは1950年頃に一度ビッグ・バンドを解散していて、その前後で、オールド・ベイシー、ニュー・ベイシーなんて呼び分けられたりしてますけど、楽しさという点では、どっちも同じ。
オールドとニューで一番違うと個人的に思うのは、ダイナミクスって言う事ですかね。リズムセクションのみで、フレディ・グリーンのリズムギターを聴かせるパートと、ホーンが盛り上がるパートとでの、対比。コレが最高に鮮やかで楽しい。

このアルバムでもそんなキキドコロは多数あり。

曲目的には、タイトル曲の「Basie-Straight Ahead」が、まず最高。
ミディアムなテンポで、リズムセクションだけの、心地よい穏やかなグルーヴと、ホーンの爆発加減、そこを後押しする煽りのドラム。最高ですなぁ。極楽。

5曲目。「Magic Flea」。
急速テンポ。
スリリングなテナーのソロのバックで聴こえる、ギターが実にグルーヴィ。(テナーのソロも最高です)
そんで、裏拍から煽るドラム、空飛ぶホーンセクション。極楽。

9曲目、というか最後の「The Queen Bee」。
はぁ、モウ、たまらん。極楽、極楽。

とにかく温泉系の極楽音楽をやらせたら、ベイシーにかなうヒトはおらんでしょう。聴かずに死ぬのは、今生の最悪の損ですぞ。
シノゴノ言わずに聴きなされ。


Straight Ahead
Count Basie
Verve

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エクトル・ラボーは「サルサの声」と言われてたそうで。

2005-12-12 23:10:05 | Salsa / New York Latin
エクトル・ラボー(Hector Lavoe)
「Comedia」(1978)

エクトル・ラボー(1946-1993)はサルサ界の最高のボーカリスト。
サルサに興味が無い人にも是非とも聴いて頂きたい歌い手。

ジャズ・ボーカルにビリー・ホリデイが居たのなら、それに匹敵する存在がサルサ界のこの人だと、アタシャ、三ベン回ってワンと言ってからでも言えますね。そんくらい、このヒトのボーカルはスゴい。凄まじいと言った方がいいかもしんない。

このヒトに興味を持って貰う為に、音楽と関係ない事も(関係なくもない)書きますが、トンデモナイ悲劇の人生を送った人です。

兄がドラッグで死に、義母は惨殺され、自身も強盗に遭い、自宅は焼け、息子が事故で射殺され、挙げ句に、ホテルで投身自殺を図りました。一命は取り止めましたが。
一人の人間にこれだけの不幸が与えられるって、あり得るのか?
と、思いますね。

しかし、一方でこの人はスターでした。
ウィリー・コローン(Willie Colon)のバンドで看板ボーカリストとして、60年代終わりから70年代初頭にサルサ界のスターとなり、75年にはソロ・デビュー。80年代初頭までの諸作はサルサ界に燦然と輝く、プレアデスの如き正に名盤群。

そのボーカルの魅力は、ギラギラとしてヌメリのある、強烈な色気とグルーヴと説得力。とにかく「歌」が本物なのだと感じさせる力。凄い。本当に凄い。
まずは、鳥肌、軽く30万回。

このアルバム「Comedia」は正に、全盛期の一枚。
コレが突出した代表作って訳ではない(この頃のは全部スゴいから)けど、確実にその説得力にはノックアウトされるでしょう。

代表曲の一つである「El Cantante」(英語でいうとThe Singer)は、10分を越える長尺曲ですが、決して、ドラマチックに構成された楽曲ではなく、ハッキリ言って平坦な変化に乏しい構成なんですが、エクトル・ラボーのボーカルがスゴ過ぎて、耳を離す事ができない。
この曲は「苦しみも喜びも、あろうが無かろうが、歌うのだ、私は歌手だから」という内容。(注:訳詞の要約なのでニュアンス全てブっ飛んでるかもしれません。恐縮。)

ジャケットはチャップリンに扮したエクトル。
コメディアンやピエロは実生活で悲しくても耐えて道化る・・・
というベタなジャケットですが、エクトル・ラボーだから、説得力が出てしまう。

まぁでも、これ以上、悲劇性を強調してもいかんね。
シンガーとしてのエクトル・ラボーは、楽園を歌う事だって得意な訳だからね。
ただし、ニューヨークからは遠い楽園(=故郷のプエルト・リコ)のコトですが。

あぁ、イカン、また悲劇になる。
まあ、どうしても影は付きまといますね。
そこらへんはビリー・ホリデイと共通するかもしれませんね。
いずれにしろ20世紀最高のボーカリストの一人であろうと思いますので、機会をみつけてお聴き下さい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中島みゆき「あ・り・が・と・う」

2005-12-12 17:55:58 | 日本のロック・ポップス
温水(ヌクミズ)バトンの時に、このアルバムから「ホームにて」を取り上げましたが、このアルバム、いいアルバムだと思いますので、改めて。

中島みゆき
「あ・り・が・と・う」(1977)

みゆき姐さんの三枚目のアルバムだそうで、世界歌謡祭での「時代」のあと、話題的にも一段落していた時期のアルバムなのではないでしょうか。
詳しい時代状況は、当時、黄色いカバーつきのランドセルを背負っていた私には分かりませんが、「わかれうた」で大ヒット飛ばすのは翌年の事ですね。

で、このアルバムの音ですが、意外にドライ。
明るい、とは言えませんが、湿っぽくない。
もちろん、姐さん得意の恨み節もありますが、全般的にはドライです。

そして、ナニゲにソウル色がある曲が多いです。(若しくはファンキー・フォークとでも言うか)
「店の名はライフ」
「朝焼け」
「サーチライト」
静かにファンキーです。

特に「店の名はライフ」。
これは、もっと知られてもいい曲じゃないですか。
詩も含めて、昭和50年頃のいいトコロが全面開花じゃないですか?
理想的な都市風景。自由と自立とコミュニティ、って感じがあります。
(この歌のなかでも、既に過去の風景として描かれてはいますが。)
サウンドとしても、アコギ、コンガ、ギロ、エレキピアノがメインで、ホーンセクションすら入っている。ドライで、かつ、暖かくて、でも暑苦しくない、居心地の良さ。

そういう曲もあって、かえって活きる、みゆき姐さん本来の味でもある演歌一歩手前の恨み節。鮮やか。

そして、諦念と未練が交錯する「時は流れて」。
これは、名曲・名唱。
ジワジワ、ジワジワと、来る!!!
うぉぉおおお~ぅっ!!!

そんでもって、温水(ヌクミズ)バトンでも取り上げた、A級名曲の「ホームにて」!!!

翌年には「愛していると云ってくれ」という名作も生まれますが、コレもまた名作でねーべかね?
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

iTMS所感

2005-12-12 08:01:54 | 日本のロック・ポップス
今年の音楽の話題でトップ5に確実に入ると思われるiTMSについて。

ダウンロード購入という形が、一気にiTMSで加速したと思いますけど、パッケージ商品の魅力はやはり捨て難い、という気持ちはありますね。
理由を4つ。

1.「物理的に所有していたい」という単純な気持ち。
2. ジャケット自体の魅力。
3. データだけだと、消えてしまうかもしれない、という不安感。
4. ミュージシャンのクレジットなどの情報量の違い。

というコトですが、3.と4.は技術および運用面でクリアできる問題でしょうから、期待したい部分です。
そんで、1.と2.は、もう割り切るしかないかなと思います。

こういうダウンロード購入のメリットとしては、パッケージ商品よりも、かかるコストが低いと思われるため(保管および流通費用がほとんどかからない)、パッケージ商品として流通させるとペイしない作品の復刻が可能になる、また、新作についても同様にリリースが容易になる可能性があるかなと思います。
あと、社会・経済的には、資源の使用を減らす事ができるため、「持続可能な社会」の構築って事を考えると、やはり、パッケージ商品中心より、こういった商品形態を積極的に指示する必要はあるかな、とも思います。

あとは、配信データ形式の統一と、版権(というか商売上の思惑)の問題ですかね。例えば、ソニーは自系列のWEB配信ストアがある為、iTMSへの参入に遅れている、とか。
要するに、moraならソニー系もダウンロード購入できるけど、ATRAC3という良くわからん形式のデータだし(mp3への変換は可能なのかな?)、Macユーザへは門戸開放されてないし、とかそういう問題。

佐野元春氏のように元々はソニー系でありながら、独立レーベルを立ち上げて、「ソニーミュージックは販売チャネルの一つ」、という位置づけに出来るほどの力のある人なら、アーティスト側の意向にそった形でのリリース形態の選択が可能でしょうが、世の趨勢はどうなるんでしょうかね。

画像は昨日、iTMSで購入した佐野元春「星の下 路の上」。
曲自体の感想は近くアップします。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クラーク=ボラーンとエレガンスと血の匂い。

2005-12-11 10:26:58 | Jazz / Cross Over
ケニー・クラーク=フランシー・ボラーン・ビッグ・バンド(Kenny Clarke - Francy Boland Big Band)

「Three Latin Adventures」

再度とりあげます。

どうやら、このアルバムは「Fellini 712」(1968)と「Latin Kaleidoscope」(1969)の2 in 1CDですね。
多分、今は単品で売ってると思います。

そんで、細々と7~8年聴き続けて、最近、ようやく分かったんですが、これは、相当、血腥いんだな、きっと。

洗練された文化は、相当に物騒で、野蛮な暴力の上に成り立っている。
まぁ、そんな印象のサウンドです。
ここで聴けるビッグバンド・サウンドは相当に洗練されていて、良く練られたもの。普通に聴き流していても、知的な「エレガンス」は感じられると思います。まぁ、ビッグバンド・ジャズですからね、エレガンス、と言っても表層に存在する感じじゃなくって、内在するって感じですけど。
で、そのようにエレガンスが感じられる音楽な訳ですが、何か「洗練」「優雅」という魅惑だけじゃないのよ。美しいけど、どこか怖い。そんな感じの音。
そういえば「エレガンス」という様式は、「野蛮」を隠す為の装置でもあるなぁ、とか思う訳です。つまり、背後には「流血」だなと。
(コノ人達が実はマフィアだ、とか言ってるんじゃないですよ。・・・そうかもしれないけど。)

サウンドとしては、ラテン・パーカションやドラムによる、割と呪術的な(おぉ、スゲェ言葉だ)空間作りがあり、そこに、分厚いビロードの如きリード・セクションが覆い被さり、時折、突き抜けるブラスが咆哮する、という印象。でも、トランペットより、トロンボーンが中心のブラスですね。(という事で明るい音ではないです。)

しかし、実に見事な音楽だと思います。
直接、肉体的・生理的に訴えかけて来る部分(要するに娯楽的でダンス・ミュージック的要素)と、ノーミソ経由で訴えてくる部分(ゲージュツ的って言うんですか)が絶妙に両方あって、飽きない。
「カッコいい」という割とウスッペラなコトバで褒めてもいいし、何か難しい偉そうな言葉で褒めても、どっちもありな、そういう音楽ですね。
要は、どっちの聴き方もできるって事。

お勧めです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする