Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

「Black President(黒い大統領)」のアルバムは初めてデスたい。

2009-01-24 09:16:28 | その他の音楽
あさひが丘の大統領が去って30年。
ベエコクに黒人大統領が生まれたのを記念してか、
「Black President(黒い大統領)」と呼ばれた、
アフリカのポップ・ミュージックに於ける最大の大物、
故フェラ・クティのアルバムを初めて聴いてみました。


フェラ・クティ(Fela Kuti)
『Opposite People』(1977)
『Sorrow, Tears & Blood』(1977)

タイトルを二つ併記してますが、コレ、つまり「2 in 1」CDです。

ハイ。
そんで、音楽的にはですね。
殊更、アフリカを意識していない、
ジャズ・ファンク・ミュージックって感じだと思います。

楽器編成にアフロ色はゼロ。
ドラム、エレキベース、少々のパーカッション、
エレキギター、電子ピアノ、ホーン隊、
それに本人のテナー・サックス。
USAのファンクバンドだと言われても、
UKのファンクバンドだと言われても、
何の疑いも持たず「あ、そっスか。」って言っちゃいそうデスよ。

「アフリカ」を感じる部分は本当にナイですね。
あるとしたら、声の響きくらいですね。
正確に言うと、ファンクの源はアフロにある筈なので、
そういう意味では「アフリカ」は感じるのデスが、
あくまでも、欧米のファンクを経由した「アフリカ」しか感じないデス。

んで、とにかく曲が長い。
このアルバム、上にも書いたように、お買い得な「2 in 1」CDなんですが、
アルバム2枚分で、収録曲数はたったの4曲です。
つまり、アナログ・レコードの時は、片面1曲だった訳ですね。
そんで、その程度の長さの曲って、世の中には腐るほどアリマスけど、
フツーは、「展開」っつモンがあるじゃナイですか。
あるいは、実は異なる曲を繋げた「組曲」だったりとか。
それが、ですね。
このアルバムには、そういうのが全然ありません。
同じ基本パターンが延々と続きます。
言いように寄っては「ダラダラ」とも言える訳デスね。
まぁ、でもコレが実にジワジワと来る訳ですよ。

「Sorrow, Tears & Blood」なんて曲は、タイトルと裏腹に、
極めてクールで、ちょっとテクノを感じる程なんですが、
ラップ的なヴォーカルと、ファンクなコール&レスポンスで、
ジワジワと来るクールな盛り上がり方は、実にカッコええデス。
(ちなみに演奏は完全に人力デス)

ホーンのソロは完全にジャズのイディオムを使ってます。
セクションのヴォイシングは、なんとなくスカ・バンドみたいな感じ。
(バリトンからトランペットまで入ってるから、
 オープンになるってだけかもしんないデスが。)
和声進行は極めてシンプル。ほぼ2コードのみ。
だからこの音楽は和声では流れて行かない。
リズムと音色で「密」を作り、それが「疎」に拡散するコトで、
流れが生まれてるって感じですね。

以上は、あくまでも、この2枚のアルバムだけの特徴かもしれませんが、
フェラ・クティの音楽、実にカッコいいです。
もっと聴いてみたくなってしまいますな~。

フェラ・クティ氏については、政治との関わりにも触れるのが
普通なんでしょうが、ワタシは氏の「音楽」にだけ興味があるので、
氏の「政治」的な面には触れません。悪しからず。

ホンジャ、今から、厚木に行って来ます。

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タイのポップスは初めてデスたい。

2009-01-22 22:48:38 | その他の音楽


タイのポップスは初めて聴きます。

アジアン・ポップスはですね。
ムカ~シ、何曜日か忘れましたけど、
深夜に「アジアNビート」と言うテレビ番組がありまして、
1995年頃でしょうか、時々見てましてね。
そこで、フェイ・ウォンとかソテジとかを知った訳ですが、
何故かユースケ・サンタマリア氏が司会をやってまして、
一体、なんでアジアPOPの番組を、
ラテンロックのヴォーカリストがやってンだか。
・・・と言う、コトもありつつ、
んで、タイの音楽はあんまり出てなかった気がするな~。
(あんまり関係ナイっスが、そう言えば、
 「アジア・バグース」って番組もありましたなぁ。)

そんで、このコンピなんスがね。



ハッキリ申し上げまして、コレ↑に近い期待を持って買いました。

まぁ、近いトコもアリマスが、なんと言うか、もっと脱力系だな~。
インドよりはチャイナに近いか。

ってか、基本はニッポンの、昭和30年代~50年代のポップ系歌謡曲と
変わらんワ。特に「タイ!」を象徴するような音色の楽器もアリマセンし。
平然とラテンパーカッションが鳴ってるし。
(ご存知の通り、世界最大のラテン・パーカッション・メーカー、「LP」社の
 工場はタイにアリマスね。ウチのコンガも「made in Thailand」っス。
 ・・・あ、別に関係ないっスね。)

中には、「ドリフの早口言葉」と同じリフの曲もアリマス。
歌っているコトバの響きが違うだけで、音楽的には、
ニッポンもタイも大衆音楽は同じなンですな~。

違いは、タイは、徹底した脱力系ボーカルであるコト。
そして、このアルバムで聴く限り、「演歌」系がナイってコト。
でしょうかね。
・・・あ、「ポップ」のコンピだから演歌系があっても収録されないっか。

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今年最初のCDはインドだワ。

2008-01-12 00:07:46 | その他の音楽
今年最初のCD購入はコレ。

ダレル・メヘンディ(Daler Mehndi)
『Raula Pai Gaya』(2007)

カレーが好きだからインドが好きなのか?
インドが好きだからカレーが好きなのか?

と書いてから言って置きますが、ワタシ、別にインドは好きでもありません。
ただ、カレーと、インドの音楽は好きです。
どっちも、相当に無茶な文化だと思います。

ニッポンには「インド人もビックリ」というコピーがありますが、どう考えてもあの無茶文化を考えると、「インド人にビックリ」が正しいと思います。28万円の自動車作るしサ・・・。

ちなみに、このアルバムは、インドが見事にコンテンポラリーしているアルバムです。つまり、整理された無茶。UKで炸裂するインドという無茶。
「NYで炸裂したカリブ」(=サルサ)と近い物を感じますね。
トラックとしては、インドのパーカッションを活かした物が特にイイです。

ジャケのセンスもサルサに近いっスな・・・。


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エイジアン・ブレイクビーツって書いてあったもん。

2008-01-05 09:11:59 | その他の音楽
V.A.
『Funkadelica - Dancing To A Different Drum』

「インド+テクノ」のダンス・サウンド。
そうだ、エイジアン・ブレイクビーツって書いてありましたワ。

そうか、ブレイクビーツか~。
・・・で、あれば、インドのモノ凄いパーカッションのグルーヴを、もう少しだけでも、組み込んじゃえばイイのにね~。そうすれば、もっと新鮮なダンス・サウンドになったであろうに。

基本的には、コレ、普通に五線紙に書ける音楽ですね。インドというスパイスは相当利いてますけど、ヨーロッパの白人(←しかも、音楽的にはコンサバな感覚のヒトらに違いない)が作ってるサウンドなので、行ってしまってる感、はナイです。シタールの音は全面的に鳴ってますけど、ま、フツーに洗練されたクラブ系のサウンドに聴こえます。しかも、しっかり調性感が残ってるので、ちょっと胃にもたれる感がアリマス。

だから、カレー食う時には合わないね!
(別にカレーのBGM用に買った訳ではナイぞ。)

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インドのベルボトム・アクション・サウンドを聴く。

2006-09-16 23:20:22 | その他の音楽


V.A.
『The Bombay Connection』

サブタイトルが「Funk From Bollywood Action Thrillers 1977-1984」となってます。"Bollywood"とは、簡単に言うとインドの映画や映画産業を指す言葉。インド映画の多くがボンベイ(ムンバイ)で作られる事と、ハリウッドを掛けて作られた言葉だそうで、インド娯楽音楽に走り始めると、第一コーナーで出くわす言葉のようです。
んで、1977年から84年のBollywoodのアクション・スリラーから、ファンキー度の高い傑作曲をコンパイルしたのがこのアルバム、なんでしょうね、きっと。
まぁ、そういうコトでしょう。

コンピ・タイトルは「French Connection」を意識しているんでしょうが、あの映画の音楽は重厚でしたから、ピッタリなタイトルでは無いです。音楽的には、「黒いジャガー」(「Shaft」)とか「スーパーフライ」とか、そっち系統の音楽のインド版です。あと、「燃えよドラゴン」とかも近い空気です。

サウンド自体は、ギターのカッティングや、コンガやボンゴ、そしてオルガンなんかを活かした黒いファンキー・チューンが中心。ホーンの強烈な咆哮もアリマス。インド楽器はほとんどフィーチュアされていないので、フツーに聴かせれば、インド物とは気がつかないような曲も多いです。もちろん誰が聴いても「インドでしょ、コレ?」な部分も多数あります。

感想はですね。
「要するにワタシが聴きたかったのはコレだ!」です。
マジでカッコいい部分が65%。
インド映画音楽ならではのブッ飛び加減にクラクラする部分が35%。
つまり、「おぉ、超クール!!!」と二回言ったら、「インドだ~、ほえほえ~」と一回言う計算です。
ワタシのような初心者には最適なインド濃度かもしれません。

そして、このCD、内容的にも言う事ナシなんですが、ワタシのようなインド映画音楽初心者には、詳細な解説のブックレットも嬉しい。
なんとオールカラーで32頁。
作曲者の紹介に、各映画と曲の解説。映画のシーンやポスターの写真も満載。
歌詞まで載ってます。
スバ~ラシー!

これが、ブックレットの表紙。
英語なんで、少し頑張らんと読めんが貴重な情報デス。

しかし、スゲェ画像ですね。
全身、赤づくめの捕われた印度男と、銃を構える印度美女。
一体、どういうシーンなんだ?
思わず、"赤づくめ"なんて、有り得ないコトバを使ってしまったが、そんな言葉を使わざるを得ない程の衝撃が走る。
だが、しかし、振り返って見れば我が国の娯楽映像文化にも、このような衝撃は事欠かない。
カネゴンとか、サナギマンとか、印度人に見せたら、きっと彼らもビビるであろう。

ついでに裏ジャケ。

ダイバーに軍人に拳銃を持った恰幅のよいオッサン二人。
トドメ刺されまくり。コレで、このCDに間違いは無いとワタシは確信した。

ついでに言うと、このCDはドイツのレコード会社が出したもの。
独逸の会社が出した「米国の影響を受けた印度音楽」CDを日本人が聴くという訳です。
嗚呼、インタァ~ナ~ショナ~ル。

ぢゃ。
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印度人にビックリしない。(らしい)

2006-09-02 12:24:51 | その他の音楽
V.A.
『Top Of The Charts 2005』

ソニーBMG(印度)による、2005年のヒットコンピ。(らしい)
幸いにして、ソニーBMG(印度)から出た曲馬借り、モトイ、ばかりではないようです。(半数の曲が他のレコード会社から出た曲らしい)
コレが今のインドのポップスなのか、と言う事をどっかで押さえて置きたかったので、なるべく幅広いのが希望だったんスが、どうなんでしょうね?
全般的に感じたのは「元ちとせ」みたいだなぁと言うコト。
どういう感じかと言うと、強力な土着を「大手レコード会社のサウンド」でガッチリとコーティングした感じ。ナニゲに「ニッポンの大手レコード会社臭」に似た臭いがスルんです。
でも、コーディングされている中身自体が濃ければ無個性にはならないので、そう言う意味では、しっかりと「元ちとせ」級と言えるかなと思います。

さて、一度、コッチ方面(今時のチャート系)を踏みましたんで、次は更なるディープな印度商業音楽、特に映画音楽の方へシフトして行きたいと思っております。
ですが、その一方で、存在の仕方がサルサとも似ている「バングラ」なるものもあるようで、一口にインドのポップ音楽と言っても幅、奥行きともにトンでもなさそうでス。
イチイチ、印度人にビックリしていては持たない気がします。
だから、もう印度人にはビックリしない。(事にした。)


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ポップスの印度人。

2006-09-01 07:18:00 | その他の音楽
V.A.
『Top Of The Charts 2005』

ソニーBMGによる、インド・ポップのコンピレーションを聴きまして、あー、念のため申し上げますが、インドの最新ポップスってコレで聴く限り、JポップのCDなんかとオーディオ的な意味でのサウンドの質は変わらんと思いますし、ギターやベースや打ち込みやらの楽器をサウンドのベースにしてる点も別に変わったもんではなくって、全然フツー。
つまり、音楽制作の環境は日本とさほど変わらんべ、と思います。
異なるのは、インド独自の色の出し方。と言うか意識しなくても出るんでしょうけど。

そこでワシはこう思った。
ポップスのインド人たち、最低でも「元ちとせ」級だなぁ、と。

説明は、次回。

ぢゃ。

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アーシャ・ボースレーから入門と相成りました。

2006-07-22 19:06:59 | その他の音楽
アーシャ・ボースレー(Asha Bhosle)
『Evergreen Hits Of Asha Bhosle』

インドと言えば音楽映画。
強烈な色と匂いをぶは~っと放つ、インドのポップ・ミュージックを聴きたくなり、映画の中で、歌を吹き替えるプレイバックシンガーの中でも、最も高名な一人、アーシャ・ボースレー(Asha Bhosle)のCDを買ってみました。
ちなみに、もう一人、高名なヒトと言えば、その姉のラタ・マンゲーシュカル(Lata Mangeshkar)ですが、一時のインド映画は、この二人が8割の主題歌を歌っていたとか。(そもそもインドの映画の製作数って、メチャクチャ多い筈ですが、その8割って、マトモじゃないですね。WINDOWS並みの寡占姉妹。恐るべし。)

このCDは1956年~1999年のベスト盤。
56年から99年って、ほとんど半世紀。
当然、二枚組。
収録曲数24曲。
ほとんどが、60年代と70年代の作品。

で、聴いた感想は、「やっぱ、インドはスゲェな~」ですね。

音楽的には、西洋音楽で土台を作り、そこにインドのエッセンスがタップリ混ぜ込まれると言う、往年のニッポン歌謡曲とも共通する作り。基本が西洋音楽の上に成り立っている音楽ですから、普段、ニッポンのポップスや、英語圏のロックなどしか聴かない人でも、コレは全然問題なく理解可能。(好きになるかは別問題。)

インドならではのエッセンスとしてブチ込まれているのは、タブラ(インドのパーカッション)とか、非西洋的な音階とか、あとは、強烈なストリングスとか、そして、何よりも、ナショナルキッドの20倍の高さを揺るぎもせずに飛んで行く、高音ボーカル。うん、こういうのを聴きたかったんだな。

あくまでも、このCDで聴く限りですが、60年代モノまでは、割とアコースティックなサウンド。(アコースティック、と言っても、強烈ですが。)

70年代に入り、エレクトリック楽器が強力に入って来ます。打楽器も、インドならではのモノだけではなくなり、ドラム+コンガ、とか、割とフツーにファンキー。
しかし、そのファンキーなサウンドにプラスされる、エッセンスが凄い。
キメの強烈なパターンとか、電気マイルスから学んだかのようなキース的オルガンとか、凶暴なワウ系ギターとか、歪むほどに咆哮するブラスとか。
これらのエッセンスは、インド特有のイディオムばかりで演奏されている訳ではないんですが、その盛り加減が、コレでもかコノヤロー的な過剰さがあって、その過剰さが多分インド。

今のワタシには、ファンキーさと、このブッ飛びの過剰さがツボ。
ハッキリ申しまして、インドのポップ・ミュージックにはハマりそうです。

ちなみに、ワタシが買った盤は、UK盤とかではなく、正しくもインド盤ですが、当然の如く擦りキズだらけ。レーベルの印刷も少しハゲてるし、ジャケもシワが寄っておりました。
やはり未知の感覚がありますね。

次はダレール・メヘンディだ!

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