プエルト・リコ・ジャズ・ジャム(Puerto Rico Jazz Jam)
『Puerto Rico Jazz Jam』(1999)
puente_palmieriさんのブログで、つい先日「ラテン・ジャズのワタシ的5枚」をやってらっしゃいました。
「ラテン・ジャズ」と言うコトバに少しでも電流を感じたソコの貴方。
数多くのラテン・ジャズを聴き込んでいらっしゃるpuente_palmieriさんが、特別に勧めるセレクションですよ。
これは是非とも知るベキです。
そうです。
だから、今日、訪れるベキであります。
行ってらっしゃい。
さて。
不勉強なワタシの方はと言いますと、今日はコレです。
puente_palmieriさんのセレクションには、ウンベルト・ラミレス(Humberto Ramirez)がメデタク入選されていたのですが、ワタシ、ウンベルトはほとんど聴いてない。RMMレーベルが出した半端なベストみたいなヤツと、もう一つはコレくらい。
では、まず結論から。
このアルバムは、良いのか悪いのか?
その答えは、もちろん「良い」です。
ですが、しかし、ワタシ初めてコレ聴いた時、あんまりイイとは思わなかったんです。感覚的に、アッサリし過ぎていると感じたんですが、これは曲順が悪いと思う。
冒頭の「Israel」があんまり良くないんですよ。
なんというか、散発的な小噴火、と言う感じ。
そう、散発的なんですよ。
ラテンの、特にラテンジャズの醍醐味である、各パートのギリギリの仕掛け・突っ込み・逸らし・並走、と言った、要するにインタープレイ的なトコで発生するスリルに欠けるんですよ。勿論、各パートの演奏の質、安定感は抜群ですが、何か、お互い無関心、みたいな感じ。この曲は、ファニア・オールスターズの中心メンバーや、アレックス・アクーニャなどが参加している演奏なのに、です。う~ん、煮え切らん。
と言うコトで二曲目。
コンガに、ジョバンニ・イダルゴ(Giovanni Hidalgo)をフィーチュアした曲。
あ、ちなみに、このアルバム、曲によって大幅にメンツが入れ替わります。
で、この二曲目は、必殺・哀愁のラテンジャズです。
若干、盛り上がり始めます。
が、しかし、イマイチ物足りない。
三曲目、「Mambo Mongo」。
クールな曲調ながら、前の二曲よりキメが多かったり、ベースが仕掛けたりして、燃え上がる切っ掛けは十分。やっと、動きはじめた感じ。
ちなみにメンツは、前の二曲とは全く別になってます。
そして、四曲目。
遂に来た。
必殺の哀愁・美メロをクアトロ(ギター系の楽器)で歌わせた、これはラテンジャズと言うよりインスト・サルサ。
メロディもさることながらアレンジの美しさもまた格別。
セクション全体で行くところもイイが、トロンボーン二本によるハーモニーが主メロの裏に炸裂するところなど、鳥肌必至。スバラシイ!!!
そしてココからは怒濤の連発。
最初の曲がダルだったのが信じられんくらいに怒濤。
5曲目「Asora」。
正しく突進系のラテンジャズ。
ココでは信じられんほどカッコええキメのフレーズが炸裂。
このキメは聴き物です。
6曲目。
このアルバムのハイライトとも言えそうな「Bomba Pa' Carmen」。
チャーリー・セプルヴェダの書いたクールな楽曲に、ボンバの強烈なリズム。
プエルト・リコ系ラテンジャズの真髄。
カッコ良過ぎ!!!
7曲目。
この曲のクアトロも泣ける。
哀愁のメロディを激しいリズムに踊らせる。
フルートも来てマス、飛んでマス。
ラスト。
名曲「Lamento Borincano」。
重厚に熱く深く激しい。
各セクションのトゥッティで延々と続くメロディ。
カウンター・パートも熱い。
延々二分以上。
そして、ようやくソロはピアノ→ベースと、縁の下の力持ち系からお先にドーゾで、次いで、いよいよ満を持して、ウンベルト・ラミレスのトランペット!
うぉ~!!!鳥肌!
という感じでありまして、圧倒的に後半型のアルバムです。
メンツ的には、スゲェ有名な大物から、初めてお見かけする方まで居らっシャイまして、ま、見えませんが、プエルト・リコの底力を深く感じる事になります。
ヒトによっては、1999年のラテンジャズの最良の収穫とも言ってましたので、見かけたら是非ドーゾ。
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