Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

シャープなピアノで腰からシュビドゥバに。

2010-04-23 21:26:30 | Latin Jazz
NICA'S DREAM MAMBO - SONORA PONCEÑA


そうです。
ホレス・シルバーの「ニカズ・ドリーム」ですよ。
それを、マンボジャズに仕立てたって事ですがね。

あぁ、揺れるココロが切なくて。

みたいな、感じの仕上がりデスね。

で、この曲は、元々、メロドラマのテーマ曲みたいな、
ベタベタでメロメロなメロディですが、パポ・ルッカ師匠は、
これを、シャープで繊細でしなやかに揺れるピアノで、
すっかり、腰からシュビドゥバに砕いてしまう訳ですよ。

師匠は、ラインとタッチを、思いのまま微妙に揺らしてるんデス。
発音タイミングを前後にズラし、ヴェロシティも微妙に揺らす。

んで、それは、高音成分がシャープに伝わるからこそ、
よりシュビドゥバに、聴き手の腰に伝わるんだと思いますが、
リズムの揺れを繊細に意識的にコントロール出来るプレイヤーには、
アタック音がシャープに聴き取れるサウンドが合うと思うんデス。

これが、50年代風のブルーノートなピアノの音だったとしたら、
聴き手の脳は、きっと勝手に、揺れないスクエアなパルスに合わせて、
クォンタイズしてしまうんデスよ。

パポ・ルッカ師匠の才能のスーパーな開花が70年代半ばだったのは、
レコーディング技術の進化と言う時代の状況に、
スカっとマッチしたってぇ背景もあるんだと思うんスよね。

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スーパーでキョーレツでモーレツでドバドバでウルトラのクセに繊細で典雅。

2010-03-14 09:53:35 | Latin Jazz
キューバの大御所バンド、イラケレ(Irakere)。
今やすっかりオッサン、と言うよりオジイサンですが、
そのジイサン達が、アンチャンからオッサンになりつつあった頃の、
スーパーでキョーレツでモーレツでドバドバでウルトラな一枚。


イラケレ(Irakere)
『Irakere』(1978)

音と同様、ジャケットもキョーレツですが、
このジャケットって、すごく良く音楽性を表してますなぁ~。
つまり、クドイのに繊細。

スーパー・キョーレツ・ハイテンションで、
モーレツ・ドバドバ・ファンキーで、
ウルトラ超絶技巧クロスオーヴァー・バンド、
という、イケイケな方向がワタシとしては一番好きなんですが、
このオッサンたち、顔に似合わず繊細だったり、典雅だったり、
と、そんな音楽性も持ち合わせちゃってたりしちゃったりして、
ぇぇ、ええ、ホントに、スゲぇヒトたちが居るもんですよ。

IRAKERE 1977 Aguanile Bonco


 ↑
貴重な映像がYouTubeにアップされてます。
それにしても、こんなコト(亡命してないキューバ人がCBSに出演!?)が、
あったんスね。カーター大統領、アリガトウ。

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今年は天国から帰って来て欲しいモノです。

2010-01-05 21:57:45 | Latin Jazz
コンガの達人は数多く存在しますが、
パタート師よりスウィングするコンゲーロを、
ワタシは知りません。

patato


   ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
ん~。最高にスウィングしてますね。
ィやっぱり、私にとってのナンバー1のコンゲーロは、
永遠にパタート師ですなぁ~。
できれば、今年は天国から帰って来て欲しいモノです。

Patato & Totico-Aqua que la caer


んな訳で、今年の音楽記事のスタートは、
カルロス・パタート・ヴァルデス(Carlos Patato Valdez)師でスタートです。

あ、ジャズの方では「Potato」とクレジットされる事が多かったデスね。

Afrodisia


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↑お気に召したら捺してくんなマシ。
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神技!!!

2009-07-04 09:29:59 | Latin Jazz
TITO PUENTE EN COLOMBIA


本当は今日の記事はFania All Starsの筈だったのですが、この映像を見つけましてね。

あまりの凄さに、今日はコッチをアップする事にしました。
80年頃と思われるティト・プエンテ(Tito Puente)師匠の映像です。

兎に角、凄いです。
凄まじい切れ味。

やはり、プエンテ師匠は20世紀最高の打楽器奏者だと思います。

ワタシは、プエンテ師匠を生で聴いたのは、2回だけ。
当然、晩年の演奏でしたので、往年のキレはありませんでした。
ウイリー・ナガサキ氏が、「ここ1~2年で、急速に衰えられた・・・」
と仰っていた、その1~2年の演奏しか生で聴けなかったコトが
非常に残念です。

CDで全盛時の演奏は幾らでも聴けますが、やはり生は違いますからね。
プエンテ師匠とパタート師匠のコンビは、ぜひとも生で聴きたかった・・・。

まぁ、とにかく、プエンテ師匠はキレ味です。
圧倒的キレ味です。
神技としか言いようがありません。

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ラテンのマリーンは濃淡拡散のグルーヴ・マシーンだすな。

2009-06-17 22:26:05 | Latin Jazz


コレ、かなり良いデス。
オススメですよ。

マリーン(Marlene)
『Marlene Sings Nettai Jazz』(2009)

マリーンと言うと、80年代のヒトと言うイメージがありますが、
実は、50歳を迎えんとする今こそが文句ナシの円熟期なのかもしれません。

この方、濃くするコトが出来るヒトなので、薄くするコントロールさえ出来れば、
その「濃→淡」「密→疎」という、拡散のスピードがグルーヴを生むんスけど、
実に見事に、濃淡拡散のボーカル・グルーヴ・マシーンと化しております。

「濃くするコトが出来る」と「コントロール出来る」が、両立出来る時期って、
それほど長くは続かないと思いますが、両立している、その時期は正に「円熟」ですね。
今、マリーンは、マサにそんな時期なんでしょう。
かなりスバラシイです。

ジャンルとしては、「ラテンジャズ・ボーカル」。
これって、意外とナイんすよね。
「ラテンジャズ」や「ジャズボーカル」は腐るほどアリマスが、
両方を兼ねてるのって、実は少ない。

脇を固めるプレイヤー陣も、実は、今、円熟ではナイだろうかと思います。
もう十数年以上も、Jラテンの第一線をツトめて来られた方々が揃ってます。
ワタシにとっては、とっても耳に馴染んで来たプレイヤー達。
流石な演奏で、主役をモリタテテます。

ん~、とっても、良いアルバムだ~。

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マンボとボッサで「Mambossa」。

2009-03-28 08:13:23 | Latin Jazz

マンボッサ(Mambossa)
『Mambossa』(1995)

マンボとボッサでマンボッサ。
ラテン・ミュージックのエエとこ取りです。
その上でジャズです。
熱くてクールで粋でお洒落ってコトです。
コレで気持ち良くない訳がねえべ?

編成的にも、ヴィブラフォンがいて、フルートがいて、
ピアノ、ベース、パーカッション×2、です。
クールと粋とお洒落とホットが有るってコトです。
コレでココチ良くない訳がねえべ?

んな訳で、20代後半だった頃のワタシが、
最も頻繁にライブに通ったのが、
このラテンジャズ・バンドなんスよ。

Mambossaは二枚のアルバムを出して、
惜しくも2000年に解散してますが、
こう言うゆる~いユニット的バンドの場合、
ロックバンドの解散とは違いますんで、
時々、ふら~っと集まって演って欲しいモンです。

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残像しか残らない凄まじいスピード。

2009-03-08 17:38:47 | Latin Jazz

Jane Bunnett
『Ritmo+Soul』(2000)

3曲目。「The River / El Rio」。
イラリオ・デュラン氏のピアノがモノ凄いコトになってます。
アウト、イン、アウト、イン、アウト、アウト、アウト、イン。
これを、アウトもインも、残像しか残らない凄まじいスピードで繰り返す。
このキューバ・オヤジの超絶技巧はウソかと思うほど凄いです。
そんで、その超絶は畳み掛けまくる凄まじいスリルを産んでます。
超絶スゲェです。


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かなりのレベルで、ウルトラCOOOOLです。

2008-11-23 11:16:09 | Latin Jazz
本日もキヲンを除けば、実に正しい自転車ビヨリ。
さぁ、ブワ~っと、和田峠に行きますガな~っ!










はい。

乗りませんがな。

今日は、ライヴの日です。
さすがに当日は乗らん。

ハイ。
では、今日の一枚。
5年振りくらいに聴きます。


『Bellita Y Jazztumbata』(1997)

Lilia Exposito Pino "Bellita"と言う姉御のバンドらしいデス。
この姉御、ヴォーカリスト兼ピアニストですが、
かなりのレベルで、ウルトラCOOOOLです。
キューバ版のタニア・マリアって感じです。
いやぁ、実にカッコええデス。



サウンドは、キューバらしくないサラっとした感触のラテンジャズに、
ウルトラCOOOOOLなヴォーカルが乗っかります。
間抜けな要素や、スットコドッコイな要素は全て除いてありますから、
ノドカでも良さげな曲でも、スピードとスリルが漂ってます。
スキャットもカッコええでス。

楽器は、基本的に電気です。
ベース、ギター、ピアノ。
いずれも、アンプラグドではなく、
奥の深さ、濃さより、エッジの鋭さで勝負って感じですね。
比較的多めにフィーチャーされる、エレキベースのソロも、
カッコええですね。ガッツリ噛み付いて、前に出る感じのソロ。

んで、打楽器は、音色こそ現代的な響きに聞こえますけど、
しっかり伝統ですね。バタも結構聞えて来ますもんね。
その、バタで叩き出すサンテリア的土俗信仰的空間に響く、
電気増幅された現代のラテンジャズ。
なかなかのモンですよ。

どうせ、二度とプレスされないCDだと思います。
見つけたら、買っておいてくらさい。
はい。

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松岡師匠の「足の踏み場のない」ピアノソロ!!!

2008-03-31 23:36:56 | Latin Jazz
ラテン・フュージョン。
または、ラテン・クロスオーヴァー。
って言えば、松岡直也師匠ですね。

で、今日は、「One Last Farewell」(1985 Version)というのを聴いてまして、この80年代半ばの、キメキメのサウンド作りが鬱陶しいとか思いつつ、サスガに松岡大師匠のピアノソロは凄い。
楽曲云々は、ハッキリ言ってどうでもイイです。
とにかくピアノソロが凄い。
ひたすら、アタマ拍を弾かない徹底したシンコペぶり。
フツー、シンコペって、アタマを弾く事もあるからこその、アクセントのようにも思えるのですけど(若干違うね・・・)、ここまで徹底してアタマを弾かないことの、そのスリリングなコトよ!しかも、裏は裏でも三連の裏が実は多いからね~。
踏み出した足の置き場はドコよっ!って感じの強烈なスリル。きっと慣れないヒトは、アタマ拍を見失うでしょ。

とにかく凄い。
鼻息三倍。
聴きまくりましょ。


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ガッツリ濃くて甘い天然ジュースなサウンドです。

2007-11-15 23:48:15 | Latin Jazz
ヘスス・アレマニー(Jesús Alemañy's ¡Cubanismo!)
『Malembe』(1997)

キューバン・ラテン・ジャズ&ソン。
そんな感じのアルバムっス。
ガッツリ濃くて甘い天然ジュースなサウンドです。
いいアルバムでっせ。

ちなみに「キューバン・ラテン・ジャズ」という言い方って、あんまりないと思いますが、アフロ・キューバン・ジャズ、ではちょっとニュアンスが違うんデス。個人的には「アフロ・キューバン・ジャズ」って、USAの影が濃い気がします。USAから見たキューバ、みたいな感じ、あるいは、USAで演るキューバン・ジャズって感じですね。
で、このアルバムは、全体的に、USAの影は濃くないと感じます。モチロン、ラッパやサックスのフレーズとか、分解して行けば、ま、分解しなくてもパーツを見れば、USAの影響はアッチコッチに見えまくってるンですけど、トータルでは、結局、どう聴いてもキューバなんスよね。だから、「アフロ・キューバン」じゃないンすよね。

夜も濃ければ、昼も濃い。
人も濃ければ、音楽も濃い。
まさにキューバって感じ。
その上で、ヘススのあんちゃんのラッパの音色のツヤっぽさってば、最高デスな。

サウンド的には、ダンソン~ソン~チャチャチャと言った伝統のリズムから、ピロンとかの新しいリズム、そんで、スリリングなギミックだらけの当時(1997年)のディンバ(ハードサルサ)のニュアンスも見え隠れしてたりしてマス。やっぱ、スゲェ深いし楽しいし、こういうの聴くと、やっぱりキューバとブラジルには、カナワンなぁと思い知ります。アタシャ、ニューヨーク・ラテン派なワケなんデスけど、やっぱ、「元祖ラテン」「本家ラテン」の産地は凄いね。

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Jerry Gonzalez『Moliendo Cafe』(1992)

2007-05-26 22:48:02 | Latin Jazz
ジェリー・ゴンサレス&フォート・アパッチ・バンド(Jerry Gonzalez & The Fort Apache Band)
『Moliendo Cafe』(1992)

久しぶりに聴きましたけど、アイヤ、コリャまたカッコいいですな。

簡単に言うと、"60年代のマイルスの黄金のクインテット"とラテン・リズムの融合です。
ま、ジェリー・ゴンサレスは一貫してそうなんでしょうから、別にこのアルバムだけが、そうだって訳ではナイと思いますが、まぁ、そういう音楽デス。

ラテン・リズム、と言うと開放的な音楽を想像する向きもありましょうが、ラテン・リズム自体に「開放的」というベクトルは、ワタシは、無いと思っておりまして、で、このアルバムで聴ける音楽は、もちろん、緊迫型のビリビリした音楽デス。開放されてもいなければ、青空も見えない。どっちかと言うと、冬の曇り空。そんで、その曇り空が、ゾクゾクするほど魅力的って事なんですが、キューバ系ラテン・リズムの精緻なアンサンブルと、60年代マイルス的なピリピリした空気が、そういう曇り空を生むンですよ。スゴイね。

曲は、数曲のオリジナルの他は、「Summertime」「Stardust」と言った古典的スタンダードから、「Obsesion」「Moliendo Cafe」と言ったラテン・スタンダード、そんで、ジョビンの「Corcovado」までやってます。あと、当たり前のようにショーター(Wayne Shorter)の曲もやってマス。スタンダード曲は、いずれも、ストレートな演奏ではなく、上述の曇り空の演奏で、重厚な寒色な演奏になってます。
一番のお気に入りはラストの「To Wisdom The Prize」。緊張感を伴った、爽快ではないスピード感がスッごいスリルです。とにかくカッコええです。

弱点は、やはり、マイルス・クインテットに雰囲気が似てしまう事。
それは、曲が持つ空気って事だけではなく、ソロも、なんとなとくマイルスっぽいトコロが多かったり、ショーターみたいだったり、ハンコック的だったりってトコまで含めてです。

とは言うモノの、このカッコ良さは、あくまでもフォート・アパッチの物だし、ラテン・ジャズは、フツーのジャズに比べ、ソロよりもアンサンブルから受ける感動の割合が高いンだからして、欠点というには当たらない。

どっちにシロ、カッコイイ事に変わりはナイ。
聴きましょう。


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好きなジャケットその3

2006-11-10 20:39:19 | Latin Jazz


ゴンサロ・ルバルカバ(Gonzalo Rubalcaba)
『Mi Gran Pasion』(1987)

文句無しにええジャケットですなぁ。
内容的には、キューバの古典的なダンス・ミュージックであるダンソンで全曲を固めた典雅な一枚。でも、単なる懐古趣味ではない現代進行形(当時)ラテンジャズとしての一枚でもアリマス。
タイトルもええデスね。英語にすると「My Great Passion」。
このタイトルで、この音楽で、このジャケット。
実にええデス。
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『Puerto Rico Jazz Jam』。

2006-08-18 22:09:02 | Latin Jazz
プエルト・リコ・ジャズ・ジャム(Puerto Rico Jazz Jam)
『Puerto Rico Jazz Jam』(1999)

puente_palmieriさんのブログで、つい先日「ラテン・ジャズのワタシ的5枚」をやってらっしゃいました。
「ラテン・ジャズ」と言うコトバに少しでも電流を感じたソコの貴方。
数多くのラテン・ジャズを聴き込んでいらっしゃるpuente_palmieriさんが、特別に勧めるセレクションですよ。
これは是非とも知るベキです。
そうです。
だから、今日、訪れるベキであります。
行ってらっしゃい。

さて。
不勉強なワタシの方はと言いますと、今日はコレです。
puente_palmieriさんのセレクションには、ウンベルト・ラミレス(Humberto Ramirez)がメデタク入選されていたのですが、ワタシ、ウンベルトはほとんど聴いてない。RMMレーベルが出した半端なベストみたいなヤツと、もう一つはコレくらい。

では、まず結論から。
このアルバムは、良いのか悪いのか?
その答えは、もちろん「良い」です。

ですが、しかし、ワタシ初めてコレ聴いた時、あんまりイイとは思わなかったんです。感覚的に、アッサリし過ぎていると感じたんですが、これは曲順が悪いと思う。
冒頭の「Israel」があんまり良くないんですよ。
なんというか、散発的な小噴火、と言う感じ。
そう、散発的なんですよ。
ラテンの、特にラテンジャズの醍醐味である、各パートのギリギリの仕掛け・突っ込み・逸らし・並走、と言った、要するにインタープレイ的なトコで発生するスリルに欠けるんですよ。勿論、各パートの演奏の質、安定感は抜群ですが、何か、お互い無関心、みたいな感じ。この曲は、ファニア・オールスターズの中心メンバーや、アレックス・アクーニャなどが参加している演奏なのに、です。う~ん、煮え切らん。

と言うコトで二曲目。
コンガに、ジョバンニ・イダルゴ(Giovanni Hidalgo)をフィーチュアした曲。
あ、ちなみに、このアルバム、曲によって大幅にメンツが入れ替わります。
で、この二曲目は、必殺・哀愁のラテンジャズです。
若干、盛り上がり始めます。
が、しかし、イマイチ物足りない。

三曲目、「Mambo Mongo」。
クールな曲調ながら、前の二曲よりキメが多かったり、ベースが仕掛けたりして、燃え上がる切っ掛けは十分。やっと、動きはじめた感じ。
ちなみにメンツは、前の二曲とは全く別になってます。

そして、四曲目。
遂に来た。
必殺の哀愁・美メロをクアトロ(ギター系の楽器)で歌わせた、これはラテンジャズと言うよりインスト・サルサ。
メロディもさることながらアレンジの美しさもまた格別。
セクション全体で行くところもイイが、トロンボーン二本によるハーモニーが主メロの裏に炸裂するところなど、鳥肌必至。スバラシイ!!!

そしてココからは怒濤の連発。
最初の曲がダルだったのが信じられんくらいに怒濤。

5曲目「Asora」。
正しく突進系のラテンジャズ。
ココでは信じられんほどカッコええキメのフレーズが炸裂。
このキメは聴き物です。

6曲目。
このアルバムのハイライトとも言えそうな「Bomba Pa' Carmen」。
チャーリー・セプルヴェダの書いたクールな楽曲に、ボンバの強烈なリズム。
プエルト・リコ系ラテンジャズの真髄。
カッコ良過ぎ!!!

7曲目。
この曲のクアトロも泣ける。
哀愁のメロディを激しいリズムに踊らせる。
フルートも来てマス、飛んでマス。

ラスト。
名曲「Lamento Borincano」。
重厚に熱く深く激しい。
各セクションのトゥッティで延々と続くメロディ。
カウンター・パートも熱い。
延々二分以上。
そして、ようやくソロはピアノ→ベースと、縁の下の力持ち系からお先にドーゾで、次いで、いよいよ満を持して、ウンベルト・ラミレスのトランペット!
うぉ~!!!鳥肌!

という感じでありまして、圧倒的に後半型のアルバムです。

メンツ的には、スゲェ有名な大物から、初めてお見かけする方まで居らっシャイまして、ま、見えませんが、プエルト・リコの底力を深く感じる事になります。

ヒトによっては、1999年のラテンジャズの最良の収穫とも言ってましたので、見かけたら是非ドーゾ。


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ラテン・ジャズのワタシ的5枚。

2006-08-12 21:50:49 | Latin Jazz
ラテンの名盤を画像付きで5枚並べてテキトーなコメントを付けるシリーズ。
今回はラテン・ジャズ編。(ブラジル系は含まず、アフロ・キューバン系に限ってマス。)
このジャンルは正に現在進行形で傑作が産み出されていますが、ワタシは、ココ5年くらいは新作を追っていないので、ソコらへんはゴメンナサイです。

で、並べてみたトコロ、ジェリー・ゴンサレスを除き、キューバ人に占拠されました。
やはり、ヤツらのグルーヴ製造能力の高さは並ではない。
まぁ、キューバ人だけのアンサンブルは、最初のヤツだけだが。
ついでに言うと、実はニューヨーク・レコーディングのが多いし。

では、行ってみましょう。


フランク・エミリオ&ギジェルモ・バレット(Frank Emilio-Guillermo Barreto)
『Algo Bueno』(1959)

正に名作。正統なラテンジャズ。基本ですね。


ジェリー・ゴンザレス(Jerry Gonzalez)
『Ya Yo Me Cure』(1980)

正に金字塔。絶対的一枚。
ニューヨークが生んだハードボイルド・ラテン・ジャズ。
Jerry Gonzalez - Ya Yo Me Cur!) - Evidence
↑ご試聴下され。


パキート・デリヴェラ(Paquito D'Rivera)
『Reunion』(1991)

圧倒的技術力が生むスゲぇスピード感!!!
これぞラテンジャズの醍醐味。
ジョバンニのパーカッションが凄い。
Paquito D'Rivera featuring Arturo Sandoval, Giovanni Hidalgo, Danilo Perez, Fareed Haque, David Finck & Mark Walker - Paquito D'Rivera: Reunion - Reunion
↑ご試聴どーぞ。


カルロス・パタート・ヴァルデス(Carlos "Patato" Valdes)
『Master Piece』(1993)

スリリングなのにエレガント。
世界国宝級のグルーヴ・マスターが生んだ傑作。
コンガのグルーヴのなんと凄まじい事よ。
Patato Valdes - Master Piece - Cute
↑ご試聴あれ。


オマール・ソーサ(Omar Sosa)
『Prietos』(2001)

あらゆる音楽ジャンルの中でも、現在、最もクリエイティヴな一人。
アフロ・ビート、ラテン、ジャズ、ラップが渾然一体となった凄まじい音楽。
あまりの凄さに、聴いた人は、必ずこう述べる。
「スんゲぇええエ~ッッッ!!!」と。
Prietos
Omar Sosa
Otá

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ラテン5枚シリーズは、次回、「マンボその他」編をもって終了予定。
当然、ティト・プエンテ師がニヤニヤしながら待っているであろう。

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生で聴いたら多分死にます。爆走する「Giant Steps」。

2006-07-08 23:34:06 | Latin Jazz
トルー(Tolú)
『Rumbero's Poetry』(1998)

アレックス・アクーニャとフスト・アルマリオの双頭ラテン・ジャズ・バンド。
ルイス・コンテも居るぞ。

なんだ?
ラテン・フュージョンか?

と思ったら、ヴァラエティに富みやがったラテン・ジャズでしたのよ。

1曲目!
「Giant Steps / Paso Gigantes」!
要するにコルトレーンのアレですが、メレンゲのリズムで演っていて、とんでもなくスんゲぇグルーヴです。

オープニングはイキナリのベースソロ。
イキナリ凄い。スピードだらけのベースソロ!
カ~っ。
来ますね~っ。

例のチョー難しいコード進行に乗ったテーマと、その後の、管とピアノのソロ廻しは割とフツーなんですが、曲の半ばから、2コードの繰り返しのパートになって、そこからの打楽器群のグルーヴはハンパじゃないです。ココらへんは、メレンゲと言うよりは、モザンビーケな感じのリズムになってますが、空気、震えまくり。踊る祝祭空間。空気、走る。空気、飛ぶ。

凄いです。

これは、大音量で掛ければ多分ゴキブリの除去にも効果があるでしょう。
CDで聴いてコレなんですから、生演奏で聴いたら多分ワタシも死にます。

二曲目以降は、今日のトコロは省略!
(ナカナカに聴きドコロ多数なので、いつか書きます。)

ぢゃ。
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