武相荘は、よくってですね。
なにか手放しでいいとか、もうサイコーとかいうのではなくて、
ただ、きょうのこの日に、妻とここで見たものを、留めておきたい。
そうおもって、お土産屋さんでうんうん迷って、
このグラスを買って帰りました。
ふだん使いの静かなうつわで、日々ほんのすこしだけ、
あの場の想いを感じるように。
白洲正子が愛用していたとかですが、
そういうエピソードは置いといて。
ただそのたたずまいに、なにかその場の雰囲気が、
きゅっと凝縮されているような気がしたのです。
これはしかし、なんでもないようでいて、
不思議なくらい、きらきらと光ります。
ぷるぷるの水が、そのまま宙に留まったような。
指に馴染み、安定して、口あたりよく、
飲むものがふだんよりも、澄んだ印象。
いいですよ。