書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』は、自閉症の特性に考慮された実証された方法であれば、様々な支援方法、療育方法と相性が良いと考えます。
ご存じのように『フレームワークを活用した自閉症支援』の中核的な教育・支援のアイデアは「TEACCHの構造化された指導」です。しかし、例えばABAのアプローチ等にも充分に応用できる書籍だと考えています。特性の部分に関しては、他の様々な方法でも土台や軸にしてほしいと願っています。
ただ、最初に『フレームワークを活用した自閉症支援』の基本を学ぶ時に、悪魔のささやきにはできるだけ耳を傾けず勉強してほしいと思います。その悪魔のささやきは。
「色々な勉強することは大切です」というものです。
もちろん、自閉症に関係する色々な内容を学ぶことは大切です。
しかし、基本軸がないまま様々な研修を受けても、実は効果がなかったり、応用的に現場に支援を活かせないことが多いというのが、私の実践場面での実感です。
まず『フレームワークを活用した自閉症支援』をしっかりと学んで軸をつくるか、色々な方法を学びながら『フレームワークを活用した自閉症支援』を学んでいくかでは、前者の方の方が以下の理由で実践で良い成果をあげているように感じます。
1.軸があるので、色々な方法を学んでもブレない
2.色々な方法の中から優先順位をつけて、とくに実証された方法を見極めて利用することができる
自分が関係している職場、コンサル先では、若いスタッフが、色々な研修に行く時には、それなりの覚悟を要求します。様々な研修を受けているのであれば、基礎的な内容をしっかりと身につけていることを自覚しているとこちらは考えるからです。それができてないで、何でも研修すれば力がつくと言うのは錯覚だと私は考えます。だから、様々な研修を受けて、基礎的な内容を身につけてなければ厳しくフィードバックします。
これまで様々な他の研修を受けてこられて方は、『フレームワークを活用した自閉症支援』を学ぶ時には、いったん学んだことを忘れる、どこかに置いて学んでいただくこともおすすめしています。研修で、効果的に学習されている方はそれができています。
『フレームワークを活用した自閉症支援』そのものは、とても広い考え方があり、それを学ぶのにはある一定の継続的な研修が必要になります。それは現場での研修です。自閉症教育・支援の現場で使える最低限の内容を盛り込んでいますので、偏っている内容ではないと考えます。
是非、『フレームワークを活用した自閉症支援』を半年、もしくは1年、前向きに活用していただき、基礎研修をしていただけると嬉しく思います。
最後に繰り返しますが、色々な自閉症関連の方法を知ることは重要なことです。ただ、そのプロセスは丁寧にすべきではないでしょうか。
色々な方法があって良いを強調される支援者が、コロコロと支援を変えていって、困っているのは当事者であり、親さんです。
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