犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

死語

2021-06-18 23:31:11 | 言葉
 今、わが家には娘親子が一緒に住んでいます。ダンナはフィリピン人でコロナ禍で来日ができないので、私たち夫婦が孫をあやすことも多い。

 孫の服を「おべべ」と呼んで、娘に通じなかった話は以前、記事に書きました。(幼児語

 梅雨入りし、蒸し暑い日もあって、孫に汗疹(あせも)対策も必要になります。

 容器に入った粉状のものが置いてありました。

「これ、なあに? ああ、シッカロールか」

「シッカロール? 何それ?」

「えっ? 知らないの」

「なんだ、ベビーパウダーのことね。シッカロールなんて聞いたこともない」


 確かに最近はベビーパウダーと言いますね。私の子どものころは、「汗知らず」とか、「シッカロール」と言っていました。

 辞書を引くと、

シッカロール〔Siccarol=商品名〕⇒ベビーパウダー

となっていました。

 逆に、娘が使う言葉で、私が理解できないものもあります。

 その一つが「スタイ」

スタイ 赤ちゃんのよだれかけ。(三省堂国語辞典第7版2014年)

 この言葉は、同辞典の第4版(1994年)には出ていないので、新しい言葉です。

「コニー」は、だっこひものこと。これは第7版にもありません。商品名のようですが、そのうち普通名詞化するのかもしれません。

 ベビー用品の中では、ベビーカー「乳母車」にとってかわりました。娘は、乳母車という言葉は知っているが、すごく古臭いと感じるらしい。「よだれかけ」「だっこひも」はそんなに古臭いとは思わないとのこと。

 チャイルドシートは法律で設置が義務化されましたが、昔の呼び方はわかりません。子ども用補助シートかな? この言葉は第4版にはなく、第7版にはあります。

 娘によれば、幼児語の中では、「おべべ(服)」「おんも(家の外)」は知らない、「あんよ(足)」「おつむ(頭)」は、知っているが自分は使わないとのことでした。

 私は幼時、祖父(明治27年生まれ)、祖母(明34)、伯母(大12)、父(大15)、母(昭5)に囲まれて過ごしたので、昔の言葉をよく知っているほうかもしれません。

 トイレのことを、祖父母は厠(かわや)、父は便所、母は御不浄(ごふじょう)などと呼んでいました。便所は今も使うと思いますが、厠、御不浄は死語ですね。

 水菓子(みずがし=くだもの)も日常的な用語でした。

娘曰く、「水菓子って、聞いたことあるけど、「水ようかん」とか「ゼリー」みたいなもののことをいうと思ってた」。

 ラジカセ、ポケベルのように、物自体がなくなったために使われない言葉は仕方がないとして、同じものなのに時代によって呼び方が変わり、昔の呼び方が忘れられていくのは、なんとなく寂しい気がします。
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