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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

スペイン便り~食事事情

2009-12-06 23:47:18 | その他諸国便り

 スペインの昼休みは長い。いわゆるシエスタ(午睡)です。

 伝統的には,正午から午後四時まで,長大な昼休みがあり,人々は帰宅して昼食をとり,昼寝をし,(場合によっては夫婦生活を営み),再び勤務に復帰する…。あまりにも特異な習慣なので,周辺諸国からの非難が高まり,近年ではその習慣を見直す企業も増えているとのこと。

 わが社の場合,昼休みは午後2時から4時のうち,1時間を交代でとる。時間は短いですが,時刻は遅い。

 ホテルは朝食がつきです。一階の小さなレストランでとるのですが,これが貧しい。コーヒーとパン(トースト,クロワッサン,デニッシュのうち一つを選択)のみ。

(そうか,コンチネンタル・ブレックファストだった…)

 これで午後2時までは,お腹がもちません。初日の昼は午後1時を過ぎた頃からお腹が鳴り始めました。それで,次の日からはホテルの朝食を終えたあと,3人で付近の散歩を兼ねて,カフェでもう一食とることを日課にしていました。

 私は生ハムやサーモンのはさまったサンドイッチ。日系ペルー人が選んだのは,チュロスです。チュロスは,棒状の揚げパンで,ディズニーランドなんかで売られているものは,周りに砂糖がついていますが,スペインのカフェで出るものは,砂糖なし。カフェ・コン・レチェ(カフェオレ)などに浸して食べます。

「ああ,なつかしい…」

 彼は,中学2年生のときに日本に移民に来て以来,祖国ペルーに帰っていない。スペインに来るのも初めてです。

「よく,子どものときに食べたんですよ」

と言いつつ随喜の涙を流していました。私も少しちぎって食べさせてもらいましたが,味がなくて,脂っぽいだけで,あんまり旨いもんじゃありませんね。

 朝食の貧しさと対照的に昼食の量は膨大です。

 私たちは出張中,二軒のレストランにかわりばんこに行きましたが,どちらもサブとメインの料理を選ぶシステム。

初 日:豆煮込み/ステーキ&フライドポテト
二日目:マッシュルーム炒め/白身魚(カマス?)のムニエル&フライドポテト
三日目:グリーンサラダ/パエリア

 サブとメインのそれぞれが,日本なら優に一食を構成する量です。グリーンサラダなど,よく居酒屋で出る3~4人でちょうどいいぐらいの大皿がドーンと出て,これが一人分というから驚きます。

 さらに,デザートとして,プディング/ケーキ/フルーツ/コーヒーの中から一つ選ぶ。フルーツはリンゴやオレンジが丸ごと出て,自分で皮を剥いて食べます。ケーキ,プディング,フルーツとコーヒーが並列でデザートとされているのがちょっと不思議。私はたいていコーヒーを選びました。

 これで10ユーロ(約1500円)。昼食としては高いですが,量と比較すれば割安です。

 午後2時~3時にこれだけの量を食べると,夜はお腹が空かない。レストランがだいたい夜9時にオープンするのもうなずけます。

 私たちは,夜はたいていバール(BAR)でビールと簡単なタパスで済ませていました。タパスとは,バールで出される簡単なおつまみで,パンの上にさまざまな食材が載っている場合が多い。ビールを頼むと無料で一つ出てきて,足りなければ別のタパスを注文する。店ごとに特色のあるタパスが出るので,バールをハシゴするのが楽しい。

 そのうちの一つにモルスィージャというものがありました。これが韓国のスンデそっくりなのです。要するに血のソーセージですが,サラミソーセージのように固くなく,中にお米がまぜてあり,食感といい味といい,スンデを思わせます。

 私たちは,できるだけ庶民的で,混んでいて,雰囲気のいい店を選んで入りました。テーブルにつく場合もあれば,スタンドの場合もある。2~3軒のバールを回るとお腹も気持ちも満足できます。

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