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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

喫煙者弾圧

2010-10-10 23:58:37 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 10月1日より,タバコ価格が大幅値上げされました。私が吸っているキャスター5ミリは290円から410円に。

 以前より行っている喫煙者隔離政策に続いて,経済的な迫害を加えようというわけです。

 最近,喫煙者に対する人権弾圧はひどくなる一方です。

 何年前でしょうか,タスポという喫煙者実名制が施行されましたが,これは近い将来,喫煙者の個人名,居住地を特定し,個人的な迫害を加える伏線であることは間違いないため,慎重な喫煙者はタスポ購入を控えています。

 経済的弾圧に対しても,私はさいわい海外出張機会が多いため,廉価免税タバコを自宅倉庫に大量に備蓄していますので,いまのところ実害はありません。

 筒井康隆に『最後の喫煙者』という近未来小説があります。といってもこれが書かれたのは20年前。執筆当時,何年後のことを想定して書いたのかはわかりません。

 小説の中では「禁煙運動が始まったのはわずか15,6年前。弾圧が目立ち始めたのは6,7年前」とあります。

 1990年といえば,禁煙運動が始まりつつあった頃。ですから,想定されているのは2005年ごろの日本でしょうか。そこに描写されている喫煙者迫害の実態は…

 しばらく前から喫煙者が昇進不能になっている。

 編集者の名刺に「わたしはタバコの煙を好みません」と印刷する者が現れる。

 タバコのテレビCM,新聞雑誌広告が禁止になる。

 公園に喫煙者立ち入るべからず」という看板が立てられる。

 外国タバコが輸入禁止になる。

 喫煙車の運賃が2割増しになる。

 「ひかり号」に残された唯一の喫煙車両のシートはぼろぼろ,窓ガラスは煤だらけ,床はごみだらけ,灰皿には吸殻があふれ,ドアには「他の車両への通行を禁じる」と書いた紙が貼られている。

 煙草屋が町内で村八分にされ,次々に廃業する。

 欧米諸国では全面禁止法が次々と成立する。

 「喫煙を許すのは日本の恥」という論調が生まれ,喫煙者は扱い,町中で喫煙して袋叩きにあう者が続出。

 町内一の喫煙者が商店街の主婦17~8人と警官2名により,路上で惨殺される事件が発生。

 東京地方に震度5の地震があり,住宅地が火災が発生。すると喫煙者どもが暴動を起こしたというデマがとび,都々逸が歌えぬ者はすべて喫煙者と見なされ(?)処刑された。

 日本たばこ会社が焼き討ちされ倒産

 嫌煙権団(KEK)と称する連中が町中を徘徊,煙草屋を放火して回る。

 ジャーナリズムは「まだ煙草を吸い続けている有名人」という特集をしばしば繰り返す。

 喫煙文化人は石を投げられ,窓ガラスが割られ,塀や生垣のあちこちで不審火があがり,塀は各色スプレーで落書きされる。曰く「喫煙者の家」「ニコ中は死ね」「この家の者日本人に非ず」

 人権委員会に相談しても無視される。

 喫煙者たちは身の危険を感じ,隠れ家へひきこもる。のちの世の教科書に「彼ラハ死ンデモ口カラ煙草ヲハナシマセンデシタ」と謳われるような立派な死に方をすることを誓って…

 さいわい,2010年10月現在,事態はここまで深刻化していません。しかし,この小説に書かれたような恐怖の社会の到来も,そんなに遠いことではないでしょう。

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2 コメント

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多数派の (犬鍋)
2010-10-12 23:56:04
常識的かつ健全なご意見,ありがとうございました。
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Unknown (あぁ)
2010-10-12 03:15:33
副流煙(技術的に)とか、灰の片付け・ポイ捨て(個人的にモラルとして)とかがなくなって、喫煙者が喫煙者用の特別な健康保険(税金を使わないやつがあればね)に入れば、喫煙も個人の自由としていいんじゃないかなと思いますけどね。普通の自殺と同じようなものです。ただ他人には迷惑を掛けて欲しくないですね。本当にはた迷惑此の上無いですが、喫煙者は気付いてないんでしょうねえ。バカだねぇ。
比較的行儀のいい喫煙者達は、喫煙する前に、私の前で了解をとろうとするんですが、ダメにきまっとろうが、アホ!
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