犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国のタコ

2010-10-28 23:05:32 | 韓国雑学
 秋夕のころ,韓国のナクチ(タコ)がカドミウムで汚染されているという報道があったことを書きました。(→リンク

 その後,ソウル市の発表は誤報であり,検体に中国産が混じっていたからで,韓国のタコは基準値以下だった,という「安全宣言」が出されました。

 しかし誤報の影響は大きかった。私がナクチ(タコ炒め)屋さんに行ったときは,まだ誤報の指摘がなかったこともあり,店は閑散としていましたが,安全宣言が出されたあとも客足は回復しなかったようです。

 先日,タコ産地の漁民がソウル市庁前で抗議のデモ行進をしたとのニュースが流れていました(→リンク)。

 漁民だけでなく,ナクチ屋さんの打撃も甚大だったことが想像されます。タコ炒めは「武橋(ムギョ)ナクチ」が有名で,ソウル市庁のすぐ近く,武橋洞にたくさんの「ナクチ専門」の店があります。

 韓国は,「○○専門」とか書いて,その実なんでも売ってる店が多いのですが,ナクチ屋さんの場合は文字通り「専門店」,ナクチ一本で勝負しているところが多いので,別のメニューで客を呼ぶわけにはいかない。廃業に追い込まれたところもあるのではないでしょうか。

 日本でも,かつてテレビ朝日による「ダイオキシン汚染野菜」の誤報で,埼玉の野菜が暴落したことがありました。

 韓国はこれに類するものが多いような気がします。おぼろげな記憶で,チャジャンミョンに「機械油」が使われているとか,プデチゲ(部隊鍋)に残飯が使われているとか…。

 こういうテレビ番組の誤報以外にも,狂牛病や口蹄疫,豚コレラなどにもマスコミ・国民は過剰反応し,全国の食堂が大打撃を受ける。狂牛病騒ぎのときは,私の知り合いのアガシが開店したばかりの焼き肉屋がつぶれました。

 これは,何年かに一度,天災のようにやってくる。今回,運悪くナクチ屋さんに順番が回ってきたということでしょうか。

 ナクチは超弩級の辛さなので,頻繁に食べるものではありませんが,たまにあの過激な辛さがなつかしくなり,足を向けることもあります。末永くやっていてほしいお店です。

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