ミャンマーでは、長距離の移動は鉄道。市内に地下鉄はなく、バスが庶民の足になっている。
タクシーはメーターがなく、行き先を告げて事前に料金を決めるとのこと。外国人にとっては使いにくそうです。
オートバイはヤンゴンでは禁止。危険だからという理由だそうですが、マンダレーなど地方都市ではOKなんだとか。
「職場には何で通っていたんですか」
国に戻れば国家公務員というミャンマー語の先生に聞きました。
「バスですね。でも渋滞がひどいから時間がかかります」
「じゃタクシーも同じですね」
「ええ。でもバスのほうがひどいです」
「どうして?」
「運転手がなかなか出発しないんですよ」
「?」
先生の話によれば、バスの運転手の収入は乗せた客の人数による。運転手はバス会社から一日当たりいくらというふうにバスを借りる。そして、自分が売り上げた金額の中から、賃借料とガソリン代、それに車掌さんの人件費を負担する。
したがって、前のバスとの運転間隔があいていなかったりして、乗客が少ないと、停留所に長時間停車して、客がたまるのを待つんだとか。
「お客さん、怒りませんか」
「もちろん怒りますよ。『早く出せ』とかどなりますけど、運転手は無視しますから、あきらめてます」
「韓国とは大違いだなあ」
韓国では、といっても10年以上前の話ですが、バス、タクシー、自家用車の中でもっともバスの運転が荒かったです。カーチェイスのようにバス同士で追い越しをかけたりする。
それには理由がありました。
韓国のバスは、バス会社に雇用されていて、ある路線を一日何往復するかが決まっている。早く往復回数をこなせばそれだけ早く家に帰れるし、時間当たりの収入もよくなる。だから、できるだけスピードをあげるし、追い越しをかけたりもする。
あるバスの車内に
「わが社のバスは停留所を飛ばしません」
という掲示がありました。
最初は何のことか意味がわからなかったのですが、そういえばバスを待っていて、自分が乗ろうとするバスが停留所に止まらないで通りすぎることがたまにありました。
運転手は、何人乗せても自分の収入に関係ないので、お客を乗せたくないし、できれば停留所にも止まりたくない。乗客の中に、降りる人がいれば、仕方なく停留所に止まる。そんな運転手が多かったんですね。
停留所の客のほうも、飛ばされてはたまらないので、自分が乗るぞということをバスに向かってアピールしたものでした。
でも、90年代後半あたりからはそのようなことも少なくなりましたから、「一日何往復」というシステムが途中で変更になったのかもしれません。
日本に帰ってきて、久しぶりに日本のバスに乗ったとき、そこにある時刻表の通りにバスが来るのに感動したことがあります。
かつての韓国や今のミャンマーでは、バスの時刻表というのはないか、あっても意味がないでしょう。
最新の画像[もっと見る]
-
エスニック料理食べ歩きの会② 1日前
-
送出機関と監理団体の悪習 3日前
-
ベトナム人技能実習生の借金 5日前
-
ベトナム人技能実習生の借金 5日前
-
ベトナム人技能実習生の借金 5日前
-
ベトナム人技能実習生の借金 5日前
-
ベトナム人技能実習生の借金 5日前
-
技能実習生、フィリピンの場合 1週間前
-
技能実習生、インドネシアの場合 1週間前
-
伊万里市強盗殺人事件③ 1週間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます