犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国次期大統領候補、安哲秀

2022-02-25 23:50:15 | 韓国雑学
写真:韓国大統領候補。左から、李在明、尹錫悦、安哲秀

 私が安哲秀(アン・チョルス)の名前を知ったのは、このブログの過去記事(リンク)によれば、2011年のようです。

 安氏は2012年の大統領候補として期待されていたのですが、その経歴が異色でした。

 ソウル大学医学部出身の医師で、病院勤務中に自分のPCが「ウイルス」に感染し、それをきっかけにアンチ・ウイルスソフトを開発、「ワクチン」という名前をつけて商品化し、大成功しました。医師をやめて「アンラボ」というソフトの会社を創業、韓国で圧倒的なシェアを獲得しました。

 私も、韓国に駐在していたとき、一時、「V3ワクチン」というアンラボのアンチウイルスソフトを使っていました。そのときはソフトの開発者に注目してはいませんでしたが、帰国後、大統領候補として名前が挙がり、その経歴を見て、「ああ、あのソフトの…」と思い至ったわけです。

 私よりも1つ年下で、最初の大統領選ではまだ40代。知性派の若い政治家として注目を集めました。

 2012年の大統領選挙に出馬を表明。

 しかし、別の野党の文在寅(ムン・ジェイン、現大統領)との候補一本化に失敗して出馬を辞退。文在寅は与党の朴槿恵(パク・クネ)に僅差で敗れました。

 安哲秀はその後、2013年に国会議員補選に出馬して当選。「ろうそく革命」で朴槿恵が弾劾・罷免された後、2017年の大統領選挙に出馬しました。しかし、文在寅、洪準杓(ホン・ジュンピョ)の後塵を拝して落選。

 今回の大統領選挙が3度目の挑戦です。

 事前の世論調査では、与党候補の李在明(イ・ジェミョン)や野党候補の尹錫悦(ユン・ソンニョル)に続く3番人気ですが、差は大きい。

 しかし、野党一本化が実現すれば、安哲秀対李在明になっても善戦できるとの世論調査結果から、安哲秀は尹錫悦に対して、「一本化」を提案。まあ、一本化といっても、相手側の譲歩を求めるものですから、話が折り合うはずもなく、2月20日には早々と一本化交渉を断念したと伝えられています。

 反日の李在明や政治経験に乏しい尹錫悦に比べ、何よりも理知的で論理的な話ができそうだし、政治経験もそれなりに積んできているので、日本にとっては望ましい候補に見えます。

 まあ、判断するのは韓国民なので、見守るしかありませんが。

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