北米56都市を周ってきた今回の“State of the World Tour”の終着地として東京を選んでくれたのは本当に幸運なことである。ジャネットのライブは、2000年頃、”All for You Tour”をアメリカのサンノゼ駐在時代に現地で観ることが出来たが、それ以来まさに19年ぶりの参戦となったので、開始前から大興奮であった。
中に入ると、座席は2階席ながら、南側でちょうどステージの真正面でとても見やすい席であった。ドームと違って、武道館はサイズ的にもコンパクトでとても見やすく、ステージもかなり近いと感じる。
まず、オープニングから戦争や黒人差別・人種差別への怒りと抗議メッセージを込めた映像が流れる。その後突然雰囲気が変わり、前作のアルバム『Unbreakable』からの曲、『Burn it Up!』で一気にノリノリの状態に。ここからが圧巻で、往年のヒット曲をメドレー形式で次々と歌って踊る。殆どのブレイクも無く、ノンストップでまさにぶっ通しで歌って、キレキレにバックダンサーたちを従えて踊りまくる。ジャネットも既に52歳。しかし、この歳でここまでガンガン踊って歌えるのも凄い！
セットリストは下記の通り。珍しくアンコールが無いライブであったが、基本的にはメドレー形式の中でメジャーなヒット曲は殆ど歌ってくれたのでは無いだろうか？サービス精神に溢れた、贅沢なライブとなった。
1.The Skin Game (Part 1)
2.The Knowledge
3.BURNITUP!
4.Nasty / Feedback / Miss You Much /
Alright / You Want This
5.Control / What Have You Done for Me Lately /
The Pleasure Principle
6.Love Will Never Do (Without You)
7.When I Think of You / All For You
8.All Nite (Don’t Stop)
9.When We Oooo
10.Doesn’t Really Matter
11.I Get Lonely
12.Any Time, Any Place
13.What’s It Gonna Be?!
14.No Sleeep
15.Got ‘til It’s Gone
16.That’s the Way Love Goes
17.So Much Betta
18.Throb
19.Together Again
20.What About
21.You Ain’t Right
22.If
23.Scream
24.Rhythm Nation
25.Made For Now
僕はジャネットのバラードやスローテンポの曲が結構好きなので、”Any Time, Any Place”などもとても良かったし、ポジティブでアップテンポなメロディーが美しい”Together Again”では、昨年亡くなった父、ジョー・ジャクソンの写真がバックに登場し、トリビュートとなっている演出も素敵であった。 また、ライブの中で個人的に一番感動したのは、終盤の”Scream”。1995年にリリースされた兄マイケルとのデュエット曲だが、二人が登場するあの未来的なPVをバックに、ジャネットが生歌で被せる形でのパフォーマンス！PVでの登場とは言え、あのマイケルとジャネットの競演にこのような形で立ち会えたのは、本当に感無量であった。
あの全盛期の大ヒット曲で、安室奈美恵も影響を受けたという”Rhythm Nation”は、ダンサーを大勢従えた往年のダンスパフォーマンスは圧巻！最後の曲は、昨年リリースされた最新シングルの”Made for Now”でライブは締めくくられた。
過去Van HalenやDuran Duranのライブでも思ったが、もしかすると、今後ジャネットを生で観る機会もそう多く無いかもしれない。そう思うと、この場に立ち会い、大げさに言えば同じ空間にいることが出来たのはとてもかけがえのない、貴重な経験となったのかもしれない。
