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梅雨が愛おしくなる『言の葉の庭』

数週間前、何かの雑誌の特集でアニメ映画、
『言の葉の庭』が紹介されていたのを読み、
そのあらすじに惹かれ、
公開したら見に行こうと決めていた。



この映画はこれまでにも美しい
アニメ映像作品を世に送り出している
新海誠監督の最新作で、
大人向けのアニメ作品。

そして、ついに5/31(金)から
上映が開始されたので、早速6/1(土)に
TOHOシネマズ川崎に見に行った。
上映時間は46分と言う短い作品だが、
見終わった後、何とも程良くも切ない余韻が残る、
とても美しい作品であった。

梅雨のある日、公園で偶然に出会った
高校生のタカオと、美しいが
どこか淋しさを抱える年上女性の
雪野百佳里(ユカリ)が織り成す淡い恋物語。
タカオは靴職人を目指しており、
雨の日の朝は学校をさぼり、
公園で靴のスケッチをする。一方雪野は、
缶ビールとチョコレートを持って
公園にいる女性で、どう見ても
何かワケがありそうな状況である。



タカオは爽やかな高校生。
そして雪野はとても美しく、魅力的な女性。
タカオとの対比として、雪野が時折見せる
仕草で大人を感じさせる。キャラクター設定が
実に魅力的且つリアルに描かれている点も
この映画の大きな見所だ。



『靴』が一つのキーアイテムになっているが、
人生を上手く歩けなくなった二人が出会う物語であり、
靴が象徴的に使われている設定も秀逸。



物語の魅力もさることながら、
兎に角、映像があまりにも美しい!
CGではないアニメとしては最高のクオリティで、
ついにアニメもここまで表現出来るようになったかと、
ひたすら感心してしまう。

雨の新宿、そして新宿御苑の日本庭園が舞台だが、
登場人物の心情にあわせて様々な
種類の雨を描きわけるなど、
新海監督が得意とする緻密且つ
繊細な描写が大きな見どころ。



エンドロールで新宿の街並みが
バックに描かれるが、朝から夜への移り変わり、
そして秋から冬移り変わりが
何とも美しく描写されているのが見事である。

主題歌は大江千里の『Rain』を秦基博がカバー。
映画にもマッチした、余韻が残る美しい曲になっており、
エンディングを盛り上げる。

この映画は上映時間が短いこともあるが、
特別料金の1000円。しかし、何と驚いたのは、
映画を見た人向け限定に
シネコンのショップでこの映画のDVDが
早くも購入出来ると言う設定。
映画が気に入ればすぐその場で売り込んだ方が
効果絶大であり、またシネコンで見た人だけが
買えるという特別感が実に効果的。
僕もこの映画が気に入ったので
まんまとDVDを購入してしまったが、
なかなか面白い企画だ。

決して派手では無いが、静かな感動、
そして本来は鬱陶しい梅雨のこの時期や、
雨の降る日がとても愛おしく感じられる、
そんな新鮮な気付きを与えてくれる
素敵な映画であった。
今後も新海誠監督の作品を楽しみにしたい。
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