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余韻が心地良い、映画『阪急電車 -片道15分の奇跡-』

月曜日から約1ヶ月ぶりの米国出張に出鰍ッているが、
JAL機内で映画『阪急電車 – 片道15分の奇跡-』を鑑賞した。
この映画は前から見たいと思っていた1本だったが、
ちょうど映画館で見そびれていた。



西宮北口から宝塚まで15分で走る、阪急今津線が舞台。
実際に今津線でロケを敢行しているので、
地元民にはお馴染みの景色が登場しているが、
関西でも人気のこの沿線を舞台にしていることで、
地元の大阪、神戸市民は特に楽しみにしていた映画だ。



映画『阪急電車』は、片道15分の短い今津線を日々利用する、
境遇や年齢、性別の異なる登場人物たちが
社会の中での色々な悩みや人間関係のしがらみを抱えながら
日々生活している姿を描いている。
毎日同じ電車に乗って、行動範囲が似てでも
普通決して交わるようなことは無いものだが、
「ひょっとして、こんなことあるかも」と思えるような
偶然の出会いが交錯し、それぞれの人生に影響を
及ぼしていくところにこの映画の面白さはある。
決して派手な展開は無いが、
最後、未来への明るい希望に満ちた展開で終わり、
キャッチコピーである”終着駅はきっと笑顔”の通り、
とても爽やかで後味の良い映画であった。



また、物語は、今津線の往路と復路が描かれる構成だが、
往路はみながそれぞれ抱える問題にスャbトを当て、
そして復路はその解決が描かれている。
この対照的な描写により、
なかなか巧みなストーリー構成になっている。

主演陣もなかなか豪華で魅力的。
主役級の一人には中谷美紀。
ドラマ『仁』での好演も記憶に新しいが、
今回は婚約者が会社の後輩を妊娠させてしまい、
その結果婚約破棄となる不幸な女性を演じている。



元婚約者の結婚式に純白のドレスで登場し、復讐を試みるが、
阪急電車内で偶然巡り合った、宮本信子演じるご老人との会話で心の傷が
癒され、そして新たな出発を果たすが、
宮本信子の味のある演技が光っていた。



そしてもう一人の主役級とも言えるのが、戸田恵梨香。
彼氏との同棲を始めたものの、彼が暴力を振るうようになり、
別れを決意するが、ここでも中谷美紀同様に
自立と成長を目指す女性像を好演している。



他にも玉山鉄二、勝地亮、芦田愛菜ちゃん、相武紗季、南果歩、
谷村美月など共演陣もなかなか良い俳優が揃った。

ご当地ムービーとしても楽しめるが、たまたま阪急電車という題材を
使っているだけであって、その本質はどこにでも存在する物語。
人々が日々繰り返す日常生活の中に存在する人間模様に焦点を当てて
描くことにより、どこか自分のことにも照らし合わしながら
見てしまう、そんな私的感覚のある映画であった。

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