松田聖子、続40周年記念アルバムをリリース！

昨年歌手生活40周年を迎えた松田聖子。その記念イヤーに、新曲5曲、名曲のリメイク5曲をまるでA面、B面のように収録した企画アルバム『Seiko Matsuda 2020』をリリースして以前ブログでも取り上げたが、今年は続40周年記念として、第二弾企画アルバム、『Seiko Matsuda 2021』をリリースした。コロナ禍ではあるが、昨年の記念モードを今年も継続し、精力的に活動している。



まず今回のアルバムで話題となっているのは、40年ぶりに髪型を“聖子ちゃんカット”にしたことだ。それがこちら。



アルバムに収録されている名曲『青い珊瑚礁』のリメイク版MVでもその聖子ちゃんカットを披露している。80年代当時、聖子ちゃんカットが大流行して、みんな聖子ちゃんカットにしていたのが懐かしい。不思議と聖子ちゃんカットにするだけで、みんな女の子が可愛く見えたものだ。そして当時の、本家の聖子ちゃんカットがこちら。懐かしいし、やっぱり本家は可愛らしさが一味違う。




今年59歳になった松田聖子。今でも年齢の割には若々しいし、おばさんとしてはかなり可愛い。しかし、さすがに19歳当時の聖子ちゃんカットに比べると、若干イタイ感じは否めないが、でもそのチャレンジ精神には敬意を表したい。

『Seiko Matsuda 2021』は下記10曲を収録。今回も名曲のリメイク5曲、新曲5曲という、前回と同じ構成。

1) 青い珊瑚礁
2) 時間の国のアリス
3) 瞳はダイヤモンド
4) チェリーブラッサム
5) 時間旅行
6) Rendezvous
7) My Shining Days
8) You’re The One!!
9) あの日の夜の冷たい雨
10)私の愛



リメイク5曲は、とても良い選曲だ。『青い珊瑚礁』はやっぱり松田聖子の代表曲として外せないし、僕が一番好きな名曲『瞳はダイヤモンド』が今回ついにリメイクされたのは感動的である。そして『時間の国のアリス』も大好きな曲で、『チェリーブラッサム』は僕が初めて買った松田聖子のEPレコードだったので、とても思い出深い。『時間旅行』もライブで人気の高い曲で、松田聖子本人も好きな曲らしい。



今回、この5曲を聴いてみた感想だが、やはり今回確信してしまったことがある。松田聖子は高音がもはやあまり出せないのだと。若い頃は高音でも伸びのある歌声を聴かせていたが、例えば、『青い珊瑚礁』で言えば、“風に乗って走るわ～“という部分の高音が出にくいので、敢えて高音を裏声で歌っている。これはこれで、大人っぽいアレンジとして歌唱法を変えたという割切りで捉えれば悪くないが、やはり若い頃のような張りのある高音は難しいのかもしれない。低音や普通の音域では、昔と変わらない歌声を聴かせてくれるので、それだけにやはり裏声での高音は残念だ。



また『瞳はダイヤモンド』も今回のリメイクは少し残念だった。サビのところで、変に歌を“溜めて”しまうのだ。ライブでもこれを多投していたが、本当は昔と同じように歌って欲しいものだ。しかし、この“溜め”も、恐らく高音が出せないことに対する対策の一つなのかもしれない。やはり、『瞳はダイヤモンド』は80年代当時のオリジナルが最高であり、もはやオリジナルを超えるのは無理であろう。



リメイクで良かったのが、『時間の国のアリス』と『チェリーブラッサム』の2曲。共に曲のアレンジもオリジナルにかなり忠実で、そもそも曲自体にあまり高音域が無いので、今歌っても裏声にする必要が無いのだろう。オリジナルにかなり近い形で再現されているのは良かった。



『時間旅行』は大人っぽいアレンジで再現されているが、これも曲の性質からして良いリメイクとなっており、『青い珊瑚礁』や『瞳はダイヤモンド』のような“イタさ“は感じさせないのが救いだ。しかし、サビの高音はかなりギリギリに裏声を免れている感じだ。



新曲はどれもまずまず。中でも『私の愛』は、あの財津和夫が作詞・作曲を手鰍ｯたという力の入れよう。前作の『Seiko Matsuda 2020』にも、松田聖子作詞、財津和夫作曲の『風に向かう一輪の花』が収録されて話題となったが、今回は作詞・作曲両方を財津和夫が手鰍ｯた。



昨年の『Seiko Matsuda 2020』と、今年の『Seiko Matsuda 2021』を１枚に纏め、リメイクだけ10曲を続けて聴いて、新曲10曲は全く新しいアルバムとして通しで聴いてみるのも、また新しい楽しみ方かもしれない。今後もリメイクを果敢にチャレンジするのは良いが、やはり高音が厳しくない曲をなるべく選んで行けば良いと思うし、出来ればリメイクでは無く、高音域が裏声になっても違和感を感じないという意味では、“新曲”で今後も松田聖子を楽しみたいと思う。