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懐かしのバブル映画、『彼女が水着にきがえたら』!

バブル絶頂の80年代後半、一世を風靡したヒット映画シリーズがあった。それは1987年に公開され、その後空前のスキーブームを巻き起こした名作、『私をスキーに連れてって』で始まった、“ホイチョイ3部作”である。『私をスキー~』は今でも僕の大好きな映画なので、時々引っ張り出してはDVDを観ているし、以前ブログでも取り上げた。しかし、その他の2作品は当時観た筈なのだが、細かいところの記憶が薄れてしまっていたので、久しぶりにむしょうに観たくなり、先日DVDを購入した。これでホイチョイ3部作揃い踏みである。



今回、まずはホイチョイプロダクションの第二弾、『彼女が水着にきがえたら』を取り上げてみたい。まさに夏真っ盛りの今、観賞するのに最適な映画である。



『彼女が水着にきがえたら』は、『私をスキー~』の大ヒットを受けて、2年後の1989年に公開された映画だ。ウィンタースメ[ツをテーマにした前作とは代わって、マリンスメ[ツをテーマにし、湘南と東京湾内を中心にロケが行われた。キャストは前作に続き、ヒロインには原田知世。当時は彼女の人気絶頂期であったと言えるが、この映画ではソバージュが時代を感じさせる(笑)。そして共演は今回から織田裕二を起用。織田裕二も当時ちょうど売り出し中で人気が出始めていた頃であり、この2年後に、あの名作ドラマ『東京ラブストーリー』で人気絶頂となるが、この頃はまだ少し初々しさを残している。




物語はバブル期だけあって結構ぶっ飛んでいる。三戸浜沖でスキューバダイビングを楽しむ22歳のOLを演じる原田知世が、友人の伊藤かずえと海に潜った際、海底に沈んだ飛行機を発見する。それはなんと朝鮮戦争時、韓国人富豪の宝石を積んで墜落したドラゴンレディーという飛行機だった。このお宝を探す青年を演じる織田裕二と知り合った原田知世はたちまちお互い惹かれ合うが、二人ともなかなか素直になれない。やがてドラゴンレディーは引き上げられるが、宝石は見つからなかった。しかし、中国人マフィアが二人に襲いかかり、ボートで逃げ回るが、宝の在処にはまだ秘密があった・・・・。



バブルを色濃く反映した展開は、今観返すと何とも面白いし、懐かしい。平日は商社や広告代理店で働き、週末は仲間が経営する海のレストランやダイビング教室を手伝うという、何ともバブリーな若者のライフスタイルを描いているが、当時はまさにこんな生活が理想的でもあった。豪華なクルーザーに女の子を呼んでパーティーに出たり、その女の子を水上バイクで乗り込んで救出したり、派手な海での水上バイクやボートチェイスが繰り広げられたり、ヘリコプターから救出したりと、まさにやりたい放題な映画である(笑)。



『私をスキー~』でもプロダクトプレイスメント(多くのブランドや製品などが劇中に登場し、言わば広告となっていること)の手法がふんだんに使われており、今回も多くの商品が登場する。水中スクーターやカワサキ製の水上バイク、トヨタハイラックスサーフ、前作に続き、トヨタセリカ(コンバーチブル)、サーブ900などの当時最新メカが満載。織田裕二も当時人気のあったヘリー・ハンセンのウィンブレの襟を立ててカッコ良く着こなしているが、何とも懐かしいファッションだ。

主演の織田裕二と原田知世の恋模様も楽しく描かれており、織田裕二も晩熟でシャイな男性を演じているが、当時まずまず体格も良く、浅黒くてカッコいい彼のイメージはバブルにピッタリであった。原田知世も『私スキ』の続編かのようなキュートな魅了をふりまいており、まさに当時の男性はみんな原田知世に恋をしていたと言っても過言ではない。ラストシーンの海中でのキスはとても印象深いシーンとなっており、その後ダイビングでこれをカップルが真似したものである。



二人を取り巻く仲間たちにはまだ比較的若い頃の谷啓と伊武雅刀が出ているのは今見るとかなり異色で面白い(特に伊武雅刀は、僕の家の近くに住んでいて、時々家の近くで見かけることもあってかなり勝手に親近感を持っている)。他にも、あのVシネマの駐燉ヘも出ているが、まだかなり若くて爽やかだし、田中美佐子も大活躍するが、彼女もまだかなり若い。



音楽はサザン。『私スキ』ではユーミンの曲が印象的なシーンで見事にハマって大ヒットしたが、今回は海をテーマにしていることもあり、かなりサザンの曲を多投している。登場する曲は、『さよならベイビー』、『ミス・ブランニューデイ』、『思い過ごしも恋のうち』、『みんなのうた』、『C調言葉にご用心』、桑田佳祐の『いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)』等。正直、『私スキ』でのユーミンほどのインパクトには欠けてしまったように思うが、それでも当時のサザンのヒット曲を楽しみながら映画を観ることが出来るという意味では悪くない。



今改めて『彼女が水着に~』を観返すと、何とも凄いバブル期のパワーを感じるし、ある意味日本にも凄い活気があったことを思い出させてくれる。この未曽有の好景気に盛り上がっていた当時を懐かしく振り返るとことで、何か今の時代に欠けているエネルギーを注入して貰えるような気がするから不思議だ。バブル世代の人はぜひ観返してほしいし、当時をリアルタイムで知らない人にも、きっと新鮮でエキサイティングに感じると思うので、ぜひ観てみて欲しい。

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