教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ニコニコの病人自慢

2010-04-06 00:02:02 | オタネタ全般
ニコニコ動画でのみ用いられるネットスラングとして「病気」「病人」という言葉がある。
「作者は病気シリーズ」「期待の病人」「公式が病気」とかいう具合に用いられる。

意味はだいたい次のような感じだ。



> 最早病気と言ってよいLvのブッ飛んだ感性を持つ者のこと。
> 即ち、常人とは大きく異なる感性をフルに発揮し、有り余る技術を存分に無駄遣いし、
> 無駄に良くできた動画を作成して皆を楽しませるものの称号であり、
> 才能の有効活用の一例である。

http://dic.nicovideo.jp/a/%E7%97%85%E4%BA%BA



ようするにほめ言葉である。
常人では誰もそこへ到達することのできなかった新たな世界の切り口を提案してくれた者への賛辞である。

常人では理解できないものが世間では受け入れられることは決してない。
しかし、ニコニコはそうではない。
こと独創的な感性に対する評価は高い。

これは何を意味するのか?

1つ思うところがある。

世間では、諸外国の人たちと比べると日本人は没個性だとかいう話をよく聞く。
しかし、ニコニコを見る限りにおいてそうに見えるフシはない。

実のところ、日本人は諸外国の人たち並みには個性豊かなのではなかろうか。
しかしながら、その個性豊かではあるものの、独創的すぎる感性を評価するだけの度量が備わっていないのではないだろうか。
だからこそ、大衆レベルで誰でも知っているようなモノは没個性なモノばかりになってしまうのではないだろうか。



ニコニコに目をつけた者たちはその現状に対して反旗を翻した。
マスメディアが提供する没個性なモノに食傷気味な美食家どもが大挙して集まった。
そして投稿者側も、その美食家どもをして唸らせるだけの、ありったけの感性を披露したものを投稿しようと腕をふるった。
それが現状のニコニコであり、それが病人と呼ばれる者たちである。

かつてニコニコは、単にTV放送した30分アニメをまるごとあげるだけのような、あまり誰かの手作り作品を楽しむのを主体とするような所ではなかった。
それが今はどうだ!
甚だしく著作権を侵害するコピーものが一掃されたにもかかわらず、悪くない人気を博しているではないか!

それにひきかえ、かつて
「日本人は没個性だ」
などと非難するご高説をたれておきながら、しかし自分たちも没個性な作品しか放送してこなかった地上波TV放送局。
こちらは今や凋落著しい衰退産業になっているではないか。



実のところ、わたし自身もニコニコのしがない投稿者の1人である。
そして動画のコメントで
「このPは重症だw」
などとつくとちょっぴり嬉しい。
ニコニコでは病気と呼ばれることはステータスだからであり、そして自分の感性が独創的でなおかつ他人の賞賛を得られたということでもあるからだ。

これからの日本はニコ厨が少なからず日本を背負って立つ時代がくるかもしれない。
単に日がな一日をTVを眺めて過ごすだけの子供より、自分で何か作ってそれをニコニコに投稿するようなアクティブに活動する子供のほうが、どう少なく見積もっても何倍も優秀な人材が育ちそうではなかろうか。
わたしはそう思う。