秘密の花園

帰りがけに切ってもらった薔薇を
車に残したままスーパーに寄った。

わずかな時間のことなのに
戻ったとき
車の中は薔薇の香りでいっぱいだった。



誰もいないのに
ちゃんと香っている花、というのは
とってもいじらしいものだ。
自分が手間隙かけて育てた花なら、なおさらだろう。

ワタシが聞けば、重労働にしか思えない薔薇を育てる作業も
好きだから楽しい
そう言い切れる「趣味」があるっていいもんだなーと思う。

この薔薇は　秘密の花園　に咲いていた。

彼女の花園も畑も、どこか現実ばなれして感じられるのは
なぜなんだろう。
いついっても不思議な空間だ。

薔薇はきっと今晩も
みんなが寝静まったワタシの家の居間で香り続けるだろう。
明日の朝、一番に起きて
居間に満ちた薔薇の香りを嗅ぐのが楽しみだ。