安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

サマラ・ジョイ「LINGER AWHILE」、ジャズ批評2023年3月号特集「ジャズオーディオ・ディスク大賞 2022」。

2023-03-12 19:30:00 | ヴォーカル(S~Z他)

定期購読している「ジャズ批評誌」2023年3月号の特集「ジャズオーディオ・ディスク大賞 2022」のヴォーカル部門第1位(金賞)は、サマラ・ジョイ「Linger Awhile」で、順当な結果でした。そのアルバムを。

SAMARA JOY (サマラ・ジョイ)
LINGER AWHILE (Verve 2022年録音)

   

サマラ・ジョイ(vo, 1998年生)は、日本のジャズ、ヴォーカルファンの間でも、最も注目される若手歌手といってよい存在になっているようです。ジャズ批評誌の「ジャズオーディオ・ディスク大賞 2022」のヴォーカル部門でも、本作の「Linger Awhile」が金賞(第1位)を得ています。

メンバーは、サマラ・ジョイ(vo, 編曲)パスカーレ・グラッソ(g)、ベン・パターソン(p)、デイヴィッド・ウォン(b)、ケニー・ワシントン(ds)。ケンドリック・マカリスター(ts)、テレル・スタッフォード(tp, flh)、ドノヴァン・オースティン(tb)。カルテットの伴奏が主で、管楽器は9と11のみの参加です。

曲目は次のとおり。

1  Can't Get Out Of This Mood (Frank Losser, Jimmy McHugh)
2  Gess Who I Saw Taday (Elisse Boyd, Muray Grand)
3  Nostalgia (Fats Navaro, Smara Joy Mclendon)
4  Sweet Pumpkin (Ronnell Bright)
5  Misty (Erroll Garner, Johnny Burke)
6  Social Call (Qustin Basheer, Jon Hendricks)
7  I'm Confessin' (Al Neiburg, Doc Daugherty, Ellis Remonds)
8  Linger Awhile (Harry Owens, Vincent Rose)
9  'Round Midnight (Thelonious Monk, Bernard Hanighen, Cootie Willimas)
10  Someone To Watch Over Me (George Gershwin, Ira Gershwin)
11  I'm Grad There Is You (Jimmy Dorsey, Paul Madeira)
ほとんどスタンダード曲です。珍しいのは、「Nostalgia」、「Sweet Pumpkin」、「Social Call」といったところでしょうか。「Nostalgia」には、サマラ・ジョイが詞をつけています。

サマラ・ジョイは、本作により、グラミー賞の「ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」と「ベスト・ ニュー・アーティスト」を受賞しています。滑らかな声の質感、自在なフレージング、リズムへの乗りの良さと、聴いていてとても気持ちが良いアルバムです。彼女は、バリー・ハリスを師と仰ぎ、バップへの関心も強いようで、ファッツ・ナヴァロ作「Nostalgia」やロンネル・ブライト作「Sweet Pumpkin」を選曲しています。「Gess Who I Saw Today」や「Misty」といったスローテンポの曲も良く、次作も楽しみです。

(参考)「Can't Get Out Of This Mood」がビデオで聴けます。

Samara Joy - Can't Get Out Of This Mood (Official Studio Video) - YouTube

【サマラ・ジョイ ホームページ】

Home - Samara Joy

この4月25日から30日まで、ニューヨークのVILLAGE VANGUARDに登場するなど、ひっぱりだこのようです。 

 

【ジャズ批評2023年3月号】

   

表紙。以下気になったページを掲載します。

   

マイ・ベストアルバム2022の相沢栄さん(山形市のジャズ喫茶「OCTET」店主)のチョイスです。1位と2位のアルバムは僕も持っていて、納得のベスト5。嗜好が似ているのが嬉しい。

   

白澤茂稔さん(神田猿楽町「On a slow Boat to」店主)のベスト5が、今回注目されました。1位は、今回取り上げているサマラ・ジョイ「Linger Awhile」です。

   

レコード・CD販売店のベストでは、京都のJEUGIAのものが、僕にはしっくりきました。CELLAR MUSICのものを挙げていて、ハードバップ指向で、参考になります。

(藤岡靖洋の海外探訪記)

   

今号の中で、最も面白かったのは、藤岡靖洋さんの海外探訪記です。ニューヨークの最新情報を知ることができます。

寺久保エレナ(as)がヴィンセント・ハーリングのトラで、出演したジャズクラブ「Smoke」の様子。

ジャズクラブ「ブルーノート」には、サマラ・ジョイ(vo)が出演。藤岡さんもプッシュしていて、人気もあるようです。