2017年(平成29年)明けましておめでとうございます。平穏な一年であることを願っています。当ブログも続けてまいりますので、本年もよろしくお願いします。毎年元旦は、昔からの愛聴盤を楽しんでいます。その中でも極めつけのビル・エヴァンス「Waltz for Debby」を、深夜にレコードで聴き始めたのですが、思い立って、ヴィレッジ・バンガード全部の録音(CD3枚組)を聴いてみることにしました。
BILL EVANS (ビル・エヴァンス)
COMPLETE VILLAGE VANGUARD RECORDINGS 1961 (Riverside 1961年録音)
ビル・エヴァンス(p)の「Waltz for Debby」と「Sunday at The Village Vangurad」は、レコードで持っていて、それぞれジャケットや選曲などアルバムとして完成されたものと考えていました。そこで、2002年にコンプリート盤が発売された時は関心を持たなかったのですが、2011年にこの国内盤が出たので、通して全てを聴いてみたくなり、購入したものです。
メンバーは、ビル・エヴァンス(p)、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)。1961年6月25日、ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードにおける録音。僕の購入したのは、ワルツ・フォー・デビイ【完全版】と題されたCD3枚組の国内盤です。内容は輸入盤と同じですが、英文ライナーノートに加え、オリン・キープニューズの解説の日本語訳が別添されています。彼は、元々のディレクターだけに当時の事情をつぶさに書いています。
曲目は下記のとおり。
〈アフタヌーン・セット1〉
1. Spoken Introduction
2. Gloria's Step(take1)/Interrupted
3. Alice in Wonderland(take1)
4. My Foolish Heart
5. All of You(take1)
6. Announcement and Intermission
(アフタヌーン・セット2)
7. My Romance(take1)
8. Some Other Time
9. Solar
(イヴニング・セット1)
1. Gloria's Step(take2)
2. My Man's Gone Now
3. All of You(take2)
4. Detour Ahead(take1)
(イヴニング・セット2)
5. Discussing Repertoire
6. Waltz For Debby(take1)
7. Alice in Wonderland(take2)
8. Porgy(I Love You, Prgy)
9. My Romance(take2)
10. Milestones
(イヴニング・セット3)
1. Detour Ahead(take2)
2. Gloria's Step(take3)
3. Waltz For Debby(take2)
4. All of You(take3)
5. Jade Visions(take1)
6. Jade Visions(take2)
7. ・・・A Few Final Bars
キープニューズのライナーノートに『ビルがどれ程すぐに特定のパフォーマンスに満足したか簡単に分かるものがあり、余りにも満足していた彼は、後々のセットでまたその曲をやることは不必要だと感じるにまで至った』とあります。それは、ファーストテイクだけで終了した「My Foolish Heart」、「Some Other Time」、「Solar」というアフタヌーン・セットの3曲で、どれも驚異的に素晴らしく、CD1枚目のアフタヌーン・セットだけでも堪能しました。
なお、キープニューズは、「Solar」ではなく、「My Romance」と記していて、「My Romance」の出来がよいので、勘違いしたのかもしれません。今回改めて聴いてみたら「Some Other Time」のエヴァンスのソロにもほれぼれとしました。もちろん、この3曲に限らず、イヴニング・セットまで演奏全体に渡り、エヴァンス(p)の色彩感の感じられる和音や繊細な指の運びによるフレーズ、加えて、ラファロ(b)、モチアン(ds)のプレイと珠玉のような演奏ばかりです。お正月に相応しい特別なアルバムです。
【ライナーノートから】
2ページにわたり見開きで写真が掲載されています。
オリン・キープニューズも写っている写真。