Windows XP をずっと使い続けていると、人に迷惑をかけることになるという説があります。
流行遅れの服を着て町を歩くと、人に迷惑をかけないかという心配ごとに、どこか似ています。
最新のファッションを競って町に繰り出すグループに参加するなら、流行遅れの服は迷惑でしょう。
その人が目を引いてしまうか、それともグループ全体が奇異に見られるか、なにがしかの影響はありそうです。
しかし、ひとり静かに歩き、病気や悪臭を撒き散らすことさえなければ、古い服を妨げる理由は何もないでしょう。
OSメーカーからサポート情報が届かなくなるのは確かです。セキュリティパッチも配布されなくなります。
新しいパッチをあてがわなければ、新しい穴はふさがりません。しかし、古い穴にあててあったパッチが剥がれるわけではありません。
新しいパッチは、メーカーが配布しただけでは効果は出ません。
最新のOSだから安心と、自動更新、自動インストールの設定をはずしてしまっている人がいるかもしれません。
新しいパッチのインストールまではされていても、スキャンが確実に行われていなければ、穴はどこかにあきます。
穴あきのままでいれば、OSの新旧など関係ありません。
最新型のPM2.5対応立体マスクなどを買っておいても、ポケットに入れておくだけでは何の用も成さないのです。
人間の住む場所には、電磁波、気体、微粒子、細菌、ウイルス、あらゆるものが蔓延しています。
それらが人間の体に着いたり入り込んだりするには、きっかけがなければなりません。
騒ぎを起こさせないよう、体の丈夫な人が、わざわざきっかけになりそうなことを、やってみせることさえあります。
ウイルスとは無関係でも、一通ごとに受信フォントを切り替えなければならないメールがやって来るほうが、よほど迷惑です。
人の世は、何が迷惑なのか、まことにややこしいものではあります。