うっかりユーザのパソコン奮闘記

パソコンを使っていて感じたあんなこと、こんなこと、気ままに書いていきます。

命名

2011年08月27日 | 忘れかけていたこと

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムという名の情報システムがある。

SPEEDiという略称だが、この動きがスピ-ディでなかったので物議をかもした。
3月11日に始まらなければならなかった大気中の放射性核種の濃度測定、そのデータが、測定器が壊れたのではないかというような値になったのに驚いて出しそびれ、2か月もたってから、ようやく落ち着きが見られ影響予測の辻褄が合うようになって、やっと顔を見せたと想像されるシステムである。

いまごろこんなものを取り上げるのは、コンピューターシステムにもこういう名前が付くのかと、命名の巧みさというか稚拙さというか、どちらとも言いようのない中途半端なおかしさに、ちょっと引っかかったからである。

カナ文字の部分はさておき、緊急時迅速放射能影響予測という名称の付け方には、日本語の便利さがよく表れている。
文字の順番どおりに、適宜かなを入れて素直に名前の意味をたどると、「緊急のとき迅速に放射能の影響を予測する」となる。
しかし、このシステムの運用実態にあわせて読み直せば、「緊急のときは迅速に放射能が出るのでその影響を予め測定して」となる。

このシステムの役割は、こうなるだろうと予測することではなく、あらかじめ測定しておいたデータを使い、それを人心沈静に役立たせるということだったのだ。
英字略称の末尾の字も、yではなくiであるところが、何か意味深長であるかのように感じられる。

気が付けば、ネットワークは、網をつなげていくほかに、パッと覆い隠してしまう働きをもっているのだった。