ものごと、つり合いが崩れると不安になる。
生物の外見がほぼつり合いのとれたものになっているのは、互いに不安にならないよう作り上げてきたかたちなのだろう。
内臓は外から見えないから、左右のつり合いを保つよりも相互の機能連携が巧くいくように配置されている。
花は見事なつり合いを保って咲く。
花びらのひとひらずつ、葉の一枚ずつ、それらが必ずしも幾何学的対称を保っているわけではないが、生きている花は、全体ではすっきりつり合いが保たれている。
人間は、木を伐り倒し花を切り取ることができても、木や花を作り上げることはできない。育てるといっても、植物が自分で大きくなっていくのを見守って、いくらかの手助けをするぐらいのことである。
人間が花を描く場合、優れた画家は描かれた花のつり合いを含め、画面全体がつり合いを保ったように描く。
私たちがパソコンを使って花の絵を描こうとするとき、自然の花のように非対称の中につり合いを描きあげるのは難しい。
だから、つり合いを保たせるには、まず描く花の部分部分でつり合いを考えながら画像を作っていくことになる。
パソコン勉強会で、ワードを使ってさくらの花を描く方法を教えてもらった。
それを思い出し、我流の副手順を加えながら復習してみることにする。
ワードの新しいファイルに、最初に1枚の花びらを描く。
花びらは、いくつも集めて花に組み立てるには左右対称がよい。
1.オートシェイプの[直線]を使って、花びらの中心線を1本垂直に引く。
2.オートシェイプの[曲線]を使って、花びらの片側を囲む縁の線を引く。
曲線の起点と終点は、中心の直線上から始まって直線上で終わるようにする。
3.花びらの片側の曲線は、[頂点の編集]で形を整えておく。
4.形の整った花びらの縁の曲線を中心垂直線上に少しずらせてコピーする。
5.2本の曲線の一方を、図形の横寸法を縮小する方向にずらせていき、中心線を通り越すまでドラッグすると、左右反転した形の曲線になる。
6.一方の曲線をタテに移動させ、起点、終点をもう一方の曲線に一致させると、1枚の花びらの形になる。
7.起点と終点のそれぞれが結ばれた二つの曲線と中心線をグループ化する。
中心線は、あとの作業の都合上、花の外側方向にやや長めにしておく。
8.曲線の内側に着色する。
これで花びらが1枚出来上がった。