海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

K4護岸とN3護岸はつながったが、挫けるわけにはいかない。

2018-07-19 23:57:38 | 米軍・自衛隊・基地問題

 19日(木)は朝、カヌー12艇で松田ぬ浜を出発した。ぶるーの船と不屈の2隻に曳航してもらい、辺野古岬のN3護岸の工事現場に向かった。K4護岸の南側半分は台風対策のため、まわりを囲うオイルフェンスがすでに片付けられていた。

 N3護岸では捨て石の投下が始まっていた。K4護岸までの距離は残り10メートルもなく、今日中につながることが予想された。カヌーチームはオイルフェンスを越えて抗議したが、現場までの距離は100メートルほどあり、途中で海保のゴムボートに拘束された。

 このあと風が強くなったので、カヌーによる行動は中止し、抗議船に乗って監視活動を行った。

 テント2で昼食をとったあと、午後も監視活動を継続した。N3護岸からの捨て石投下が続き、午後2時半頃、K4護岸とつながったのが抗議船からも確認できた。

 午後3時半まで現場で作業状況を監視したが、一番下の写真のあと、高さをそろえて完成するまでは行われたと思う。明日は台風対策のため、被覆ブロックで覆う作業が行われるだろう。

 N5-K4-N3の三つの護岸がつながり、辺野古の海の一部が閉めきられた。潮の流れが遮断され、内側の海は水温が上がって、土砂が投入される前に海の生き物たちは殺されていく。海上チームのメンバーの多くは、閉めきられる前に翁長知事が埋め立て承認の撤回を行なうことを求めてきたのだが、それはかなわなかった。

 この痛苦な現実を直視しなければならない。護岸の閉めきりを許してしまった、自分たちの力の足りなさを反省することも必要だ。同時に、この状況を前に打ちひしがれ、挫けるわけにはいかない。護岸工事はまだまだ続く。K4護岸の残りの部分をつなぐ作業も、稀少サンゴの移植がすみしだい行われるだろう。

 閉めきられた場所への土砂投入と並行して、新たな護岸工事が始まるだろう。海の抗議行動は、埋め立てに向けた工事の現場に迫るものであり、直接影響を与えることができる。工事の進行を日々目にしながらの行動は、肉体的にも精神的にも負担があるが、ぜひ一人でも多くの人が、この不当な新基地建設を止めるという強い意思で、海上行動に参加してほしい。

 仕切られた護岸の奥では、辺野古岬の作業ヤードから海岸に降りる土手(斜面)をキャタピラー式のキャリアダンプが動いていた。高江のヘリパッド建設現場ではよく目にしていたが、辺野古で見るのは初めてだ。埋め立て用資材を運ぶために作業ヤードと海岸部を行き来するのだろう。

 K4護岸の奥を海岸沿いに走る仮設道路も、K1護岸とすでにつながっている。19日はK1護岸の方からクレーンで根固め用袋材などを設置していた。仮設道路がK1護岸から辺野古岬までつながることで、埋め立てに向けた資材の搬送が効率化する。護岸だけでなくここにも注意を向けないといけない。

補注:後でマスコミなどのドローンの映像を確認すると、仮設道路とK1護岸はまだつながっていなかった。上の写真はK4護岸の隙間から撮ったものだが、上空から見るとまだ数メートルは空いているようだ。

 それにしても、今年は台風が次々と沖縄にやってくる。自然が辺野古新基地建設に必死に抗議しているようだ。日本政府による沖縄への新たな基地の押しつけを許さないために、私は何をしなければいけないか。主体的に問い、行動したい。

 


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