海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

K8護岸で土砂陸揚げ開始

2019-06-11 23:55:06 | 米軍・自衛隊・基地問題

 11日(火)は朝、雨のためカヌーで海に出るのは厳しかったので、抗議船2隻にカヌーメンバーも乗って辺野古崎に向かった。

 K8護岸の上や土砂を積んだランプウェイ台船の上には作業員が出ていて、接岸の準備はできているようだった。しかし、時おり雨脚が激しくなり、視界も不良で気象条件が悪い。そのためランプウェイ台船は待機している状態だった。

 午前11時頃になって雨が小降りになり、ランプウェイ台船(屋部5号)の接岸作業が始まった。ただ、風と波があったせいか、なかなかK8護岸に近づくことができず、接岸して土砂の陸揚げが始まったのは午後1時頃になってからだった。

 満潮なので護岸越しに土砂を積み込む様子がよく見えた。次々とダンプカーがやってきて、土砂を積み込んでいくのを目の前で見るのは悔しくてならない。今年に入ってN4護岸とK8護岸の建設に抗議行動を続けてきたのだが、残念ながらこの日を迎えてしまった。

 辺野古崎周辺の作業ヤードには、クレーン車のブームが林立している。K8護岸からN4護岸を通って土砂を積んだダンプカーが、その作業ヤードを抜けて、埋め立てが進む②工区と②-1工区に向かっていく。

 K8護岸は埋め立て工区の近くにある。K9護岸に比べてダンプカーが往復する時間は短くてすむ。土砂陸揚げ場所が2カ所に増えるだけでなく、移動距離が短縮したことでも、埋め立ては加速する。

 一方で、海の搬送は気象条件に左右される。一度に大量の土砂を運べる利点と、海が荒れればガット船の搬送や台船の接岸ができなくなるリスクがある。

 この日も台船の接岸に時間がかかった。安和の琉球セメント桟橋や本部港塩川区で抗議行動を強化し、ガット船の出航を1日に1隻でも減らせば、気象条件との関係で土砂切れを起こすことができる。

 長島の近くでは、清明というこれまであまり見たことのないガット船が、土砂の積み替えを行っていた。この日はほかに第百三十六伊勢丸、松龍丸、第八藤進の景隻が大浦湾に入り、土砂の積み替えを行った。

 土砂陸揚げ、積み替え以外にも作業は行なわれている。上の写真はK4護岸に生コンを下ろすためN3護岸を移動しているミキサー車。連日、キャンプ・シュワブのゲートから生コン車が入っているが、それはK4護岸の強化のために使われている。

 K4護岸の角に型枠を造って生コンを流し込む作業と並行して、クレーンで根固め用袋材を3段に重ねて積んでいく作業も行われている。昨年は2段重ねだったが、台風時の高波を防ぐことができなかった。②工区部分は消波ブロックの設置が間に合わないので、台風時の高波対策で苦労しているようだ。

 10日はK8護岸が焦点となったが、K9護岸でも土砂の陸揚げが午前・午後と行われていた。②工区では3カ所で土砂の投下が行われている。

 テレビのニュースを見ると、県内メディアの多くは瀬嵩の森からK8護岸の土砂陸揚げを撮影していた。道路沿いの瀬嵩の海岸(ガソリンスタンド付近)からも、その様子は見ることができる。

 軟弱地盤や活断層などこれから起こる問題に注目するのはいいが、いま現に起こっている問題にもっと目を向けないといけない。この現実に対処できないで、軟弱地盤があるから工事が頓挫すると考えるのは、現実逃避でしかない。

 現場で汗を流して止める人が増えない限り、工事は進んでいく。これが現実だ。この島で生きていく限り、諦めれば基地の被害はいつ自分や家族、友人の身に降りかかるか分からない。ヤンバルンチュにとっては特にそうだ。ちばらんねーないびらんどー。どぅなーじさんねー、たーがすーが。

 


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