海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

鳩山首相来沖への抗議行動 4

2010-05-06 17:04:37 | 米軍・自衛隊・基地問題
 普天間基地に隣接し、爆音被害と墜落事故の危険性にさらされ続けている普天間第二小学校。鳩山首相は同小学校の屋上から普天間基地を眺め、体育館で住民との対話集会を行った。しかし、対話集会に参加できたのは100名だけであり、そのうち70名はあらかじめ決められていて、当日会場に行って参加できたのは先着30名だけであった。
 同小学校の周辺一帯は警察によって警備体制が敷かれ、正門付近は路上に立っていることも許されなかった。



 対話集会が開かれる体育館は窓とカーテンが閉め切られ、外からは中の様子がうかがえないようになっていた。民主党は情報公開を謳っていたはずだが、その閉鎖性、密室性は昨年12月5日に名護市大西公民館で開かれた岡田外相と住民との対話集会と同じである。今回はメディアの取材を許しただけましかもしれないが、情報公開はメディアだけに特権的に与えられるものではないはずだ。
 体育館の大きさからすれば、少なくとも参加を希望して同小学校に来た市民が入るだけのスペースは十分にあったはずだ。そうでなくても、カーテンを開けて中の様子が見えるようにし、スピーカーを外に設置して音声が聞こえるようにすることくらいは簡単にできた。閉ざされたカーテンは鳩山首相の市民に対する姿勢を象徴的に示していた。



 同小学校内でメディアの取材を受ける民主党沖縄県連の瑞慶覧長敏衆院議員。市民から柵越しに、「県内移設」反対の県民意思を鳩山首相にちゃんと伝えてほしい、と要望されて、伝えます、と答えていた。



 正門の横で鳩山首相の乗った車が来るのを待っている人たち。



 午後2時頃、鳩山首相の乗った車が到着した。後部座席の鳩山首相の姿が見えた。



 対話集会に参加できなかった人たちは、正門横の駐車場で集会を開き、体育館に向かって思い思いの言葉を発していた。琉球新報と沖縄タイムスが号外を出していて、鳩山首相が「県内移設」を表明したという記事に、誰もが憤っていた。
 集まった一人がワイヤレスマイク対応のスピーカーを持ってきて、体育館内で使用されているマイクの電波を拾おうとしたが、時折声が入るもののうまくいかなくて、諦めざるを得なかった。



 普天間基地を飛び立った米軍のヘリや輸送機が、対話集会の間も上空をくり返し飛んでいた。鳩山首相にとってそれは、普天間基地の「一日も早い危険性の除去」を唱える材料でしかなかったようだ。わざわざ普天間第二小学校で住民との対話集会を開き、名護では開かなかったのも、宜野湾市民に爆音被害や墜落の恐怖を語らせて、「移設」を促進する材料にしたかったのだろう。普天間基地の危険性を強調し、地元住民の声を聞いたというアリバイを作るために、普天間第二小学校は「鳩山劇場」の舞台として利用されたのだ。
 しかし、宜野湾市民はそのような鳩山首相の思惑を許さなかった。普天間基地の「県内移設」に反対し、撤去や「国外・県外移設」を求める声が相次いだ。それでも抑止力をたてに「県内移設」ありきで「負担」を強いようとする鳩山首相は、宜野湾市民に失望と怒りを残して去った。

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1 コメント

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Unknown (ブーゲンビリア)
2010-05-07 13:13:20
沖縄タイムス発 ユーチューブで見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=rhOhmauEI7c
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