作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

冬枯れの山畑

2014年01月29日 | 日記・紀行

 

冬枯れの山畑。春夏の色彩に満ちた光景とはすっかり様変わりしている。ここ二三日の暖かさのために雪や霜の名残も消えてない。これまで果樹への人工的な手入れは放棄して、剪定も寒肥もほどこしたことはなかったけれど、今日はじめて15キログラムある鶏糞を二袋、中腹にある畑まで運びあげて、果樹と茶畑にそれぞれに施した。作業中も小鳥のさえずりも聞こえてこない。

  

夕闇の訪れも早い。六時も回るとすっかりあたりは闇に閉ざされる。山畑でみる星々は街中とは異なり、雲の流れの合間に見せる晴れた空に、オリオンと金星がくっきりと見える。

昨日、九州の叔母さんが亡くなられたという知らせを兄から聞いた。だから畑で作業しているときも、ずっとこの叔母さんとの記憶を思い出すようにしていた。子供の頃からよく世話にもなり、可愛がってもらったという実感がある。

叔母さん夫婦を京都などにもよく案内した。天龍寺で精進料理をいただいたことや京都タワーにのぼって市内を眺望したことも遠い昔のことになる。こうしてまた共に時間を過ごした記憶のある人が失われてゆく。

何となく  あおぎ見られし  三つ星を
    この夜限りに  思ひ留めむ

 帰途、桓武天皇のお后、藤原乙牟漏様の御陵の近くから市内を眺める。

            

 

 


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