風のささやき 俳句のblog

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冬の日 【詩】

2022年12月22日 | 

「冬の日」

# 1

冬の朝
寒さ湛える外気に
風景は人の吐く息で白い

朝日はまだゆっくりと
山並みの稜線に
空に昇ることを
億劫がっているようで

冷たい水を一口含んで冬の朝
かじかむ手を擦りながら
いつもの駅へ向かう
足どりが運ぶ僕の心は
眠たい毎日に鈍り
寒さは無用の長物と感じている

# 2

針山となった街路樹の通りを
四角いバスは走る
ぎっしりと人を
その体の中に詰め込んで
時々急ブレーキで驚かせ

うつむいて上がる駅の階段
ホームは騒然とした
人の声 電車の到着する音
発車ベル ため息にも満ちて
僕はまた朝からけだるく疲れている

# 3

寒々とした毎日を
当たり前のものとして
受け入れる僕の心は
悲しみも喜びもなく
なんの痛みも感じなくなって

冬の朝
空だけが晴れ上がって
ああ 美しい