風のささやき 俳句のblog

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十三夜 【詩】

2021年11月18日 | 

「十三夜」

いつの間にか
空の高いところから見ている
十三夜は
丸みを帯びた暗がりの猫の目

僕を見つめて離さない
真っ直ぐでやさしい瞳

月の雫はその目から
思わず零れ落ちた
欠伸のときの
ミルク色の涙

その涙は
日本海の海原に
一瞬にして
止め処もなく広がり

しまったと思いながらも
猫の目は
そんな素振すらみせず

僕を眺めている
空の奥の方から
すましたままで