夢と希望と

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法の夕暮れ。

2014-05-16 | 中身
 法治国家というものは、その名の通り法によって治められる国の事です。日本は法治国家であり、同時に立憲主義を標榜する国家である筈でした。立憲主義とはどういう事かといえば、政府の統治を憲法に基づき行い、政府の権威や合法性を憲法の制限下に置くシステムを指します。国家権力は憲法によって制限されなければならず、その制限は政治的・司法的手段によって実効性のある一群の法よりも上位に位置します。大雑把にいってしまうなら、立憲主義というのは国家権力を憲法で縛り、抑制する仕組みなわけです。政府に好き勝手をやらせない為の安全装置が憲法である、と言い換える事も出来るでしょう。
 憲法がそういう性質のものであるからには、縛られる側である政府が正規の手続きを踏まず解釈を勝手に変えてしまうような事は、当然許されません。もしもこれを許してしまえば憲法は全文が有名無実と化し、政府はどんな無茶苦茶も実行可能となるのですから。

 ところが、安倍内閣はこれを断行するつもりのようです。誤解なきよう念の為に申し添えておきますけれど、私は別に集団的自衛権の行使に反対だというわけではありません。それどころか国家として闘いたいなら闘えば良いし、降りかかる事が濃厚な火の粉は機先を制して払えば良いだろうと考えています。まぁ継戦能力に欠ける無資源国が選択する賢い手段では無いでしょうけれど、ね。しかし現行の憲法では、どこをどう読んでもそれらの行為は認められていない事が明白です。
 では、どうするのか。これは極めて簡単な事。法治国家として定められた手順に従い、憲法改正を行えば良いのです。最終的には国民投票により是非が問われ、その結果として明確な民意という答えが示されるでしょう。この手順以外で政府が勝手な解釈で憲法を弄り回すなど、それは既に立憲主義の国家の在り方では無いと断言できます。
 憲法とは国民の生命の根幹に関わるもの。ころころと代わる内閣総理大臣如きの責任で解釈を変えて運用するなど、愚劣にも程があります。それとも御得意の解釈変更術で自民党以外の政党を禁止して解散させ、ついでに終生総理大臣にでもなり、日本国総統でも名乗るつもりでしょうか。

 安倍晋三などは良く見積もっても冨永恭次レベルの有害な粗大ゴミであって、統治者の器ではないと私は認識していますけれども……それが総理大臣になれるのですから、まぁ自民党も人材が払底しているという事なのでしょう。

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