記録的な猛暑もようやく一段落という感じで、実に結構な事です。私は必要以上に頑健な心身だけが自慢のようなモノですので暑いのは苦手ではありませんけれど、服が汗で濡れるのは好きではありませんので。
ちなみに極端な暑さ同様に嫌いではあっても苦手ではない物として、昆虫の類が挙げられます。中でも特に嫌いなのがカマキリというヤツで、あのフォルムはどうも生理的に受け付けません。子供の頃は兄弟と一緒に首に爆竹を巻き付けて爆裂四散させたり、電子レンジに放り込んでザラキごっこをしてみたり、脚を全て切断して蟻の巣の近くに置いてみたり、スプレータイプの殺虫剤とライターを組み合わせた簡易火炎放射器で焼き払ってみたり、単純にエアガンで射殺してみたり、羽を毟り野良猫に与えてローマ皇帝の気分になってみたりと、悪即斬の勢いで殺戮したものです。わざわざ自分から探しに行って捕獲したりはしませんでしたが、眼前に現れた以上は死あるのみ。雉も鳴かずば撃たれまい、しゃしゃり出てきたのが貴様の不運、といぅ感じで。
もっとも成人して久しい今となっては、そういう凝ったギミックで殺すのも面倒ですので発見次第踏み潰すだけだったりします。と、いう訳で今回は折角ですからカマキリを踏み潰すコツを伝授致しましょう。不慣れだと結構逃げられてしまうらしいので。
まず第一に、カマキリの正面から踏みに行きます。どうせヤツは周囲全てが見える頭の構造をしていますから、背後や側面から仕掛ける意味はありません。むしろ移動特性として後方や側面への移動がすっトロい事を考えれば、積極的に正面から仕掛けるべきです。前進してくれば手間が省けますし、もしも飛ばれても、落ち着いて臨めば簡単に叩き落とせます。
次に、カマキリに視線を合わせ、澱みない動きで接近します。視線を合わせると身の程知らずに此方を威嚇してきますが、こうなればヤツの動きが止まりますから思う壺。こちらとしては別にカマキリを威圧する必要なんてありませんので、ただ一瞥をくれてやれば充分。接近する速度としては、これは言葉にするのは難しいのですけれど、秒速３０㎝程でしょうか。身体の芯を揺らさず、滑るように流れるように、です。
そして、踏みます。ここで注意するのは、接近してから踏むのではなく、接近しつつ踏む事です。一連の動きが途切れるとカマキリが動き、仕損じる要因となります。視線を合わせて近付き、間抜けな威嚇を続けるカマキリをそのまま踏む。踏んだ後は昆虫特有のしぶとさを考慮して数回踏みにじる。これにて殺虫剤などなくても簡単にカマキリが始末できるようになります。
なお番外編として靴を履いていない屋内などで出くわした場合は、雑誌等で叩くよりも素手で潰した方が仕留め易い、というのが実体験からのデータです。やはり、足の裏よりは掌の方が精妙なコントロールが可能ですし、慣れれば踏み潰すよりも周囲を汚さずに済みますし。まぁ少々手は汚れますけれど、そんなものは洗えば済む話。蚊を潰せるならカマキリだって潰せますよ。
と、書いてはみましたけれど……カマキリの生息数も減っていますし、あまり需要の無さそうな情報っぽい気も。でもまぁ、アレです。とりあえず今度カマキリを見かけたなら、お試しあれっ。
