夢と希望と

そして力と意志と覚悟があるなら、きっと何でも出来る。

καλλίστῃ。

2015-11-30 | 中身
 不和と争いの女神になってみようかと考え、現在試行錯誤中です。「女神かどうかは兎も角として、今更試行錯誤などしなくても既に充分以上に不和と争いの権化だろう」という突っ込みが容易に予測可能ですけれど、予測可能な攻撃などでは私にダメージは通りません……!
 そんなこんなでお友達の皆様方には、いずれクローズドベータテストへの御協力をお願いしたいと考えていますという……これは予告状のようなもの。勿論、どんな事でも友に無理強いするのは私の流儀ではありませんので、皆様のお気が向きましたならという話ではありますけれども。

画竜点睛となるか蛇足となるか。

2015-11-20 | 中身
 鉄血のオルフェンズが大変面白く素敵なのですけれども、一抹の不安があります。それは、主人公である三日月・オーガスについてです。彼の思考システムは非常に合理的であり、私のシステムとも似通っています。情愛を持ち合わせないのではなく、情愛をも適切に処理する事が可能な優秀なシステムであると自負していますし、これは戦士としてほぼ完成されていると申し上げても過言ではない思考形態であると考えています。
 だからこそ、今後どうなるのかが心配。合理的な理由もなく物語の都合で、三日月が益体もない惰弱なノイズに右往左往する輩に成り下がってしまわないか、という懸念です。私のシステムは、迷いも葛藤も極めて迅速に処理されますから……そういう人物造形では物語を作製し難いだろうと予測しますし。逆に言うなら、完成されたシステムと自負する私のシステムの、もしも更に上を提示されるような事があったとしたら。これは私にとって、とてつもなく刺激的な経験となるでしょうから、この不安は期待と表裏一体であるとも言えます。

 そんな不安と期待、わくわくドキドキをこめて、私が現時点で勝手に予測してみた最終回或いはその付近のクライマックスシーン的な台詞でも置いておきましょう。ちなみに私が三日月なら、この台詞に対する返答は「それなら闘うしかないね、オルガ」です。

「オマエには解らねェだろうなミカ、オレにとってどんだけオマエが重圧だったかなんてよ。
他の連中の相手は簡単なモンだったさ。ビスケットは、どうせ他でやってく能力もない事なかれ主義のデブだ。ぐだぐだ抜かしても適当にフォロー入れておけば納得して、鉄華団を裏切る度胸は無ェよ。昭弘なんざ『ここは任せた』『信頼してる』とだけ言っておけば勝手に命懸けで身を粉にして働いてくれた。本当に犬は扱い易くて助かったぜ。しかしあの二人も大概だが輪をかけて一番チョロかったのがユージンさ。思慮の浅いアホの癖に何を勘違いしたのかオレの片腕気取りでよ、でもそこんトコさえ認めて頼ってるふりをしてやりゃあ締まりのない顔でシッポ振りやがる。あいつは女だったら確実に男に貢いで身売りするタイプだよな。
だがよミカ、オマエは違った。周りのバカ共にはオマエがオレに絶対服従の手駒に見えたかも知れねェ、ところがその実態は逆だ!オレはいつだってオマエに値踏みされてたんだ。次は何をするんだ、どんなスゲェ事をやるんだ、どんな景色を見せてくれるんだ、そのために何をすれば良いんだ……その期待がオレを雁字搦めに縛ってたんだよ!
ミカは忠実で勇敢で死を恐れず与えられた目的を確実に遂行する、優秀な兵士さ。技量抜群、おまけに向上心も持ち合わせてる。どこに行っても重宝されるだろうよ。じゃあオレは?オレに鉄華団のリーダーが務まったのは何でだと思う。頭が回るから?他の連中に信頼されてるから?違うね、ミカ、オマエを従えてたからだ!オレなんざミカが居なけりゃどこにでもいる小賢しいだけのガキさ。利口ぶって立てる作戦は、全部オマエ頼みなんだからよ。連中がオレの強引な指示に渋々従うのも、後ろ盾になってるミカを敵に回したくねェからさ。ミカを使えるのはオレだけ、そこんトコがオレの価値って訳だ。
……だからよミカ、オレはずっと怖かった。もしもオレがしくじってオマエの期待に応えられなかったらどうなるのか。『オルガ、たいしたことないね』つってミカに見捨てられたらよ、それでもうオレはお終いになっちまう。どんなミスも許されねェ、完璧なオルガ・イツカでなくちゃならねェ、ミカのお眼鏡に叶うオレであり続ける為には気を抜く事も休む事も許されねェ!人間にそんな事、ずっと出来るはず無ェだろうが!!
そんじゃどうすれば良い。どうすればオレはぶっ壊れずに済む?オルガ・イツカがオルガ・イツカでいられる為にはどうすんだ。その答えが、このガンダムヤハウェだ!!こいつと融合したオレは完璧よ。ギャラルホルンもその背後のセブンスターズも怖くねェ、アーヴラウもSAUもアフリカ連合もオセアニア連邦もまとめて蹴散らせる!ましてやテイワズなんざ鼻クソみてェなもんさ。そしてミカ、ヤハウェと融合したオレには、もうオマエも要らねェのさ!なんたってヤハウェは……いや、このオルガ・イツカは!全知全能なんだからなァ!!!」

思わぬ所に潜む竜。

2015-11-09 | 中身
 キン肉マン、という漫画があります。日本人なら誰でも名前くらいは聞いた事があるのではなかろうか、という程度には有名な作品です。幼少期に大流行しましたから読んだ事はありましたし、一度読んだ漫画の内容は大抵の場合一言一句違えず記憶しています。
 とは言え、この作品は全く私の好みではありませんでした。論理的整合性などというモノは、そもそも大抵の少年漫画において省みられる事はありませんけれども、キン肉マンにおきましては幾らなんでも度が過ぎていました。登場人物の思考形態も共感し難く、言っている事はコロコロ変わって一貫した流儀があるようにも感じられません。ストーリーの筋としても、別にどうという事もなく凡庸で……極めて幼稚で稚拙な漫画という印象でしたし、それは先日改めて読み返してみても覆るものではありませんでした。

 ところが少し前からWebにて連載されている続編は、どうした事か面白いのです!論じるに足らぬような作品であった筈の前作から巧みに伏線を拾い上げて昇華し、キャラクターにはそれぞれの流儀を自然に備えさせ、ストーリーも私の美意識に反さぬものになっていました。愚弟めに勧められた時は鼻で笑って読み始めたものの、今となっては毎週月曜日の一番の楽しみになっています。その最新号が、こちら。とは言いましても一週間で内容が切り替わりますから、鮮度的に寿命の短い記事ですね、コレ。

http://bookstore.yahoo.co.jp/free_magazine-136077/

 完璧超人始祖の一人であるジャスティスマンと、正義超人テリーマンの闘いが決着する回となっています。私は、このジャスティスマンの行動に深く共感しました。
 ジャスティスマンは強者揃いの完璧超人始祖達の中でも飛び抜けて強く、テリーマンの必殺技が悉く通用しませんでした。心身ともに文字通り完璧を体現し、どう足掻いても勝ち目など無いように見えました。そのジャスティスマンが負けを認めて試合放棄、この展開を八百長やら作者のテリー贔屓やらと喚く方々も多いようですけれど、それはそいつらが所詮私が定義する所の「竜」……つまり「揺らがぬ自我とそれを貫くだけの圧倒的な力を兼ね備える存在」ではないからです。燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや。
 彼にとって、超人レスリングのルールや勝敗などは極めてどうでも良い事なのです。ジャスティスマンにとって闘いとは裁き。己の正義と相手の正義、双方を天秤にかけてどちらが正しいのかを示す行為に他なりません。そうであるからこその、ダブルジョパディ。自身が誇る最大の裁きの技であるジャッジメントペナルティを受けてなお死に至らず、しかも戦意を喪失しない相手に対しては、敗北を認める以外ありません。勿論、瀕死のテリーマンにトドメを入れる事など赤子の手を捻るようなもの、その気になれば一秒で可能でしょう。しかし、そんな事をすればジャスティスマンの流儀を他ならぬ彼自身が汚す事になるのです。
 試合に勝つ為に闘うのではなく、己の流儀を体現する為にこそ闘う。これこそまさに完璧超人と名乗るに相応しい態度であり、尊敬に値すると私は認識します。心技体全て盤石なジャスティスマン、彼にとっては試合に負けて敗者と蔑まれる事なんて単なる結果に過ぎず、どうでも良いのです。自身の定めた自身のルールを遵守し、自分が自分として生きる事の方が、ずっとずっと大切なのです。初登場時は「ジャスティスマンなんていう格好悪い名前をよくもまぁ……」と感じたものですけれど、その認識を改め、謝罪し、称賛しなければなりますまい。ジャスティスマンはまさしくジャスティスであった、と。彼の正義を彼自身が全うした誇り高き竜である、と。

 ちなみに完璧超人始祖の中では、私はガンマンちっくだと周囲からは言われます。確かにガンマンは粗にして野でも卑に非ず、実力的にも申し分のない強者で精神的にもシンパシーを感じる、竜と呼ぶに相応しい理想的な殿方の一人ですけれども……個人的にはジャスティスマンのように盤石な強さでありたいですねぇ。