夢と希望と

そして力と意志と覚悟があるなら、きっと何でも出来る。

王たるもの。

2008-08-21 | 中身
 ひょんな事から久しぶりにファミリーコンピュータ版のドラゴンクエストⅡをプレイしてみました。……しかし「ひょんな事から」というのは非常に便利な魔法の言葉ですねぇ。ドラゴンクエストⅡに触れたのは小学生の頃以来ですが、なかなかとんでもない代物です、コレ。

 物語の冒頭で、この世界を統治する三王国の一つムーンブルクが襲撃され陥落壊滅したとの報が届きます。襲撃したのは破壊を司る邪神シドーを崇める宗教団体なのですが、そもそも破壊神を奉じる宗教なんてものが蔓延し支持される時点で「この世界の王達による治世というのは余程ろくでもない物であったのだろう」と考えざるを得ません。
 この報をもたらしたムーンブルクの兵士は、兄弟国たるローレシアの国王に事の次第を伝え終えると絶命しました。するとローレシアの国王は隣に座る実の息子であり唯一の王位継承権を持つ王子に向かい、こんな事を言います。王子の名前は便宜上、「えにくす」とでもしておきましょう。
「王子えにくすよ、話は聞いたな?そなたもまた勇者ロトの血を引きし者。その力を試される時が来たのだ!旅立つ覚悟が出来たなら儂について参れ」
 ローレシア・サマルトリア・ムーンブルクの三国は、かつて大魔王ゾーマを討ち果たし、後に竜王を討伐してアレフガルドに平和をもたらした勇者ロトの血統である事が人々に尊ばれ成立している王国です。要するに有事の際は勇者の末裔たる王様が何とかしてくれる、そう思えばこそ民は国に従い税を納めている訳です。故にプレイヤの分身であるローレシアの王子としては、この緊急事態に王宮で遊んでいる事は出来ません。父王の言葉も当然と思い、後を追うと……ここで耳を疑う発言が飛び出します。
「さあ、その宝箱を開け旅の支度を調えるが良い。サマルトリア、ムーンブルクには同じロトの血を分けた仲間がいる筈。その者達と力を合わせ、邪悪なる者共を討ち滅ぼして参れ!」
 待て待て、そういう貴様もロトの血を引く者でしょうに。既に棺桶に片足突っ込んでいるような老いぼれだとしても、ならばこそ捨て石代わりに特攻してきやがれと言いたくなります。この歳まで国王として玉座にふんぞり返っていられたのは、こういう時に勇敢に闘って死ぬという前提があっての事、それなのに何をトチ狂って息子に全部押しつけようとしているのか。百歩譲ってハーゴン討伐は自分が引き受けるとしても、それなら国王は一軍を率いてムーンブルクに向かい、生存者の救助と復興に努めるなりするのかと思いきや、そんな事は一切なし。相も変わらずこれまで通りの生活を続ける始末。
 ちなみに宝箱の中身が、銅の剣と50ゴールドという愛情の欠片も見受けられない内容である事は、まぁアレです、試練として受け止めもしましょう。勇者に大切なものは勇気であって武器ではありませんし。
 兎にも角にも愚痴を言っても始まりませんから、王子えにくすは銅の剣一本で暴力の荒野を渡るハメに。しかし何とか巡り会ったサマルトリアの王子を見て、私は再び愕然としました。こいつ、装備が布の服と棍棒です!仮にも一国の王子が、一国を滅ぼす狂信者団体を討伐に向かうというのに、布の服と棍棒。これはもう、試練というレベルを超越しています。国家としての品位に関わる問題ですし、サマルトリア王は王子の死を願っていると判断するしかありません。獅子は我が子を千尋の谷に云々というよりも、保険金殺人の香りが漂ってきます。
 そして、そう考えると色々と合点が行くのです。
 なぜ、ムーンブルクを一夜にして滅ぼしたハーゴンの軍勢が、この状況でも城門を開け放ち危機管理意識なんて微塵も無いローレシアとサマルトリアに対しては積極的攻勢をかけないのか。
 なぜ、ローレシアとサマルトリアの国王は一人息子を護衛もつけず裸同然で放り出したのか。
 なぜ、兄弟国であるムーンブルクに対して救援を行わないのか。
 ……つまり、ローレシア王とサマルトリア王はハーゴンと密約を交わしていたのではないでしょうか。恭順の証としてロトの血を引く王位継承者、つまり自分の息子を差し出す。邪教に対する弾圧も行わない。そのかわり、自分の命と地位を保証して欲しい、と。ハーゴンにしてみれば、邪神シドーを降臨させるまでの時間が稼げたなら事足りる話。どうせシドーが全てを破壊するのなら、臆病な国王の首の一つや二つ、胴体に繋がっている時間が多少変化しようと問題ではありません。窮鼠と化して噛まれるよりも、ありもしない幻影の希望に縋らせて闘いを放棄させた方が得策というものです。ムーンブルクが襲撃されたのは、この密約を拒んだ故か、或いは見せしめの為か。どちらにしても、ろくでもない話です。

 私がローレシアの王子なら、ハーゴン討伐は行いましょう。シドーが召還されたなら、それも討ち果たしましょう。それは、自分がこれまで享受してきた特権と表裏一体である、最低限の責務だからです。
 ただし、この責務に従うならばもう一つ、しなければならない事があります。ハーゴンとシドーの首を獲り、ローレシアに凱旋した暁には……イの一番に父王の首を刎ね、城門に晒してやらなくてはなりません。こんな男を生かしておけば王位を退いた後も院政を敷こうと画策したり、サマルトリア王とつるんで悪事に精を出したりと、害悪をもたらすに決まっているのですから。
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変わるもの、変わらぬもの。

2008-08-19 | 中身
可愛い女性と逢いました。

鋭利な刃を携えて厚い装甲に身を固め
しかしその素肌は柔らかく繊細で
だからこそ必要な刃と装甲なのだろうと愛おしくなりました。
弱さを愛でる趣味はありませんが
それでも闘おうとする気高い意志は敬意に値する、と。
闘争の才能を持ち合わせた者が強いのは当然の事。
真に素晴らしいのは才能なんて関係なく、自らの意志で進む者なのだから。

逆鱗を逆鱗と知りながら触ってみたりされたなら怒りますし
築いたものを容赦なく斬り払いもしますけれど
それでも、互いに敬意を抱き互いを誇りとして歩めるなら
幾らでも新たなものを築く事は出来る筈。

大切な人と明日を夢見て語り
夢を掴むべく励む。
こんなに幸せな事はありません。
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近況報告めいたもの。

2008-08-14 | 中身

 今年もまた親戚の小汚い莫迦餓鬼共……いえいえ、無限の可能性を内包した未来を担う希望の種子達を押しつけられまして、夏のお祭り用の服を購入するついでに「崖の上のポニョ」と「ギラティナと氷空の花束シェイミ」を連続鑑賞してくる羽目となりました。私も年甲斐もなくメアリーマグダレンとか着るのはどうかと思ったりもしますが、普段がアレなだけにお祭りの時くらいは可愛い服も着てみたかったりしますし。
 映画の方は、まぁどっちもどっちでした。ポニョにつきましては、あれだけポニョ死亡フラグを立てまくっておいて結局死なないのは殺さなかったのか殺せなかったのか、どちらにしても納得いきません。ポケモンの方は、シェイミの性格が極めて鬱陶しい上にプラチナの宣伝要素が過剰であり、有り体に申し上げれば三流以下の出来映え。ただ、ポニョもポケモンも餓鬼共は大喜びでしたのでメインターゲットに対する効果は抜群であり、そういう意味で問題は無いとのかな、等と考えました。
 現在色々と身辺が騒がしく、まとまった時間が確保出来ない日々が続いているのですけれど、そんな中で心のオアシスはDSのファイアーエムブレムです。僅かな時間にも手軽に始められて、簡単に中断可能な事は非常に助かっています。今回のエムブレムは難易度が6段階から選択可能となっており、筋金入りのエムブレマーを自称する私は当然の事ながら最高難度のH5を選択しました。いやぁ、耳から血が出そうな手応えで実に素敵。最初のマップで、落ち武者状態とはいえ仮にもアリティア王国の正騎士団たる面々が辺境の海賊相手に苦戦の連続。一対一で下手に攻撃を仕掛けようものなら鋼の斧で反撃されて追撃されて頭カチ割られて即死亡という体たらくです。その後も山賊風情にギリギリの闘いを強いられ、その山賊に雇われている腕利きの用心棒を色仕掛けで籠絡したまでは良いものの、用心棒を早速山賊相手に斬りかからせてみたら鉄の斧で反撃されて追撃されて頭カチ割られて以下略とかいう信じ難い状況の連続で、もう楽しくて楽しくて仕方ありません。こういう状況から自軍を建て直し、敵を蹴散らす事こそファイアーエムブレムの醍醐味ですから。

 まぁ兎にも角にも、そんな訳で私は元気です。


おまけ
ファイアーエムブレム ニヤニヤしたら負けの会話集

筋金入りのエムブレマーたる私は、無論最後まで眉一つ動かさずに見る事が出来ました。

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