夢と希望と

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最も悲惨な侵略者。その1

2013-01-11 | 中身


 生誕以来、我々の住む地球というこの惑星は無数の脅威に脅かされてきました。隕石や小惑星の衝突等は言うに及ばず、幾度となく天体としての存亡の危機を乗り越えて来たのです。さて、地球を襲った数々の脅威の内で、代表的な物と言えば何が挙げられるでしょか。
 諸説ある事とは思いますけれど、私が一つ挙げるとするなら……それはやはり、地球外知的生命体による侵略である、と言えましょう。キャンベル星人やサイヤ人、ガミラスやヤプールなど、夥しい侵略者達が地球を欲し、或いは滅ぼそうと襲来してきました。彼等は何しろ大半が外宇宙から来訪してきやがりますから、そもそも技術力が地球人とは段違いです。しかも侵略行為に手慣れている場合が多く、確立されたノウハウを用いてきますから、その撃退は困難を極め、殆どの場合一年程の時間を必要とします。
 そんな厄介な侵略者達の中で、今回取り上げるのは私が最も哀れで悲惨だと感じる一つ、ラダムです。
ラダムとは「宇宙の騎士テッカマンブレード」に登場する知的生命体の名称。掌サイズの昆虫状生物で、脳髄のみを高度に発達させ、極めて高い知性と技術を誇る反面、肉体そのものは非常に脆弱で、環境変化や外因性ショックに対する抵抗力を持たないという、極端な種族です。彼等の侵略のプロセスは、と申しますと……
・母艦となる宇宙船に搭乗し、宇宙を彷徨う。
・侵略に値する標的を発見した場合、密かに少数の原生生物を捕獲し、これを改造強化する。
・改造した原生生物にラダムが寄生し、脳を支配して身体のコントロールを奪う。これをテッカマンと称する。
・完成したテッカマンを侵攻の指揮官とし、生物兵器ラダム獣を大量に率いて標的に攻撃を行う。
・敵対戦力を殲滅した後、ラダム獣は自己の特性を植物状に変化させ、ラダム樹となる。
・ラダム樹は付近の原生生物を捕獲して取り込み、これをテッカマンへと改造する。
・こうして量産されたテッカマンに母艦のラダムが寄生を行う事で、惑星の支配権を得る。
 と、いうようなもの。
  ここで我々人類にとって重要な問題となって来るのは、テッカマンとラダム獣の戦力がどれ程のものか、という事です。まずは、雲霞の如く飽和攻撃を仕掛けてるラダム獣から。
・非常に強固な外殻を持ち、人類の保有する兵器では反物質砲でしか有効なダメージを与えられない。
・単体での飛翔、潜水潜地が可能であり、ほぼ地球全域を攻撃可能。
・極めて高い膂力を誇り、兵器や要塞を含む人類のあらゆる建造物を破壊可能。
 ……まぁぶっちゃけた話、ラダム獣一匹だけでも充分な脅威です。これが大群で襲って来るのですから、まさに悪夢。ではこのラダム獣を指揮統轄するテッカマンの戦力は、如何程のものか。
・核爆弾も反物質砲も物ともしない装甲。
・通常でも超音速、最大で亜光速に達する凄まじい機動力。
・ラダム獣をも容易に斬り裂くテックランサーを標準装備。
・陸海空に加えて宇宙空間でもシームレスに戦闘可能。
・視界全てを焦土と化す事も可能な超高威力広域殲滅兵器ボルテッカを内蔵。
・自己の戦力とラダム獣を自在に扱う高度な知性を備える。
  と、こんな感じ。要するに人類では勝てる訳がない、という戦力と布陣です。流石に己の肉体を省みず知性特化の進化を遂げた生命体だけの事はあると言えましょう。

 では何故、ラダムが悲惨な侵略者なのでしようか。圧倒的な戦力で無慈悲に人類を蹂躙する筈の彼等が。
  ……その理由は唯一つ、最初に捕獲しテッカマンに改造する原生生物を、選び間違った事に因るのです。

(その2に続く)
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