夢と希望と

そして力と意志と覚悟があるなら、きっと何でも出来る。

聖と燦の泣いた赤おに四方山噺

2008-06-19 | 企画
どこかの高原


雷皇燦>>わぁっ!久しぶりだね聖っ。元気にしてた?(柔らかな日差しの降り注ぐ緑の高原に親友の姿を確認した少女は、喜色満面で鉄砲玉の如く一直線に勢いよく空を駆け、そのまま体当たり同然に抱きつこうと突進。)ってゆーか、なんかまたあちこち育ったねぇ。こんなペースで育ったら、あっという間に身長57メートル体重550トンとかになっちゃうよ、きっと。

詩保志聖>>燦…?燦だっ!(親友の顔を見つけるなり、どんぐり眼は常以上にまん丸に。喜色満面、駆け寄ろうとするものの、黄金の矢のように此方に向かってくる燦の姿に、咄嗟に片足を後ろに退いて迎撃体制準備OK!)元気元気、元気だよー!(ドンッという衝撃とともに受け止める。小柄で羽のように軽い身体も、手加減無しのスピードが乗ったならその威力は馬鹿に出来たものではない。後ろ足をほんの少し踏ん張ったことはオクビにも出さないのは、聖の意地だったり、するのだけれど)燦も、変わらないね…って、え??私、そんなに太ったかな!?(慌てて身体のあちこちを見回すお年頃。言うほどの変化は無いハズだが、小さな変化をも見逃さない燦の眼力こそ褒めるべきか)

雷皇燦>>体重も少しは増えてるでしょ。でもボクだって負けないからねっ!そりゃあ今はコレだケド、うん、ボクは天才で、更に大器晩成タイプでもあるんだから。(出逢った頃から全く成長していないようにさえ見える華奢な身体を若草色のチュニックに包み、悲しいほどに平べったい胸を堂々と張って見せる。)そんでね、なんか今回は時雨に頼まれて、この本について聖とお話して欲しいってコトなんだケド……どうしよっか。こんなの放り出して、どっか遊びに行く?(「泣いた赤おに」と題された絵本をひらひらと振りつつ事情を説明するが、それには全く頓着していない様子で爛々と瞳を輝かせながら。)

詩保志聖>>うぅ…で、でも身長も伸びてるから、いいんだよー!燦は…うん、見事に変わってないなぁ…(自分の身体チェックはとりあえず及第点。張った親友の胸をしげしげと眺めつつ、天才や大器晩成のあたりは相変わらず無意識のスルー。)ん…時雨さんに頼まれた…?(幾度かニアミスしかけながら、決して言葉を交わしたことの無い女性-その見かけに関わらず、聖にとって「その人」は女性、というべき存在であるわけなのだが-を思い浮かべ、少し不思議な気分になる。)時雨さんから、頼まれた…。(もう一度復唱してから、燦の瞳を覗き込み)なんだかとっても気になる!どうして頼まれたのか、よくわからないけれど、せっかくだから読んでみたいな♪(絵本と燦の顔を交互に見やりながら、小首を傾げた。)

雷皇燦>>えっとね、いきなりボクの巣にやって来て「密かに息の根を止めよという事ならばいざ知らず、正面より言葉を用いて彼奴と相対せよ等とは悪しき夢。勝てぬ戦に臨むは愚か者、三十六計逃ぐるに如かずじゃ」とか言ってたよ。相変わらず臆病だなぁって思うケド、傭忍ってのはそーゆーモノっぽいね。で、そんならボクがやったげるって引き受けたワケ。聖と何かするってコトなら、ボクの右に出るヤツなんて存在しないしっ!(スルーされても一切気にせず、ふふんと得意気に若干顎を上げて笑う。親友が興味を示したなら、自分は既に目を通した絵本を手渡して、ごろりと大地に寝転がり空を見上げた。)とりあえずボクはもう読んでみたよ。聖は、そーゆーのどう思うのかなって興味はあるね。

詩保志聖>>ふーむむ…。(燦の語る経緯は、おそらくありのままを伝えてくれているだろうが、それ故にか聖にはよく分からないところが残る。が、分からないものを「分からないもの」として記憶に留めておくのが、この少女の「らしいところ」。それに、何といっても今は燦が目の前にいるのだから。)うん、じゃあ早速読んで見るね!(柔らかな若草の茂る大地に転がった親友の隣に腰を下ろし、受け取った本の表紙を眺める。)…泣いた赤おに…日本の絵本なんだね。(背負っていたリュックを下ろし、ゆっくりとページをめくりはじめた聖の横顔は真剣そのもの。あっという間に物語の世界に没頭していく。)

雷皇燦>>うん、そーらしいね。アホが判断を間違えて友達を失う話みたい。(相手がまだ読んでいる最中なのに、ネタバレとか先入観を与えてはいけないとか、そういった配慮を全くしない一言を。自分の相棒たる存在が、そんな事で己の判断を狂わされたりしない筈だという信頼が根底にあればこそだが……この少女の場合、どうでも良い相手にも全く配慮気遣いを行わないので、表面上の判別は至難を極めるだろう。その内にあるものが対極であろうと、表面に現れるものが等しいのだから。)

詩保志聖>>(燦の言葉は、草原を渡る風に乗って耳には届いていた。それは、燦の意見を運んできたものであり、それ以上でもそれ以下でもない、それだけのものだ。そして、それに返事をするには、まずは自分がこの絵本を読み終わってからだろう。そうして数分の間、真剣な眼差しでページをめくっていた少女は、ついに最後のページを読み終わり、ゆっくりと本を閉じた。)なるほど、泣いた赤おに、かぁ…。(閉じた絵本の表紙を再び見るとも無しに眺め、小首を傾げながら、色々と思案している様子。)…でも、本当に赤鬼は、友達を失ったのかなぁ?(隣で青空を見上げている燦に目線を移して、おっとりとした気質をそのまま現したような声で疑問を投げかける。)

雷皇燦>>失ったんだと、感じたよ。ボクに言わせれば、この赤鬼は認識が甘すぎて本当にどーしよーもないと思う。特定の誰かぢゃなくて「人間」ってゆー曖昧なカテゴリと仲良くなりたいってのも頭悪いし、その為の手段としてちょお胡散臭い立て札なんて作るのも頭おかしいし、当然の結果として人間が信用しないからって暴れて叩き割って憂さ晴らしってのも頭湧いてる。その上、猿芝居でコロリと態度変えるゴミみたいな人間と薄っぺらい接待ごっこする為に大切な友達の青鬼を犠牲にするなんて、このボクが百回くらい八つ裂きにしてやりたいよっ!(怒りを露わに顔を真っ赤にして、寝転がったまま左の拳で大地を打つ。青い空と白い雲、黄金の太陽を映したエメラルド色の瞳は、今にも火を噴かんばかりに燃えていた。)でもね、青鬼にしたって本当に赤鬼の友達なら、赤鬼をぶん殴ってでも目ぇ醒まさせてやらなきゃ。この物語の人間達なんてのは、よーするに役に立つから赤鬼と仲良くなっただけで、つまり利用価値がなくなればポイっと捨てて追い払おうとするんだよ。そんなゴミ相手に擦り寄りたがる赤鬼は確かにアレだケド、それでも友達だって思うなら、猿芝居を持ちかけるより他に幾らでもやるコトがあるだろって感じ。まぁ青鬼は赤鬼を試して、そして試した結果として斬ったんだろーとは思うよ。青鬼の中では、猿芝居を持ちかけて赤鬼が断固として拒否しない時点で自分と人間のどっちを赤鬼が重視してるのか判っちゃっただろーし、そんでもって赤鬼は人間と仲良しごっこするのに浮かれて何日も青鬼のコト忘れてたんだし。そんだけバカなら見捨てられたって文句言えないだろーケドさ、でもでもボクなら、もしも聖がそんなコト言い出したりしたら、まずぶん殴ると思うんだっ。「本当にあんなヤツらと仲良くしたいなら、ボクを倒してから行けっ!」って。もちろん殴り合って解り合えなかった時は、そりゃあ絶交するしか無いよ。でも一方的に試すようなコトは、ボクは絶対したくないっ。(上半身を起こして、親友を見つめる。どうしてこんなに簡単な事が、赤鬼と青鬼はできないのか。そんな苛立ちとやりきれなさが充満した面持ちで。)

詩保志聖>>(激昂という言葉がまさに相応しいかのように怒りの感情を露にした親友を、多少の驚きと共に見つめていたが、共感を覚える部分ではぶんぶんと、大きく頭を上下に振って)うん、そうだね。私も、大切な相手を試すようなことはしたくない。それに私なら、燦が「不特定」で「不定数」の何者かと仲良くなりたいとしたら、私だったら応援するかな。その対象を、自分では量れないかもしれないから。そして、もし自分で量ったときに「これは違うんじゃないかな」って思ったら、そうしたら燦と闘うよ。だって、なあなあに燦を失うことは嫌だから、ね。(それは自然なことであり、当然のことであるように少女には感じられる。今は同じ目線にある親友の瞳をまっすぐに見つめながら)でも、ね。青鬼は、「試した」のじゃないかもしれないよ。青鬼にとって、赤鬼が大切な友達だったら…私は、青鬼がそう思っていることを疑わないのだけれど、青鬼は、友達が「してみたい」と思ったことに、出来る限りの力を貸してあげたかったわけだよね?その方法は、あまり賢い方法じゃなかったのかもしれない。だけど、青鬼に出来ることを考え、そしてそれを行った。そこには、相当の意志と覚悟があったと思うんだ。だからこそ、私は、思う。赤鬼が泣くのは、赤鬼に覚悟が足りなかったのなら仕方の無いことかもしれないけれど、泣いて終わりじゃ駄目だよね?って。泣いて終わりにしたら…青鬼は、赤鬼に喪失感だけを与えた存在になってしまうもの。そして、そのときこそ本当に青鬼を失ってしまうことになるのではないかな、って思うんだ。(おっとりとした気質をそのままに表したような声で、少女はゆっくりと言葉を紡ぐ。自分の考えを、音にすることで纏めようとしているかのように。)

雷皇燦>>……むぅ。(荒れ狂う嵐のように逆巻いていた心が、親友の言葉で幾分か落ち着きを取り戻す。全てを鵜呑みにはしないけれど、そこには確かに共感できるものが存在したから。)青鬼が赤鬼を大切に思ってた、そこはボクだって疑ってない。そうぢゃないのなら、誰があんな面倒なコトするもんかって思うし。赤鬼に覚悟が足りなかったってゆーのも同感。だって青鬼は、「なにか、一つの、めぼしいことをやり遂げるには、きっとどこかで痛い思いか、そんをしなくちゃならないさ。誰かが、犠牲に 身代わりに、なるのでなくちゃ できないさ」って事前に言ってるもんね。つまり赤鬼の願いを叶える代償として自分を使う、って。その時点で赤鬼はよく考えて、どっちかを選ばなくちゃいけなかった。選んだならその決断に覚悟を伴わせなくちゃいけなかった。それを怠ったんだから、報いを受けるのは当然なんだ。でも、ボクが言いたいのは……っ!友達なら、二人で幸せになる方法考えなくちゃ駄目ぢゃんってコトっ。聖が青鬼みたいなコトしよーとしたら、ボクはスゴく悲しい。赤鬼みたいなコトしよーとしても、スゴく悲しい。相手の願いを叶えるだけなんて、そーゆーのは神サマにでも任せとけば良いんだよ。友達ってのはさ、自分と相手が一緒に歩きながら、どっちも幸せになれる道を斬り拓いていけるよーな関係だと思うんだ。(一気にまくし立て、己の短い黄金の髪をくしゃりと掻き上げ頬を膨らませる。一呼吸おいて、ふぅっと息を吐き出すと、今度はゆっくりと言葉を紡いだ。)青鬼は赤鬼のコト、ちょお好きだった。でも赤鬼はどーなのかな。青鬼が去った直後は確かに悲しんでるよ。だってコイツは、そーゆー感傷に身を任せるタイプっぽいし。でも、一週間後はどーだろう。一年後、十年後は?コイツは青鬼を忘れて、村人に掌返されるその時まで、その場しのぎの馴れ合いを続ける気がするんだよね。そんでもって全てを失った時に、青鬼に縋る気がするの。こーゆーのって、疑いすぎかなぁ。

詩保志聖>>うん、確かに青鬼は言ってるね。「誰かが、犠牲に、身代わりになるのでなくちゃ、できないさ」って。そして、青鬼はなおも考え込んでいる赤鬼に言ってる。「ねえ、そうしよう」って。考えてるばかりじゃダメだからって「さあ、いこう。さっさとやろう」って言ってるね。もし、試そうとしてるって考えたなら、ここで赤鬼に「やっぱりだめだよ、それはダメだよ」って言ってもらいたいっていうことになるのかな。(自問するような言葉の後、小さく頭を振って)…違うと思うんだ。青鬼は、何としても赤鬼の「人間と友達になりたい」っていう願いを叶えてあげたいから、もしここで赤鬼に「やっぱりだめだ!」って言われたら、ものすごく困ったのかもしれないよ。…穿ちすぎかもしれないけど、「人間と仲良くしてみたい」っていうのは、青鬼もどこかで考えていたのかもしれない。そう考えるとね、燦。(聖は何かに思い至ったかのように、その髪と同じ亜麻色の瞳を静かに揺らめかせて口にする)この絵本に出てくる人は、みんな、弱い。赤鬼も、青鬼も。人間たちも。みんな、小さな間違いを…ううん、大きな間違いもだけれど、みんなが重ねてるような気がする。燦が言うように、本当は、大切な存在と自分の両方が幸せになる方法を選ぶことが出来たら、それが一番素敵なことだと思う。でもね。(きゅ、と唇の端を一度引き結んでから、峻厳さすら伺える表情と共に聖が口に乗せた言葉は、それは普遍的な…)「弱い」から、「間違える」ことだってあるんだ。でも、弱さを知り、間違いに気づいた時こそ昨日より一段と強くなれる。そうだよね?だから…物語としては、この絵本は「これから」だと思う。燦の言うように、赤鬼は何度も同じ間違いを繰り返すかもしれないし、そうじゃないかもしれない。村人にすべてを話して、青鬼を探す旅に出るかもしれないし、なあなあで終わらせるかもしれない。青鬼は、そんな赤鬼に愛想を尽かすかもしれないし、甘やかすだけ甘やかして、鬱陶しくなったら斬り捨てて何処かへ姿を消すかもしれないし、可能性は無限だよね。…でも、無限だからこそ、1つには決められない。

雷皇燦>>ボクが青鬼の立場なら人間と仲良くなった赤鬼を見て、こー考える。「ほらね、赤鬼。人間が仲良くする相手ってのは基本的に、外見が好みか役に立つかなんだ。キミの心を込めた立て札なんて役には立たず、自分たちを護る武力や鬼の持つ優れた技術を求められてるだけなんだよ」って。「そんなモノをキミは望んでいたの?」って。そして、「そーだとしたら、仕方がない。キミが望んだ楽園は手に入ったんだし、ソレで良い。でも、その楽園へのチケットは、消費されるんだよ」って。だから、こーなる前に何とかしなくちゃいけない。そう思ってた。(「思ってる」ではなく「思ってた」。僅かに、しかし確かに言葉を変化させ、穏やかな風を身に浴びながら、自らの掌をパートナーの掌へと重ねる。)でも、そーだね。手遅れなんて、無いのかも知れない。あるのかも知れないケド、可能性がゼロぢゃ無いなら……うぅん、たとえゼロだってぶち破るだけの力を持たなくちゃダメだよねっ!過去を礎に今を生きて未来を掴もうとするなら、昨日よりも今日、今日よりも明日はより強くなろうとするなら、破れる壁、斬り拓ける道はどんどん増えてくワケだし。確かに聖の言うよーに、こいつらはみんな弱い。反吐が出る程弱いヤツばっかり。でも弱さを弱さのまま終わらせない決意と覚悟さえあれば、人は竜を伝説の片隅に追いやるコトだって出来るんだもん。ここから歩き出す者達の物語ってコトなら、うん、良いのかも。終わりぢゃなくて、始まりなら。そして終わりか始まりかを決めるのは、他の誰でもない、自分自身だもん。弱さを拒絶して絶望するんぢゃなくて、弱さを認めて糧にして進めるかどうかってトコに、人の強さってモノの本質はあるのかも。(朗々と告げて、手を握ったまま相手へと顔を近づけた。鼻と鼻が触れあう程の距離にまで接近し、そして翳りのない太陽のような笑顔を。)そんでもって。ボクはやっぱり、聖が大好きだよ。ボク達の可能性が無限だろーと何だろーと、必ず聖とボクが幸せになる未来を掴んでみせるっ!なんたってボクはほら、天才だからねっ。

詩保志聖>>うん!私も!私も燦が大好き!!(燦の手をしっかりと握った聖の手は、よく見ればあちこちに無数の傷跡が走っている。それは聖の勲章であり、己を鍛錬し続けている証でもある。その傷の1つ1つはかつての聖の弱さの対価であり、現在へと続く糧なのだから、恥ずかしさなど微塵も無い。その己の手より大きさも厚みも一回り小さく感じられる燦の手を、包み込むのではなく握り合うように指を絡めて、花が咲いたような笑顔を。)私は、絶対に諦めたりしない。泣いたら、泣いた分だけパワーアップするよ。そして、燦と一緒にたくさん、たくさん笑うの。(間近に迫る親友の鼻に、自分の鼻をチョン、と触れさせてから、どんぐり眼にキラキラとした光を宿らせて)よぉし、せっかくだから一緒に修行しようか!燦と会ってない間に、私も色々修行続けてたんだよ♪(親友の手を離すと、絵本を拾い上げて)これは汚れないように、とりあえずリュックに仕舞っておこうかな。時雨さんに返却しなきゃいけないんでしょう?

雷皇燦>>それでこそボクの相棒、それでこそ聖だねっ♪ボクだって何度でも立ち上がって空を翔けて、聖とちょお幸せになるんだっ!(絡めた指から互いに伝わる体温、それが途轍もないエネルギーとなって体内を駆けめぐる。たとえ一人でも、どんな相手とでも闘い打ち勝ってみせると自負する燦だけれど、聖と共にあるならば世界そのものを噛み砕く事さえ容易いと思える程に肉体と精神が高揚する。それは、他に比べられる物のない至福の奔流だった。)ふふん、聖もむちゃくちゃ腕を上げたみたいだケド、ボクだってスゴいよぉ?雷皇闘技の奥義の数々、ばっちり見せたげるっ!で、その本?適当に捨てちゃっても良い気がするケド、聖はそーゆーの嫌いっぽいし……特訓が終わったら二人で返しに行こーか。(にぃっと笑って鋭い犬歯を陽に輝かせ、虚空を蹴って宙に舞う。相手の拾った本については既に興味を失っていたのだけれど、しかし二人で何かをする為の要素になるのなら話は別。結果的に禍津時雨に対してとんでもない嫌がらせになる事は自覚せず、今はただパートナーとの切磋琢磨に全てを注ぐべく、懐から取り出した輝く石を天へと掲げた。)

詩保志聖>>わぁ!時雨さんとお話ししてみたかったんだ!行くいく♪一緒に行くよ(未知の出会いを想像して、わくわくが止まらない。でもそれ以上に心が躍るのは、目の前の少女の持つ太陽のような煌めき。しなやかでありながら強さを備えた、当たり前ではあるのだが人間業を大きく逸脱していると思われる動きを前に、身体中から喜びが湧き上がる。)もちろん、たっぷり訓練した後に、ね♪(布製のリュックの中から愛用の盾を取り出すと、その代わりに絵本を。最後にもう一度表紙をチラ、と眺めた後、小さな唇から洩れた言葉…)私が赤鬼だったら、絶対に青鬼に助力なんて頼まない。私の戦いは私だけのものだもの。でも、もし間違いを起してしまったら…そうしたら、そこから這い上がる。立ち上がる。…大切なものが分かっていれば、泣いている暇なんて、無い!(決意というよりは、少女にとって当たり前すぎるその感覚。その言葉を最後に、絵本は大切にリュックの中に仕舞い込まれた。)…よぉし、いくよっ燦!(高らかに声をあげるが早いか、瞬時に盾を装着した亜麻色の髪の少女は、黄金の気を纏うパートナーに向かって宣言して大地を蹴った。)



参考
http://www.hpmix.com/home/confeitos/A15_1.htm

リメイク

2008-06-17 | 中身

 メタルギアソリッド4が想定外のゴミで残念無念。私はかくれんぼを楽しみたいのであって、出来損ないの映画擬きを見せつけられたい訳ではないのです。マリオで喩えるなら、1-1が始まる前に40分ムービーを見せられて、いざスタートして最初のクリボーが出てくるとまたムービー15分。クリボーの過去やらマリオが背負うモノやらをだらだらと説明されます。ようやく操作を受け付けるようになり、クリボーを踏みつけたと思ったらすかさずムービー。マリオがプレイヤーの操作では不可能なキテレツな動きで華麗にクリボーを抹殺する様子が10分に渡って垂れ流される……と、まぁこんな調子。挙げ句の果てにステージ最後の階段を目の前にして、さぁここを駆け上って絶妙のタイミングでジャンプして旗をゲットするぞと意気込んだら、当然のように操作を奪われて全部ムービーで済まされたりまします。私にゲームをやらせやがれと、非常に苛立たしい気分にされてくれる代物でした。

 と、まぁそんなトチ狂ったゴミはさておき。今年の夏は個人的にとても嬉しい二つのゲームソフトが発売されます。どちらもリメイク作品というのが若干寂しい所ですが、ファンとしては期待大です。
http://www.nintendo.co.jp/fe/fet_info.html
 一つは8月7日に発売予定の「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」。これはファミリーコンピュータ版の第一作目をDSにてリメイクしたもので、スーパーファミコンに移植された折にカットされたキャラクタやマップが復活している模様。リフからライブの杖を巻き上げ、シーダでロジャーやジェイクを誑かし、私が大好きな「グルニアの木馬隊」や「ペラティの火竜」や「天空を翔る騎士」などを再び攻略できるなんて素敵過ぎます。
 キャラクターデザインがスマブラ準拠になった事で賛否両論あるようですが、ファミコン版のキャラクターデザインを知っているなら笑止千万。アレはユニットに対する思い入れでグラフィックを自己補完するタイプのゲームであり、萌えキャラやら超美麗ムービーやらが見たければPS3でも眺めてろという話です。
 あぁ、早く私のドラゴンナイト部隊とチキで、敵軍を皆殺しにしたい……(惚)。シリーズの原点であり、暇なら是が非でも、暇で無いのなら暇を作って試してみる事をお勧めです。

http://www.mmv.co.jp/special/game/majin/ds/kenpuuchou/
 続きましては8月21日発売予定の「東京魔人學園剣風帖」。10年程前にプレイステーションにて発売されたゲームを、これまたDSでリメイクです。ファイアーエムブレムもそうですが、シミュレーションRPGやシミュレーションアドベンチャーというのは手軽にプレイ開始できてすぐにやめられる携帯機向きだと思います。
 さて、このゲームのジャンルは學園ジュヴナイル伝奇。此処を御覧の皆様には、戦国学園っぽいシミュレーションアドベンチャーと申し上げれば話が早いでしょうか。戦闘システムはタクティクスオウガに近い感じです。キャラクタの絵柄の癖が強いので、初見で拒絶反応を起こす方もいらっしゃいますけれど、そのストーリーの熱さには私が折り紙をつけます。夕焼けの河原で殴り合い、両者ぶっ倒れて互いの腕枕で空を見上げるようなシチュエーションがお好きなら、遊んで損はありません。
 ちなみにこのゲームはネーミングセンスが良い意味で狂っていて、そのエッセンスは確実に私の内に息づいています。名前を眺めた時点で「コイツが今回の黒幕に違いない」と判別出来てしまうのは推理モノとしてはアレですが、そんな些細な事は補って余りある勢いと情熱が渦巻いており、プレイステーション版を遊んだ事が無いのならお願いですから試してみて下さい。もしもつまらなかったなら、私が責任をもって苦情を引き受けますので。

 それにしてもこの二つに匹敵するような、ゾクゾクさせてくれる新作ゲームに出逢いたいものです。


ある意味においては、お望み通りに。

2008-06-07 | 中身
 関係を断絶するか否か。それを賭した決闘を拒絶し逃げるのならば、それはそれで仕方のない事。良き友として互いの新たな門出を祝う離別ではなく、単なる有象無象と認識して私の興味関心の埒外に置くだけの事です。

 さよなら、万里。
 知性的で誇り高く感情豊かで可愛らしい貴女が大好きでした。
 けれど今この瞬間より、私は貴女への全ての想いを断ち斬ります。