N の 祝祭日

映画、読書などのメモ

スリーデイズ

2017-08-16 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★スリーデイズ
原題:The Next Three Days
監督:ポール・ハギス
音楽:ダニー・エルフマン
キャスト:ラッセル・クロウ、エリザベス・バンクス、ブライアン・デネヒー、他
2010/アメリカ

この話は、面白い。
フランス・オリジナル版「すべて彼女のために」のリメイクだそうだ。
ぜひフランス版を観なくては。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プロミスト・ランド

2017-08-16 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★プロミスト・ランド
原題:Promised Land
監督:ガス・バン・サント
キャスト:マット・デイモン、ジョン・クラシンスキー、フランシス・マクドーマンド、ローズマリー・デウィット
2012/アメリカ

監督ガス・バン・サント の繊細な作品を観たかった事、マット・デイモンの茫洋とした役どころを観たかった事、しかも彼が脚本づくりに参加しているということで、興味が増幅。

エネルギー問題を扱った環境問題啓発社会派映画ともとれるが、その一点で観てしまうと、逆につっこみの甘さが気になってくる。片田舎に住む農民たちの葛藤や、人の心の弱さを徹底的に突く大企業のえぐい視点や傲慢なエリート意識の描き方はかなりソフトである。むしろ淡々とした日常の営業活動をおいかけているようでもあった。これはやはり、環境問題をモチーフに、人の生き様や心の有り様、しいて言えば、人としての《プライド》を描いたものではないか。

物語は二転三転して、あるいみ落ち着くべきとこへ落ち着くのだが、声高にメッセージを描くのではなく、なるべくしてなる自然な落としどころ、善良なる人の善良たる所以の《プライド》を滲み出す。そしてさりげなくロマンス。

ガス・バン・サントのハッとする仕掛けが心地よい。
らすと、天使のような女の子を登場させて作品を締めくくった。
僕はまちがいなく信者気分に陥った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空気人形

2017-08-15 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★空気人形
監督:是枝裕和
出演:ペ・ドゥナ、板尾創路、ARATA、他
2009/日本

《李屏賓(リー・ピンビン)の捕らえた東京・・・空気人形》
リー・ピンビンが東京の街をどのようにみせてくれるのでしょうか。
その興味はとても押さえがたいものでした。

メイド服を着た「空気人形」の物語は、是枝監督がどのように言い訳を作ろうが、監督自身のエロスへの趣味そのものであり、この映画は性的興奮を狙った確信犯的AV作品です。映画のテーマとして所々で「生きる」ことを問いかけてはいましたが、現実に生きる人物たちの存在そのものが陽炎のように儚く弱々しく描かれていましたので、ちょっと謎掛けをした程度のように、まさに言い訳程度のように聞こえました。逆に性的行為の代用品としての「空気人形」の存在がリアルにまぶしく描かれています。その対比の際立ちがエロスの美しさを一層印象づけたように思いました。

この作品の興味の一つは、是枝裕和監督は日本人、主演のヒロイン、ペ・ドゥナは韓国人、カメラ撮影のリー・ピンビンは台湾人という、東アジア人の映画であるということです。
3人の視点が微妙にぶつかり合い、東アジア風というか、いわゆる無国籍風に仕上がっていました。

カメラのリー・ピンビンが捕らえたものは、現実と夢とが交錯した白昼夢の東京下町。
ねじ巻時計のちょっとリズムの狂ったような時間の刻み方。
シュールな表現ですがこの感覚は好きですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初恋

2017-08-15 | chinema(日本映画)

映画を観た。

1968年、12月10日、雨。
ボクはこの物語ヒロインと同世代、40年前の三億円強奪事件が起きたときは高校生だった。当時の記憶はセピア色どころかほとん真白っぽいくらいだが、事件の輪郭ははっきり覚えている。犯罪ではあるが、事件に生臭さがなくヒーロー的扱いだったような気がする。(今でもたぶんにそうかも知れない)反権力への空気があちこちに充満していた時代だった。短時間で行われた離れ業はただ感嘆するばかり、「白いヘルメット男」の写真は強烈なインパクトを与えてくれた。その後の捜査の迷走ぶりも記憶に残る。時効となった75年までに約10億円近い費用がかかったとか。消えた3億円は,いまだ使われた形跡がないというから、さらに謎が謎を呼び、夢想が膨らむ。

本屋さんで「初恋」の文庫版を見た時も強烈。帯の宮崎あおいがじっとこちらをみつめていた。読むしかないと観念して読んだ。

孤独と権力への憎しみとそして漂う寂寞感。この文章は何のために書かれたのか。「初恋」と甘いタイトルだが、中身は淡々と当時を振り返る冷徹な文章であり、共に生きた友人達への追悼のことばのような哀調を持つ。フィクションであることにまちがいないのに、作者中原みすずが「3億円の犯人」であるかのようなリアリティを持つ。70年前後の時代の空気を3億円強奪犯人が憎しみと優しさを込めて語ってくれた。同時代人としては共感できる部分が多く、個人的にもいろいろ振り返ることが多くなる。

しかし、いったい、これは真実の物語だろうか?
作者中原みすず、プロフィール未公開。

DVDで「初恋」を観る。原作の冷徹さがなく、宮崎あおいのキュートさが目立ち、フィクション性が強くなる。映画になると、どうでもいいいろんな情報が氾濫してしまい、主題がぼやけてしまった。当時流行ったグループサウンズの歌声、ミニスカートのファッション、映画ポスター、クルマ、バイク、当時の街並。懐かしいものばかり。「ブルーシャトー」、「スワンの涙」、そちらの方に感激。原作はジャズ調だったのに、映画は歌謡曲調である。

20世紀はしだいに遠くなりにけり、、、、と思いに耽る。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クライマーズ・ハイ

2017-08-14 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★クライマーズ・ハイ
原作:横山 秀夫
監督:原田 眞人
出演:堤真一、堺雅人、尾野真千子、山崎努、滝藤賢一、他
2008/日本

映画を観ながら、あの1985年8月、ボクは何をしていたのだろうかと思いめぐらす。日航飛行機事故のニュースは衝撃であり、テレビの画面に釘付けになった。新聞を隈無く読んだ記憶がある。一報は、飛行機行方不明のこと、墜落現場は特定できていないこと。そして次第に明らかになる惨事。多くの犠牲者と助けられた人のこと。ボクの記憶は映画が記録する通りである。ひょっとしたら記憶操作をしているかもしれないが。

映画は地方新聞の現場での混乱と衝撃の一週間を描いている。大きな事件が飛び込んできた事の混乱と記者としてのチャンスの歓びも描いている。上映時間145分間のほとんどは、怒鳴り声と罵声の飛び交う新聞製作現場での濃密なやりとりに費やされているが、長く感じる事なく鑑賞した。携帯通信の時代の現代からみると、当時の通信事情は未発達である。コードのついた電話を手にして怒鳴っている姿をみていると、かすかなノスタルジーさえ感じてしまった。

実際の飛行機事故というテーマを扱いながらも、視点を変え、取材者側からみた新しい物語として創作され、映画スタッフの熱いボルテージは感じたが、登場人物が余りにも多く、また現代と過去の時間の行き来などがありすぎて、「描き過ぎ」の感じがした。何を描かないかの選択があってもよかったのではないか。

「クライマーズ・ハイ」という精神状態は初めて知った。山好きだったボクには少しだけだが解るような気がする。壁を上るのは絶対無理だが、なだらかな尾根歩きなら今でもできそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八月の六日間

2017-08-14 | 

本を読んだ。

★八月の六日間
著者:北村薫
出版社: KADOKAWA/角川書店

「なんか読む本はないかな?」と探していると、
本屋でたまたま眼に止めた本。
以前、新聞書評欄で好評だったのを思い出した。
ページをめくると、
かって若いころ(だれでも若いころはある)、
登ったコースの地図が載っている。
おつ、これは!

神々しい山のことが書いてあるかと思ったが
こそばゆいくらいのファンタジーな山の小説だった。
ちょっと危なっかしい山の小説だった。
作者の北村さんは、実際に山に上った体験を書いているわけではない。
というか、まったく上らずに、山のことを描いている。
作者の取材力は凄い。
読みながら自分も山の気分を味わった。

いろいろ小ネタを散りばめて飽きさせず、
ラストまで気持よく読ませてもらった。

《あずさ2号》問題のウンチクは面白かった。
男は別れた女に思いを残したりする。だが女は、思い出を美化などしない
それはそれとして取っておこうーなんて考えない。

しかし、この本の主人公は、その思い出に囚われ、
忘れるために仕事をし、
時間をリセットするために、
一人山に上る。

かって若いころ(だれでも若いころはある)、
上った山の道や、眺めた山の姿を思い出した。
蝶、常念、燕コースがなかなかの臨場感溢れる文章。

久しぶりに屋へ行くか。
足腰と精神を鍛えないと。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペタル ダンス

2017-08-13 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★ペタル ダンス
監督:石川寛
出演:宮崎あおい、忽那汐里、安藤サクラ、吹石一恵、他
2012/日本

あの、《好きだ、》の石川寛監督、7年ぶりの作品ということで観てきました。
石川と宮崎のタッグは懐かしい。
そして、4人の女優の組み合わせ、これは見事に新鮮。
タイトルのペタルは《花びら》という意味らしい。
ということで、この映画は《20代女性の心のゆらぎ》を捉えようという大胆な試み。

映像全体が淡いグレートーンの影絵のよう。
ニュートラルな世界から、
女の息づきみたいなものが聞こえてくる感覚。
肉感的な生の声ではなく、
ささやくような、揺れるような、風のような女の声。
しかし、何処か生きる希望を探している声。

人生をある程度経験すれば、それなりに耐えうる強さが身につく。石川監督は、《幾層にも重なり合う女の性》みたいなものを捕まえたかったのかなと思う。《儚くか細く、風に揺られて倒れそうになりながらも、生と向き合うちょっと逞しい女の声》を捕まえたかったのかも。そういう意味では、《女性の応援歌》みたいなものでは。

宮崎あおいと安藤サクラの車の中での会話の長回しシーンがあり、結構長い。《引っ張るなぁ》と思いつつも、この二人、凄いなぁ、いい役者さんやなぁとうっとり。

ネービーの古いゴルフが砂埃でいっそうニュートラル。
運転する若い子がよそ見をするので怖くて怖くて。

何処かチグハグ感を残しながら(ここが戦略的)ではあるが、
《何とか生きようとする女の芯》みたいなものを描いた作品。
海辺での4人の女のシルエットが美しい。
こういう作品もそれなりに《好きだ、》。

カモメが飛び始めてから、
頭の中に、
《チックコーリアのリターン・トゥ・フォーエヴァー》
レコード・ジャケット写真がチラチラ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

好きだ、

2017-08-12 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★好きだ、
監督:石川寛
キャスト:宮崎あおい、瑛太、西島秀俊、永作博美、他
2005/日本

「好きだ、」の「、」にもの凄いこだわり方をしていると思った。
これにはどんな意味が込められているのだろうか。

京都みなみ会館で観た。
(劇場の映画紹介文より)
言いたいのに言えない言葉
17歳のユウとヨースケ。お互いが相手に対して好意を持っているのににもかかわらず、「好きだ」に一言が言えない2人。彼らの感情は、ある悲しい出来事に行き着き、断ち切れる。34歳のヨースケとユウは東京で偶然再会する。2人の2つの年齢をそれぞれ絶妙な4人が、17年間に及ぶ愛のゆくえを繊細かつ詩情豊かに演じ、「10代最後の宮崎あおいを撮りたい」との監督の想いが画面に息づく。


宮崎あおいは撮影当時はほんものの17歳。
あの若さであれだけの「時間を生み出す表情、演技」
ができることにいまさらながら驚いた。
17歳の高校生の姿を撮りたい、
セーラー服の宮崎あおいと撮りたい、
残したいという監督の想いが切々と表現されている。

ゆったりと間をとった台詞、短い台詞だけど想いを込めた台詞。
一つの場面をゆっくり長まわししながら、微妙な表情を捕らえる。
空の映像を瞬間的にとりいれ、時間の継続と変化を意識させる。
大きく空を描き、そこに人物のシルエットを入れる。
逆光からのカメラで、印象的映像を映し出す。  

前半は水色の空、ゆっくり流れる川の映像がよく出てくる。
後半は水といっても、水滴がよく出てくる。
監督がイメージを構成していくうえでの重要なモチーフなのかもしれない。

できれば、前半部分だけで、物語を完結させてほしかったかな。
「好きだ、」の「、」の続きは?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おくりびと

2017-08-12 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★おくりびと
監督:滝田洋二郎
キャスト:本木雅弘、広末涼子、山崎努
2008/日本

こういう映画は一人でたっぷり堪能したい、一人で静かにゆっくり泣きたいと思うもの。初めから泣くつもりでハンカチを用意。横に人が来そうにない席を確保。準備万端、そして、予定どおり泣かされた。

日本人の琴線に触れるような台詞、物語設定、北国の桜、雪景色。飛び立つ白い鳥。形式美がぴたっと決まっている。そして、日本人的情緒を満足させる様式美。さらに、所々にコミカルな場面を引き込み、ゆっくりゆっくり、人生を考え、生と死を見つめさす。非常に巧みで戦略的な映画作り。

「これってちょっと決めすぎじゃないですか?」と言う余計なツッコミを言わせない完璧さ。素直に受け止め、じっくり泣かされた。

本木さんは結構筋肉質で、男らしい俳優さんなのに、何処か洗練された中性的、いやむしろ女性的でさえ感じる雰囲気を魅せる。それが彼の俳優としての色気だろうが、今回は納棺師という職業の所作、手さばきに生かされた。

「死ぬつもりじゃないなら喰わなきゃいかん。喰うんならウマいに限る。」
とにかく、食べるシーンが多い。特にうまそうには見えないが、生きるためにむしゃむしゃ食らう。動かなくなった死者との対比。

ボクぐらいの年齢になると、多くの旅立ちの場面に立ち合う。共に過ごした時間が長く濃密であれば、その悲しみは深く大きい。あまりの突然であれば、ショックも大きい。いままで、ほんとにいろんな送り方をしてきた。様々に思い出されて、いろいろな時間を彷徨ってしまった。そして思った事、「最期まで、生きようっと」。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

窯焚 KAMATAKI

2017-08-11 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★窯焚 KAMATAKI
監督:クロード・ガニオン
出演:マット・スマイリー、藤竜也、藤竜也、リーソル・ウィルカーソン、他
2005/日本

信楽のぼり釜の炎が全ての映画である。なるほど、このように「窯焚」が行われるのかと、初心者にとっては、かなりの入門編である。「熱いだろうな」と想像するが、映画本編からは、その「熱さ」があまり伝わらない。むしろ信楽焼の自然釉の妙にぼやけたような曖昧もことした雰囲気だけが強調されていた。禅問答のような、どこかタイミングをわざとはずしたような、焦点さだまらない物語。


主人公の若者が何故、精神的な病気になったのかわからなければ、自殺のリアリティが浮かんでこない。陶芸家の自由奔放な生き方はわかったが、何故二人の女性が一緒に生活しているのか、彼らの性生活がめちゃくちゃで(R-18)、若者が嫌悪感を持つことのほうが正常であると思った。しかししだいに、若者も、信楽の「窯焚」を手伝いながら、彼らの生活にすっぽり溶け込んでいく。自然も人間も全て一体化していく。藤竜也さんがここでも存在感を発揮していたが、かれの姿は演技なのか、普段の藤さんなのかよくわからないくらい自然である。この映画が海外で受ける訳がわかるような気もする。

炎が理性を溶かしていくようだ。ラストの場面で、若者の笑顔が周りの日本人の表情と非常によく似ていた。はじめは外国人の表情だったのに。異邦人としての迷いながらも理性を持った表情だったのに。エンドロールでは釣り人になった。東洋精神世界に悠然とどっぽりつかったらしい。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パンドラの匣

2017-08-10 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★パンドラの匣
監督:冨永昌敬
音楽:菊地成孔
出演:染谷将太、川上未映子、仲里依紗、窪塚洋介、ふかわりょう、小田豊、等
2009/日本

太宰作品の映画化が続ています。
「斜陽」、「ヴィヨンの妻」、「パンドラの匣」、「人間失格」。
しかし、今何故太宰なの? 
生誕100年という大きな節目だというのはわかるんですが。

太宰は過去においては確かに名誉ある地位を与えられていると思います。「走れメロス」は国語教科書に載っていました。文学好きなれば誰もが、好むと好まざるに関わらず必ず読み通す作家であり、彼の生き様というか死に様はセンセーショナルに今まで語り継がれてきました。
太宰から受けるデカダンスモードは絶対的に魅惑的です。しかし今、彼の作品が魅力ある文学としてどれだけ多くの読者を獲得しているのか、アートとして、どれだけの刺激とイマージネーションを与え続けているのかを考える、、、。よくわかりません。

映画化の動きは、
ここ数年来の昭和ブームの流れから大きく影響を受けているように思います。太宰治は、ノスタルジーの情感をたっぷりと抱かせてくれる昭和を象徴する作家の一人であり、昭和人の匂いがぷんぷん発散されています。彼の作品が映画の題材になるのは、その「昭和の匂い」ではないでしょうか。

映画は
面白かったです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アクロス・ザ・ユニバース

2017-08-09 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★アクロス・ザ・ユニバース
監督:ジュリー・テイモア
出演者:エヴァン・レイチェル・ウッド、ジム・スタージェス、ジョー・アンダーソン、他
2007/アメリカ

浜辺で唄う「girl」で幕が開く。
陰鬱なスコットランド、リバプールの海。
切なく甘いメロディ。

全曲がビートルズの曲。懐かしい60年代のファッションとアイテム。クルマ、ヒッチハイク。マリファナと煙草、サイケな色彩にロックのリズム。ベトナム反戦のデモ。流れる血。分裂と再会。私的な諸々の出来事がいっぱい重なって何がなんだかわからないくらい錯乱しながらも、すばらしい歌とダンスを楽しんだ。

みんな吹き替えなしだというから、皆歌がうますぎ!このこと自体がなかなか受け入れられなかった。ジュードが唄う「girl」から、ビルの屋上で唄う「All You Need Is Love」まで、若きポールを彷彿させてくれる。ここでこの曲?どうして?驚きの連続。この奇跡に近いといえるすばらしい音楽映画を作ったのは女性監督ジュリーさん。ブロードウェイの演出家さんである。なるほどね、すばらしい才能だと唸ってしまう。女性の視点で優しい表情をうまく撮る。60年代なのに、現代ポップ感覚。 セピア色になっていた過去の時間が、鮮やかに、ピュアーでサイケな色彩となって蘇った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

glee グリー ザ・コンサート 3Dムービー

2017-08-09 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★glee グリー ザ・コンサート 3Dムービー
監督:ケヴィン・タンチャローエン
2011/アメリカ

《これは負け犬への応援歌さ》と謳っているが、
そんな勝ち負けという価値観を超えたところの《自由への歌》。
《バラバラの個性そのもの》
《異なることの価値観》
《ありのままの自分でポジティブに生きること》
そのことの素晴らしさを人生で謳歌しようよと歌いかける。
コンサートシーンを3D映像にして、迫力満点。
ちょっと青っぽく酔ってみたくてなりました。

ところで
《glee 》って何だ?
実はテレビで見たことがない。
噂をちょっとだけ、、、です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シカゴ

2017-08-09 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★シカゴ
原題:Chicago
監督:ロブ・マーシャル
出演:レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア、他
2002/アメリカ

PSでDVDを観る。
ガチガチの歌と踊りで迫ってくるパワーに圧倒され、
これは是非とも、劇場の大画面と大音響で観たいと思わせた。
第75回アカデミー賞(2002)、
第60回ゴールデングローブ賞の作品賞を受賞。

ワルをショービジネスに変えてしまう技はさすがアメリカである。
アメリカ通ではないので、
《シカゴの街》のイメージが掴みにくいが、
たぶん、1920代は《悪徳の街》だったんだろうな。
《イエスがシカゴに住んでいて、5000ドル払ったら、死ななくても良かったかもしれない》
この悪ぶった弁護士の台詞には笑った。
不遜な言い方だが、当時のシカゴを表しているのかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

狙った恋の落とし方

2017-08-07 | chinema(アジア系映画)

映画を観た。

★狙った恋の落とし方(誠意なる婚活)
原題:非誠勿擾
監督:フォン・シャオガン
2008中国

可笑しな発明(意外にいいけど)で一夜にして大金持ちになった中年男の婚活物語。
人生訓になるようなお話がいっぱいちりばめられている。
会話のリズムが妙にリアリズム、これが中国的なのかもしれない。
80年代後半日本の一断面をみているような気がした。
バブル観満杯。

前半は婚活話がコミカルに描かれる。
バブル感溢れる小話でついクスクス笑ってしまうが、かっての日本でもこんな愉快な小話が平気で語られていたのである。
当時と違うのは、携帯電話もなく、まだまだアナログ感があったこと。
現代は、ネット社会の発達で見知らぬ他人と簡単に接触できる世界になったこと。
怪しい世界である。

後半の北海道旅行は、大人のラブロマンス。
北の透明な風景と重なり、人間の情もきれいに浄化されてゆく。
日本の細やかな情緒も美しく描かれ、《憧れの北海道》。
《昴》、《知床叙情》はやっぱりいいですね。
ここら辺りは心地良く酔わせてくれる。
高倉健スタイルのグォ・ヨウがカッコいいい。

この作品は、中国最大級の観客動員数だそうだ。
ラブコメディにほっと一息つく中国社会がよくわかる。
しかしお話は明らかに《バブル観満杯》である。
アーティストの捉えた感覚は鋭いですよ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする