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A&K の NOTES

陽はまたのぼり、陽はまたしずむ。あちこち歩き回りながら、スケッチを楽しんでいます。

追懐のコヨーテ

2022-01-12 | 

 

★追懐のコヨーテ
森博嗣
講談社文庫 The cream of the notes


森博嗣さんの小説は数冊読んだが
このようなエッセイを読むのは初めて。
森さん自身はある程度定期的に出しているようです。


コロナ禍の時代、
森博嗣さんはどのように考えどのように生活しているのか。
興味があって購入。


まぁ、森さんらしいというか
孤独が好きなんだなと。
静かにお暮らしのようでした。

「仕事」というのは、つまり罰ゲームである。
「全力を尽くすな」が親父の教えの一つだった。
・・・・・
などなど、共感できる視点。
対人感覚、社会感覚は僕とよく似ているなぁ。
タイトルの付け方の上手い人だなぁとつくづく感心。

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君は永遠にそいつらより若い

2021-12-05 | 

 

★君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫)
津村記久子
ちくま文庫

作者名は知らなかったが
このタイトルは永遠に魅力的だ。
本屋でつい手を出し購入。

作者のデビュー作だという。
ということは、作者のエッセンスの全てが
詰まってる、凝縮されているということ。


けっこうグダグダ話が展開する。
気だるさ、無力感などもさらり。
現代の若者らしいユーモア、誠実さを伝え、
不器用だが前向きに生きている若者たちの姿。

 

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死神の浮力

2020-04-15 | 

 

★死神の浮力
著者:伊坂幸太郎
出版社:文藝春秋 

もし、自分の大切な家族や人が突然いなくなったら
たとえば、もし我が子が、凶悪な犯罪の犠牲になったら、
と、想像するだけでも耐え難いこと。
もし可能ならば、できるだけの反撃を加えたいと正直に想う。
物語はそんな人間の心情を題材に、ユーモアを交えて、恐怖や不安や希望を描いている。

死神千葉の再登場。
彼の任務は、対象となる人間と7日間行動をともにし、
その人物を死なせてもいいか否かを判断するということ。
前回よりもかなりハードでドライになっていると感じたが、
ハートフルな死神であることことに変わりはない。
前作映画《死神の精度》の金城武さんの姿や台詞回しが頭から離れず。
読書中もちらちら。

面白く読んだが、
ガチで感想をを言うならば、
《もうすこしテンポ良く》を期待したい。
いろいろコネタを挿入して無理矢理引き延ばしているのでは。
でも7日間の猶予があるんでしかたないか。
そこがこの物語のキモでもあるし。
いろいろ伏線を貼付けるのが、
伊坂さんの特徴でもあるし。

 

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ウォールフラワー

2019-07-10 | 

 

★ウォールフラワー(文庫本)
著者:スティーブン・チョボスキー
訳者:田内志文
出版社:集英社

1999年にアメリカで刊行された
《The Perks of Being a Wallflower》の全訳である。
以前にも翻訳され刊行されているようだが
(小西未来訳、アーティストハウス)
今回は、新訳となる。

アメリカでは、青春小説のベストセラーとして、
サリンジャーの《ライ麦畑でつかまえて》と比較されているようだ。
ある学校では必読書として推薦され、
またある学校では禁書として扱われる問題作といわれるとか。

 


読んでみた。
15歳高校一年生チャーリーが見知らぬ誰かに手紙を書きながら、
なかなか人に言えぬ感情を発散させるというスタイル。
書簡体小説にしたことによって、
この年令の少年が抱くナイーブな心情が一層引き出されていた。
手紙というより、日記みたい。

主人公は幼い頃に性的虐待を受け、
それがもとで精神の問題を抱え、
幻覚に悩まされている。
そしてさらに、友人の自殺などもあり、孤独な日々。
高校生になっても、誰にも相手にされない日々。
パーティに行っても、仲間に入れず、
まさに《ウォールフラワー》(壁の花という意味)
そんなチャーリーを仲間として受け入れたのは、
やはり心の中に問題を抱えるパトリックとサム。
小説はこの3人の物語。
日付は、1991年8月25日から、翌年の8月23日まで。


車、喫煙、薬物の乱用、同性愛、セックスなど
ティーンエイジャーの関心事が盛りだくさん。
アメリカの高校生の実態はほとんど知らないので、
日本の高校生とははずいぶんと違う、
そのことにびっくりする。
アメリカ高校生の実態を写すものならば、
かなりショッキングな内容だと思う。


体験の苦しさ、傷の重さに比例するかのように、
人への優しさ、理解の感情が育っていく。
繊細な感情の語り口は、
小説全体に優しさを与えていた。

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放課後 ・・・東野 圭吾

2019-06-21 | 

作家のデビュー作を読んでみたかった。
できれば若い頃の作品、
そして何がしかの賞を頂いた作品、
つまりそれなりの高い?評価を得た作品を。

とくに東野ファンというわけではないが。
「放課後」を読む。

 


★放課後
著者:東野 圭吾
出版社: 講談社

 

東野 圭吾20代のデビュー作である。
恐るべし東野!


実は、このミステリーのトリックは、
ある本で読んだことがあり,
ある程度知っていた。
しかしこの物語は読んではいなかった。

読み進むうちに、次へ次へと意識が引っ張られる、
さすが東野、恐るべしと唸りながら読み進んだ。
作家としての生き抜こうという20代の強い想いの伝わる作品である。
練りに練られた殺人トリックは東野さんの強い決意の表れ。
グイグイと引っ張られる。

ただちょっと拍子抜けなのは、ラストに明らかになる女子高生の殺人の動機である。
そして追い打ちをかける妻の殺意。
練りに練られた殺人計画だが、
動機を語る部分が妙にあっさりしていた。


30年ほど前の作品。
パソコンもなければ、もちろん携帯もない時代。
まったくのアナログ時代の学園物語ではあるが、
あまり古さを感じさせない。


生徒と先生の近い距離感や、
学校の様子などは、今から思えば牧歌的。
同じ時代を経た者としてはやはり郷愁を感じた。

ついでだが、この本のデザインは、東野さんの盟友、あの黒川夫妻による。

 

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眠れないほど面白い『古事記』

2019-04-02 | 

 

★眠れないほど面白い『古事記』
著者:由良 弥生
出版社:三笠書房

断片的には知っているが、全体の物語は実はよく知らない。
ならばこういうのはどうだろうかということで読んでみた。
僕みたいな初心者対象本である。

《日本の神話》と言ってしまうと、少しいやかなり語弊がある。
これは、《中央支配者の家伝》ともいうべき、《支配の神話》である。
いかにして日本の国土を征服したかという神話。
しかも中身は、陰謀と戦い、禁断の恋、嫉妬メラメラの愛憎劇……なかなか醜くも人間臭い壮大な物語でした。

古事記は上、中、下の三巻にから成り立っていますが、
上巻は天地開闢から天孫降臨前後の神々の物語
中巻は神武天皇から応神天皇まで
下巻は仁徳天皇から推古天皇まで

語り部はご存知《稗田阿礼》
筆録したのは《太安万侶》

《イザナキは自分の成りあまれるもので、イザナミの成り合わぬところを刺し塞いだ》
こうして日本の島々は生まれた。
まったくスケールの大きいまぐわいです。

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アラビアンナイト バートン版 千夜一夜物語拾遺

2019-02-09 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和40年(1965年)に角川文庫から出版された《バートン版 アラビアンナイトものがたり千

一夜物語拾遺》の復刊である。

全十話からなるが、
有名どころは、《アラジンと不思議なランプ》、《アリ・ババと四十人の盗賊》。
筋はわかっていても、改めて読んでみると、
《へぇ、事の詳細はそういうことだったか》

これは面白いと読んだのが
《道化師とアブ、アル、ハサン》。
軽妙で妙に考えさせてくれ、芝居になりそうなお話である。


《シェヘラザード》でもを聴きながら、他の物語も読んでみよう。

★アラビアンナイト バートン版 千夜一夜物語拾遺:大場 正史 (翻訳)(文庫本)
訳者:大場 正史
出版社:角川学芸出版、改版

 

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生半可版 英米小説演習:柴田元幸

2019-02-05 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ文学をちょっと読んでみよう。
でもほとんど知らないので、まずは入門本から入ってみよう。
検索し、いくつか適当な本を見つける。
とりあえず紹介本ということで.

ところが、ちょっとしたミスで、この文庫本を手に入れるまでが大変な道のりでした。
どうでもいい話なんですけどね。
本探しに本屋を6店舗まわった。



本の内容であるが、28作家の小説を紹介したもの。
それぞれに、一部分を抜き出した英文と対訳を載せ、柴田さんの作家に対するコメント付き。
英語原文であるが故に、日本文も合わせて横書きである。まさにレポートらしい。

半分ほどの作家は知っている、読んではいるが、残り半分はほぼ知らなかった。
さてでは、
初期目的である《入門として参考になったかどうか?》であるが、、、。
つまりが僕のようなまったくの初心者むきかというと、、、。

参考にさせていただきました。


●生半可版 英米小説演習 (朝日文庫)
著者:柴田元幸
出版社:朝日新聞出版

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喜嶋先生の静かな世界:森博嗣

2019-01-22 | 

 

 

超然とした世界観。

自伝的物語ということで、時代は70年代から80年代でしょうか?
かなり懐メロ的、懐かしい大学の空気。
パーソナル・コンピューターの無い時代の紙と鉛筆の時代の大学研究室。
今から振り返れば、相当なアナログ感です。
《尊敬すべき先生の姿》が語られるところは、
まるで夏目漱石の文章を読んでるような感覚に陥ります。

淡々と話が進んでゆくので、
何処にオチがあるのだろうかと不安を感じさせ、
読者を唸らせる瞬間が訪れるのだろうかと半信半疑状態で読んでゆく。
そして、ラスト、
《おっ!》

★喜嶋先生の静かな世界(文庫本)
著者:森博嗣
出版社:講談社

 

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文学のレッスン:丸谷才一

2019-01-16 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文学のレッスン:丸谷才一

脳のストレッチをしているような気分。
とても面白く読んだ。
何かが解きほぐされるスッキリ感を味わう。
自由奔放な会話形式だと、丸谷さんの博学と饒舌な会話術が生きる。

あとがきのあとに、
《文学のレッスン》読書案内が載っている。
本文で紹介されたものである。
かって読んだ本はいくつかあるが、ほとんどは知ってはいるが読んだ覚えはないというもの。
こんな素晴らしい世界を覗かずに過ごしてきたのかと思うと情けなくなった。
これからでも遅く無い。
読むか。
読もう。

●文学のレッスン (文庫本)
話し手:丸谷才一
聞き手:湯川豊
出版社:新潮社

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棒を振る人生ー指揮者は時間を彫刻するー  著者:佐渡裕

2019-01-16 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★棒を振る人生ー指揮者は時間を彫刻するー
 著者:佐渡裕
 

佐渡さんは京都人だなぁとほんとに思います。
会話の時、京都人独特の間があるんです。
そして厳つい体ですが、物腰は柔らかいんです。

佐渡裕さんは
風貌からして熱血漢風ですが、ほんとに熱き想いを体全体で表現する人です。
でもとてもシャイです。
そこが人気の秘密。

以前、
佐渡さん指揮するシエナ・ウインド・オーケストラを聴きに行った事があります。
迫力ある音楽に幸福感を感じるとともに、
ああ、佐渡さんはバースタインの弟子なんだと改めて思いました。
ブラバンの人は、是非、佐渡さんとシエナを聴いてください。
無理してでも、何処かで聴いてください。
人生変わると思います。


さらに以前ですが、
2000年を迎える瞬間は、
京都コンサートホールでした。
佐渡さん指揮するミレニアムコンサートを聴きながら迎えました。

あれからもう何年になるのだろうか?
いろんなことがありました。
過ぎてしまえば、あっという時間の流れです。

今の時間が非常に大切です。

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抱擁、あるいはライスには塩を 上・下

2018-08-12 | 

 

★抱擁、あるいはライスには塩を 上・下
著者:江國香織
出版社:集英社

 

浮世離れした家族の物語。
他人からみれば、絶対可笑しい、ヘンである。
しかし当の家族たちは、
自分たちの世界をしっかり守り、
むしろ他所の世界が狂気にさえ見える。
江國香織がとんがり尖った感覚の先に見出した《家族の姿》

柳島一家のそれぞれのメンバーが語り手となり、過去と現在を行ったり来たり。
別の次元に突然ワープするかのように場面がかわったり、
同じ場面でも、視点が変われば新しい物語になったりと毎回新鮮である。

その中で、唯一、家族以外の人が語り手となるところがある。
寿司屋の主人が語り手となる、《15 1976年 春》。
邸宅に呼ばれて寿司を握ることになるが、家族の行動や言葉に、眼を白黒。
これは《狂気の沙汰だ》と。

そんな揺るぎない団結を誇った大家族も、子どもたちの成長と大人たちの老いと共に、しだいに解体してゆく。
過去の記憶を美しく語れば語るほど、
儚く切ない感覚で満たしてくれる。
家族の記憶とは、そういうものかもしれない。

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フェルメール 静けさの謎を解く

2018-05-19 | 

 

★フェルメール 静けさの謎を解く
著者:藤田 令伊
出版社: 集英社

 

《何故に、彼は省略した絵画》を描いたのか、とても興味あります。
作品の分析は、現代から見ればそんなに難しいことではありませんが、
《静謐の画家》とまで呼ばれるに至った過程、
そして彼の内面にとても興味をそそられます。 

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完全なる首長竜の日

2018-05-02 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本を読んだ。

★完全なる首長竜の日
著者:乾緑朗
出版社: 宝島社

文庫本の帯に《映画化》と。
ならば読んでみよう、一気読み。

時空間の歪んだ語り口に初めはだいぶ悩まされました。
此れはいったい何を語っているのか?読みながらシュールな映像を思い浮かべます。
サスペンスの高まりに少しホラーが加わります。
しかし、一貫して、語り手である《私の視覚のぶれ》ですので、しだいにその感覚世界に慣れてゆき、そしてついにその謎が解けます。

物語はいわゆる《胡蝶の夢》がテーマ。
そのテーマを《いかに手際良く描ききるか》ということに作者は細心の注意を払いながら進行させます。
しかしその謎?に気づいた瞬間に、この物語への興味は薄れました。
ラスト、ちょっと衝撃でしたが、これも《イメージの増幅》の手段でしょう。
尽きることのない《現実と夢》の追いかけっこ。

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きのうの神様

2018-04-20 | 

本を読んだ。

★きのうの神様
著者:西川美和
出版社:ポプラ社

映画「ディア・ドクター」を観たのち、
こんな映画を作った西川美和という人はいったいどんな感覚の持ち主なんだろうか、
という素朴な好奇心が沸き上がってきた。
映画とは違った時間軸、
つまり小説ではいったいどんな感覚を見せているのだろうか。

「僻地の医療を題材にした映画を作りたい」とい想いから始めた取材は、
「ディア・ドクター」の脚本の素材となっているが、
映画だけでは収まらない様々なエピソードや人の生き方を、
本の短編集の中でも生かしている。

しっかり捕まえないと読み流してしまいそうな人の息づかいが語られている。
田舎しかも街から遠く離れた僻地で生きることそしていつか死ぬということ、
そこに関わるきれいごとではない医療の現実を、
人の内面にそっと入り込んで内側から覗くように描いている。
あっさり描いているが、視線はねっちり細やかである。
ボクのような淡白人間には得難い感覚ではあるが、
ある意味女性特有の感性かなとも感じ、その感性は、映画にも通じている。

「1983年のほたる」少女の内面の心理描写が面白い。
「ディア・ドクター」「満月の代弁者」は映画の番外編みたいで、
映画を観ていなければ、これはこれで面白い物語だ。

煩雑な日常時間がふっと止まったようで、
何処かに置き忘れてきたような感覚、
さらりと揺れるような余韻が残った。

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