Nの祝祭日

映画、読書などのメモ

山本二三 展

2011-09-14 | 展覧会

 

 

★山本二三展
神戸市立博物館


六甲の山々の上にもくもくと白い雲。
三宮行きの阪急電車の中で、ボンヤリ眺めながら、
「そうか、あういう雲が、《二三雲》だな」
青い空に、たっぷりと水蒸気を含んだ大きな雲。

 

 

アニメキャラクターデザインはすぐに眼につくので、
誰々の、、、となりますが、
背景画そのものには全く関心がなく、
《山本二三》さんの名前は知りませんでした。
先日、駅でポスターを観て
「あれ、《時かけ》やん。懐かしいなぁ」と立ち止まり、
初めて作家名を知った次第です。
今回は、そのアニメの裏方とも言うべき
《アニメ背景画》を観に神戸三宮へ行ってきました。

お洒落な神戸の街に《二三さんの絵》が似合います。
《快晴微風、ちょっぴり潤う湿度も心地よく、軽やかに》という具合です。

 

二三さんはほんとに多くのアニメに関わっておられるんですね。
それはもう驚き超えて呆れるレベルです。

初期《じゃりン子チエ》の《背景画》には、
ほとんど釘付けになりました。
大阪の街が淡く光り輝いているんです。
一度塗った絵の具を洗い落としながら、シットリとした情緒感を描き
書き加えたペンの線で、《ナニワの人情》を描く。
時間のかかる作業です。


《天空の城ラピュタ》では、
ビシッと塗ったポスターカラーの色面が強く、
《物語世界の強さ》を出していました。
色面の平面強さが際立ち、美しい絵です。

 


《もののけ姫》
森の中の絡みあう樹々には、
深い精神性を宿し、
アニメ世界を超えた、
普遍的絵画の世界さえ感じたほどです。
すごい執念です。

 


圧巻は《火垂るの墓》
燃え盛る炎、崩れ落ちる家屋、凄い描写力です。

 

 


そして《時をかける少女》

これらは《アニメの背景画》ですから、
大量に製作されているわけで、
質の高さだけでなくその大量制作エネルギーの凄さに圧倒されてしまいました。
(画像は博物館サイトより)


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神様のカルテ

2011-09-09 | chinema(日本映画)

 

榛名さんのカメラシーンをじーと観ていました。
宮崎あおいさんはやっぱり《オリンパス》だった。
(原作ではニコンとライカ)
ロゴマークをしっかり見せて、まるでCMのような一瞬も。


《浮世離れしたような純な人たち》がいっぱい出てきます。
彼らの織りなすドラマは一言で言えば《夢話》ですが、
その中に、地域医療の抱える現実を加えることによって、
ちょっとだけリアル感が出てきて、
ああ、こういうお話は救われるなぁと素直に感じてしまいました。
それにしても《いい人》ばかりです。


本屋さんでよく聴く《バンザーイ》の透明感あふれる細い声。
劇場で体験すると、ほろりとさせられました。
松本平、安曇野の風景を背景に辻井伸行さんのピアノが響き、
一層感情を盛り上げてくれました。


文明堂のカステラ食べたく。
食べ物には人それぞれに思い出があるんですね。


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